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団体旅行にもマナーがあります
みなさま、ようやくうららかな気配が漂ってまいりましたわね~。新たな旅立ちを迎える方、季節に関係なくお忙しい毎日をお送りの方、人それぞれの2014年春。でも、だれもが同じなのは、人生は一度きりだということ! 「できることは、今、全力で」をモットーに、どうぞ悔いのない日々をお過ごしくださいませ。
マダムも時には団体旅行
ところで、みなさまの旅はどんなスタイルですか? マダムはひとり旅が多いため、基本的には個人旅行派。マイレージやら滞在目的を考慮して、航空券とホテルは別々に手配しています。マダム仲間とも現地集合というパターンがほとんどで、時には同じホテルでも別の部屋、さらにはホテルもお互いお好みでチョイス。食事や観光のみ同伴でね、というケースも少なくありません。
しかし、同行者がまっとうなお勤め人(ホホホ~)の場合はこうはいきません。連休やお盆・年末年始など、人が休む時にしか休めない人が相手とあっては、旅の段取りを楽しむ余裕はナッシング。個人旅行は高くつきすぎて胸(とおサイフ)が痛むので、適当なツアーに参加することになりますわね。理想は空港集合・送迎・添乗・強制連行オールナシの全行程フリー型ですが、まあ世の中そんなに甘くありません。じっと我慢で団体行動せねばならぬことだって……。
集団だから怖くない=はしたない
そんな時でもマダムの小姑アイはしっかり作動中! すると、あらあら、いくら安心の団体旅行だからって、それはなくてよミツコさん(←だれ!?)、てなシーンに出くわすこともしばしば。というわけで今回は、団体旅行でしてしまいがちなとんでもマナーを鋭く追及してまいります!
みなさま、身に覚えがありませんか。1人でいたら絶対しないのに、集団でいると勢いでやっちゃうってコト。誰かが手を出すと、欲しくもないのにもらわないとソンをしたような気になったり、みんながやっているからと思考停止状態で動いたり……ああ、これぞ典型的な集団心理。とりわけ旅先では、国籍&老若男女を問わず多発している困った問題なのでございます。
団体競技の定番「ピース」「割り込み」
その最たる例が、場所を考えずの大はしゃぎってヤツですわ。以前も申しましたが災害記念碑の前で、有名人の墓地で、もしくは人々が祈りを捧げる神聖な場所で、大騒ぎしながら「ピース」って! ガンキンチョだって許せないのに、いいトシこいた大人がすることではありません。
また誰かがいいアングルで写真を撮り始めると、我も我もと被写体に突進。遠くからのズーム撮影ならまだしも、相手に断りもなしに覗き込んでの大接写! ねえ、ご自分がそうされたらどう思いますの? なぜ大勢でいるとかようにズーズーしくなっちゃいますの?
図々しいで言えば、団体さんて行列に割り込むのも平気ですわよねっ。「奥さ~ん、ここ、ここ」って、あのー、後ろに並んで待っている人がいるんですけど! しかも一人や二人じゃないんです。わたくしローマの空港で、何十人もの団体に丸ごと割り込みされて目がクラクラ。
あまりのことに文句を言う気もおきませんでしたが、もし急いでいる時だったら大激怒ざます! たとえグループでも順番は守りましょう。分かれたところで支障ないでしょぉぉぉ!!
恐るべし女性集団パワー
そうなんです。団体ってズルをしても平気になっちゃうんです。というかズルしてる自覚がなくなっちゃうのかもしれません。もひとつマダムの経験を。サン・ピエトロで荷物検査の長い長い列に並んでいたら、中年女性に両脇を抱えられたヨレヨレのおばあ様×3組が、するすると行列前方にカットイン! ポカ~ンとする周囲をよそに、金属探知機のゲートをくぐったとたん、3ババは自力でスイスイ歩行開始! 劇団か! 3ババは主演女優陣か! 演技指導はモロゾフか!
