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マダムはやっぱりアナログ旅の味方です!
しばらくご無沙汰していたソウルに、ようやく行ってまいりました。初訪問の友人マダムは、かの地の冬の寒さに怯えまくり、とんでもない数のアンダーウエア&簡易カイロ&防寒グッズを携帯。ところが、わたくしたちの滞在中は、異常気象とも言える暖かさだったのでございました…。
ベタな観光スポットで思いがけなく感動
実はわたくし、この旅で初めて! 南大門、夜のNソウルタワー、景福宮といった、ベタな観光スポットに足を運びましたのよ。これまで数えきれないほど訪れていても、「並ぶのイヤ」「特に興味もない」でノーサンキュー。しかし目を輝かせて「行きたい!」と懇願するビギナーには逆らえません。覚悟を決めての道行きです。
すると、んまあ、意外と面白いじゃないですの~。ソウルタワーは、50人乗りというどでかいロープウエーでガンガン搬送されていきますし、景福宮もとにかく広く見どころ満載。いずれも想像していたほど待ち時間や人ごみは少なく、たっぷり堪能することができました。わたくし同様、旅先で「有名どころはどうでもいいわ~」と斜に構えてがちな、トラヴェジェンヌのみなさま! 時にはベタに身を任せてみると、新たな発見がありますわよ~。ふふふ。
ガイドブックの地図ではたどりつけない店
さて、以前からお話ししているように、わたくしは未だにNOスマホ派。旅先での行動の頼りは、常にガイドブックかプリントアウトの資料です。今回同行の友人マダムもNOスマホはもちろん、ガイドブックも見ないという無頼派でございましたが、ソウルはIT先進国とはいえ、実際滞在していても特にスマホ無しの不便さは感じません。ねっ、やっぱりいらないのよ旅に出てまでスマホは、と倒置法で威張っていたところ、何ともメンドクサイ事態に…。
その日のランチはカンジャンケジャン。ガイドブックに紹介されていた人気店です。買物を終えてマップを見ながら移動しようとしたところ、地、地図が…とんでもなくアバウト過ぎる! 説明だって「ソウル駅から徒歩5分」の1行のみ! どこの道をどう行けば! 混乱のあまり地元の人に地図を見せて教えを乞うたものの、みなさん首をひねるばかりです。
すべてがスマホ前提の時代に…
これは…もしかして…ガイドブックも、すでにスマホ検索を前提とした編集になっているわけ!? 紙媒体すら、実用性よりもイメージ優先にシフト中なの!? む~。ますます追いつめられるアナログ派。マジでガラケー卒業シーズンに突入しているのかもしれません。なんてったって、スマホの便利ツールとしての有用性は圧倒的ですものねえ~。
問題なのは、便利が故の依存、依存が故の自己中心的な意識の形成、なのではないかと思いますの。昨年ウィーンの楽友協会に演奏を聞きにいった時のことです。隣の若いカップルの女性が、上演中ひんぱんにスマホをチェックするんですのよ~。ちらちら動く画面が視界に入り、もう、全然演奏に集中できません。
スマホはオールマイティアイテムなの!?
堪忍袋の緒が切れそうになったところで、ようやく彼氏が注意して膝に伏せてましたけど(ということは彼氏も気になっていたわけですわね)、自分が自分のスマホを操作している分には、誰にも迷惑をかけていないと思い込んでいる、その客観性のなさが困りものじゃありませんこと?
そして楽友協会は館内撮影禁止です。カメラを出しているとすかさず注意されるわけですが、これがスマホだと注意のしようがないらしく、誰もがバシバシ撮影しまくり三昧。ホールどころか演奏中の舞台も演者もお構いなし。もはやマナー違反なんていうレベルじゃありません。わたくし、ひたすらボーゼンとしてしまいましたわ~。
スマホを置いて街に出よう!
ねえ、みなさま、確かに旅先での情報収集にスマホは大助かりです。必須アイテムであることは認めましょう。でも、「いつでもスマホ」「まずスマホ」「何でもスマホ」は程々に。気がつかないうちに、すこぅしずつ自己判断力と客観性のメーターが、下がっているかもしれませんわよ~。せめて旅行中だけでも、スマホとつながった日常から、もう少し離れてみてもいいのではないでしょうか。
時にはスマホを置いて街に出てみましょうよ。スマホの画面ではなく、自分の目とカンで新しい世界に飛び込んでみるのです。すべての事柄が急激にデータ化している昨今だからこそ、そんなアナログな旅は、きっと楽しいと思いますのよ。…って、ガラケー派マダムのむなしい遠吠えかしらねえ。ホホホ。それでは、みなさま、また来月。Ciao!
クマキ様より、海外コンビニの上手な使い方をご伝授いただきました。日本同様コンビニは値段が高めなので、「安心できる製造メーカーのもの」や「日本語表記」を確認することが肝心なのだとか。「手軽に安心して購入することができるのが、一番だと思います」。ですわよね。クマキ様、ありがとうございました。みなさまも買物の際に、ちょこっと思い出してくださいね。
「Would you turn your cellphone off?」
「携帯電話を切っていただけないでしょうか」という意味のフレーズです。スマホは海外でも「スマートフォン」と言いますが、一般的には「cellphone」でOKです。国によってマナーの考え方は異なりますが、どう考えても迷惑だなと感じる時は、丁寧にこうお願いしてみるといいでしょう。
視線を上げなければ周りは見えない
うつむいてスマホの画面ばかり見ていると、自分の周りで何が起きているのか気づきませんよ。外に出たら視線を上げましょう!