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私が見たアメリカのホテル

アメリカの一流ホテルで日本人マネージャーとして10年間勤務した著者が、日々の仕事の中でふと目にしたシーンから、日米の文化的な違い、考え方の背景にあるものなどをつづります。 著者紹介はこちら>>

第181回

スマートフォンなしにホテル滞在は考えられない

ホテルイメージ

アメリカに暮らしていると、スマートフォンを持たない人はどうなってしまうのだろう?と思うことがよくある。つい数か月前まで、飛行場でコロナの陰性情報を登録するのに、スマートフォンが無ければ、登録できず、搭乗手続きが行えないという事態が起きていた。

つい最近まで、どの空港でもフリーのWi-Fiがあり、海外から来た人でも、そのWi-Fiにスマートフォンを接続させることができた。しかし、昨今、フリーWi-Fiを利用する人が減ったことで、フリーWi-Fiの設備を終えるところが続出している。利用する人が減ったのは、多くの人がハッカーを恐れ、それを使わなくなってきていることが理由として挙げられる。

フリーWi-Fiがないから空港でコロナ陰性に必要な書類を登録できない。或いは、スマートフォンを持っていない。という人は場所によっては飛行機に乗れないという非常事態を経験した。実は、私も6月にバスでトロントへ行った際、この非常事態に巻き込まれた人と遭遇した。その人のスマートフォンは国際ローミングをしていなかった。同じバスに乗り合わせたよしみで、私のスマートフォンを使って、その人のコロナ登録を行い、入国させるという手続きをした。私のスマートフォンが使えなければ、その人はトロントに入れず終いとなるところだった。

ホテルで言えば、ホテルの代表電話を利用する人が極端に減ったため、テレフォンオペレーターを置かないホテルが増えた。もうホテルに電話をして、交換を通して部屋につないでもらうという従来のサービスはないと覚悟したほうがいい。私が見るところでは、一流ホテルを除いて、4スターレベル以下のホテルでは、そのサービスは終わりかけている。また、あっても、電話がつながったときに、オペレーターの人数を減らす方法として、「どちらの部署がご希望か、これから内線番号を読み上げるので、タッチフォンで内線番号を押してください」という案内がされる。英語が得意でないと聞き取るのが難しく、宿泊者までたどり着けない。

もはや「なにかあったら、〇〇ホテルに滞在しているから、電話して」と言って出かけることはやめるべき。アメリカ旅行に行くときは、スマートフォンをフリーWi-Fiを使わずとも、国際ローミングでつながるプランに変更しておくこと。また、電話も、国際電話がかけられる、また、受け取れる、状態にしておくことが必要な時代となった。さらに言えば、滞在中にスマートフォンを壊したり、紛失したり、はたまた、電池切れなどを起こさないように十分気を付けること。もはやスマートフォンは海外旅行における貴重品レベルになった。海外で、連絡が取れないことほど危ないことはないのだから。

2022.12.27公開

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奥谷啓介氏

著者:奥谷 啓介

1960年東京都生まれ。ウエステインスタンフォード&プラザシンガポール、ハイアットリージェンシーサイパン等勤務の後、1994年よりニューヨークのプラザホテルに就職。2005年プラザホテルの閉館に伴い退職。現在はニューヨークにてホテルコンサルタントを、また2023年6月からは長年の夢であった小説家としてデビュー。ホテルマンの経験を活かし多方面で活躍中。

・奥谷 啓介オフィシャルサイト

<著者紹介>

・超一流の働き方

ビートルズ・ケネディ大統領・サウジの大富豪……全世界のVIPらに愛され、マネージャーとして超一流の世界で学んだ世界標準の「サービス」「心の持ち方」「自分の活かし方」「生き方」を公開!

超一流の働き方

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「プラザ」元マネージャー直伝、一流ホテルで恥をかかない滞在術。この一冊があなたのアメリカ滞在を変える!レジャーはもちろん、ビジネスにも役立つ情報の集積。国際人の責任として、海外に行く前にその国の常識を学ぼう。

海外旅行が変わる ホテルの常識

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