はあはあ。ちょ、ちょっと興奮しすぎたざます。なんですかねえ、人は集団になると羞恥心とか自制心とか客観性なんかのメーターが振り切れてしまうのでしょうかねえ。盛り上がりたい気持ちはわかりますが、ワイワイガヤガヤが許される場所と断じてNOの場所があることを忘れてはなりません。
特に女性はグループが親密になるほど視野が狭くなり、ガハハ笑い、下品な話題、TPOを考えない服装といった、エレガンスとはほど遠い存在になりがちです。雰囲気に流されず、ちょっとでも周囲の白い目に気がついたら、勇気を持って自制&仲間にもご注意を。トラべジェンヌの心得ですわよ~。
その行動がトラブルの元
さらに。みっともない、はしたないですむならいいのですが、怖いものなしの集団行動がトラブルの原因になることもありますのよ。夜中にひとけのない場所に出かける、ケンカや事故の人だかりに野次馬根性で首を突っ込む(素通りした方が絶対賢明でしょう)、遠慮会釈なく他人をジロジロ見たり、ヒソヒソ話をする。
強盗、スリ、詐欺、因縁等々、そこにはどんな危険が待ち受けているかわかりません。一人では絶対にしないことは、人数が増えてもしないこと。もう、その一言に尽きますわね!
「団体ツアー客のマナー違反が我慢できな~い」という声は、みなさまからもたくさん寄せられています。せめて自分が集団の一員になる時は、自覚を持って行動しましょう。目指すのは、一人でもグループでも美しいエレガントトラベラーざます! それではみなさま、また来月。Ciao!
昨年末に人生初のひとり旅でイスタンブールに行かれた、しらたま様より「どうしてもお伝えしたいのは、困っているときに助けてもらった事です」というお便りが。駅でジェトンの買い方がわからず途方に暮れていると、6歳くらいの男の子がかわいらしく教えてくれたのだとか。「聞かれたら助けるのではなく、困っている人にすぐに手を差し伸べること。しかもさり気なく。同じように出来るかどうか自信はありませんが、それでも、日本で困っている人がいれば私も出来る限りお手伝いしたいと実感しました」。わたくしも同じです。異国で受ける親切ほど心に迫るものはありませんものね。「不安は色々ありましたが、思いのほか一人でも楽しむことが出来ましたし、なにより、また一人旅しょうかな、と新しい旅行プランを考えている自分に驚いています」。素晴らしい~。ぜひひとり旅の醍醐味を追及なさってくださいね。またお便りお待ちしています!
続いてお久しぶりの 花の精様。あらまあ~、ご主人とモルディブ旅行に行かれたのですね。水上スキーにシュノーケリングに無人島へのロマンティックなエクスカーションに……うっ、うらやまじい~~~。くうう、素敵すぎて泣けてきました。上陸に失敗してボートから落っこちようが(笑った!)、雨が降ろうが、ダンナ様が持参した「宿題」をほとんどやらなかろうが、「海の色も綺麗だったし、透明度もありました。本当に素晴らしかった。食事も美味しかったし、スタッフはフレンドリー。申し分ありませんでした」、この言葉に尽きるようですわねえ。ダイビングもシュノーケリングも、それよりまず海にも入らないリゾートステイが続いているわたくし。楽しそうなお便りを拝見したら、久々にもぐってみたくなりましたわ~。
「I’ll try.」
「やってみるね=できたらね~」という意味のフレーズ。食事やパーティなど、お誘いを受けたはいいけれど、それほど乗り気なわけじゃない。でもハッキリ断るのも申し訳ないからあいまいにしたい……という、まさに日本人向けな表現です。ナンパをサラリとかわす際にも有効ですわよ~。
一人の矜恃が全員を律する
たとえ流れに棹さすことになっても、結果的にはそれが全体をよき方向へ導く舵取りとなる……という個々が常に心に刻んでおきたい言葉です。