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旅でこそ、紳士はカッコヨクあるべし!
爽やかな秋晴れが続く今日この頃。みなさま、いかがお過ごしですか?愛の多国籍軍マダムヨーコでございます。そう・・・愛!旅ほど、日頃の愛が試される場はございませんわね。日本ではラブかった殿方への愛が一発で(あら、失礼!)醒める瞬間。ああ!マダムも異国にてかような悲劇に幾度遭遇したことでございましょう。そこで今回は旅先における殿方の心得について物申してみたく存じます。
レセプションに立つのは男性の仕事です
ウキウキと旅の計画を立て、ラブラブのフライトタイムを過ごし、ついに憧れのラグジュアリーホテルにチェックイン。なのに、ああ、なのになぜ貴方はわたくしの後ろに回ってしまうのかしら?いえ、背後霊になるだけならまだしも、手続きを女性に任せてどっかりとソファに腰を下ろしてしまうって、一体全体どういう了見!?わたくしは貴方の秘書でもツアコンでもなくってよ。
ホテルのレセプションもそうですが、カップルでソーシャルな場に出るならば、エスコートは男性の仕事と決まっております。たとえ日本ではそうでなくとも、Do in Rome as Romans do。見渡してごらんなさいまし。あなたの周りに座って手続きがすむのを待っているのはご婦人ばかりではありませんこと?なに?「だって英語が話せなんだもーん」。うう、貴方のパートナーが外国語ベラベ?ラなら、そりゃあ百歩譲りましょう。でも!そうだとしても!やはり貴方は雄々しくレセプションに立つべきですわ。
「話せない」のではなく「話さない」からカッコ悪い!
マダムの悲しくつらい思い出をお話ししましょうか。とあるリゾートへのバカンス。ビーチへ向かうべく念入りにお肌のお手入れにいそしんでいたわたくし。向こうからボーイフレンドが「ビーチタオルがないよ」と。手の離せないマダムは「あら。じゃあ電話して届けてもらうようお願いしてくださらない?」。ヤツは一向に電話をかける気配がありません。いらいらしたマダムが「もうっ。早く頼んで!」とプチ怒ったところ、「だってなんて言っていいかわかんないんだよっ!」。逆ギレです。えええええ!?んなもん「びーちたおる、ぷりーず」で、よろしくてよ?何をお気取りあそばしていやがるんでしょう。
つまり殿方は「話せない」んじゃなくて、「かっこよくしゃべれないから話したくない」んですわね。そんなこと、いったい誰が気にするというのでしょう。片言でもつたなくてもいいから、堂々と振る舞うこと。そんな愛しの君の懸命な姿を見ることが、女性にとってどれほど頼もしく嬉しいか。「この人と一緒に来て良かった」と、愛情もいや増すというものです。なにも小難しいギロンをしろといってるんじゃありませんのよ。ガイドブックにも載っている、超カンタンな基本会話レベルの話。海外ホテル滞在中は、それで充分事足りるはず。こういうところでプライドを見せてこそ、誇り高き紳士というものですわ。
別行動で男を磨け
「こりゃアカン」と目の前が暗くなる殿方の行動をもう一つ。海外でブランドショップに行きますわね。女性陣はそりゃもう大盛り上がり。お買い上げにはまだまだ時間がかかりそう。仕方なしにつきあっている殿方は、「ヤレヤレ」とばかりに店内にあるソファに腰を下ろし・・・って、ちょーっと待ったぁぁ!
そのソファは待合室ではありません。靴を試着したり、会計をなさる方のためのスペースですのよ!試着室から出てくるパートナーを待つ間に利用するならまだしも、「君の買い物になんか興味なし」ってな顔で、どっかり占領するのはルール違反。一緒にいるならアドバイスをしたり感想を述べたりするのがカップルの正しいあり方でありまして、もし本当に興味がないのなら、待ち合わせ時間を決めて自分の行きたいところに行くほうが、よほど生産的ではありませんこと?威張っている割には一人で行動できない。これも日本人の殿方のトホホな性質なのかしらん?
まずは背筋を伸ばしましょう
欧米の方々には、アジア系の方の区別がなかなかできないようです。わたくしたちは顔つきなどやファッションなどで、なんとなーくわかりますが、そんな欧米でも、一目でわかるのが「日本人の若い男性」なんですって。どこがポイントだと思います?目まいがしますわよ。なんと「猫背でぺたぺた歩いているから」!んまああ、国辱!でも、そういわれて観察してみれば、本当に若いおのこは姿勢が悪い。これは体格なんて関係ありません。まさか、ダラダラ歩くのが「イケてる」なんて思ってませんわよね?それは、あなたの価値観が「よし」と認められるセンター街だけにしてくださいませ。
これは見た目の問題だけでないのです。猫背でぺたぺた=貧相=襲いかかっても簡単にKO、といういわば「いいカモ」と見なされる最大の原因でもあるのですわ。貴方ひとりならまだしも、隣には彼女がいるのです。ヘタをすると彼女を危険に巻き込むことにもなるのですよ!どうぞ、海外では胸を張ってきびきびと歩いてくださいまし。そして、ズバリ言わせてもらうわよ。ぺたぺた歩きを誘発するビーチサンダルは禁止!せめて街中を歩く時は軽いモカシンや、シンプルなレザースニーカーになさいませ。ビーチサンダルは「海で」活躍させればよろしいアイテムですもの。
とまあ、わたくしのプチ・ハートブレイク経験も交えてお話いたしましたが、いちいち旅の英会話集を買うのは面倒という方は、簡単でしかも男っぷりが上がる「旅の英会話」をご参照あれ。プリントアウトして持っていけば、荷物にはなりませんし、広げて見ていてもガイドブックよりはるかにスマートですわね。
海外旅行では殿方にかっこよくあって欲しいマダムの願い、伝わりまして?そして女性のみなさまも、「海外では男性にはこうあってほしい」というご希望がおありでしたら、ぜひマダムにお知らせくださいな。折々、ご紹介してまいります。次回は、そんなナイス殿方が心からエスコートしたくなるような淑女の心得をお話しいたします。それではみなさま、Ciao!
「If I feel like it」
表向きの意味は「気が向いたらね」ですが、「全然そんな気ありません」というニュアンスを明確に伝えるフレーズです。道を歩けば寄ってくるしつこーい物売り&ナンパ。「いいツアーがあるよ」「可愛い女の子がいっぱいいますよ」(これは殿方用)と、高額かつ怪しげなお店に連れ込もうとする客引き。そんな連中は、この一言で撃退です。
目と目で通じ合う・・・わけがない!
黙っていてもわかってくれるはず、は大間違い。海外旅行では、言葉と態度でハッキリ自分の気持ちを伝えなければ、喜びも満足も遠くになりけり、です。