アメリカン・エキスプレス
ミスターMのおいしい旅の話「次の旅はここへ行け!」
Vol.
109

海外レンタカーは安心安全第一で

ミスターMのおいしい旅の話 海外レンタカーは安心安全第一で

私は海外滞在中にレンタカーで移動することが多いのですが、毎回利用しているハーツにはすでに私のプリファランスがセットされていて、世界のどこに行こうとも、電話1本 で希望通りの車や保険が用意されているのであります。ところが先頃、オーストラリアでいつものように車を借りるべく確認してみたところ、繁忙期と重なるとかで想定外の料金に。そこで地元の友人に安く借りられるところはないかと相談してみたのですが……。

オーストラリアでレンタカーしたら

結論から言うと、やっぱりハーツにしておけばよかったと(笑)。紹介されたショップはコンビニ兼ガスステーション兼のいわゆるパパママストア。車は初めてのヒュンダイです。なにせ選択肢がないので仕方ありません。まあ、それはそれで初めての体験で面白かったし、ピックアップ時は友人が事前に手続きしておいてくれたのでスムーズに事が運んだのですよ。問題は返却時です。

キーを返してレシートをもらうだけの状態でレジに並んでいた私。しかし前に並んでいた幼子連れの女性の対応が一向に終わらないのです。何かトラブルがあったのでしょうか、ショップのお父さんは電話とパソコンに首っ引き。あれこれ問い合わせてもラチがあかない様子。退屈した子供は店内をはしゃぎ回り好き放題。

あっちもこっちも大わらわで全然事が進まないんですな。ディナーアポの待ち合せ時刻が迫り内心うんざりしつつ、怒っても仕方ないのでひたすら辛抱の1時間超。無頓着なオージーでもさすがに恐縮したらしく、ついにコンビニ部門担当のお母さんから「すみませんねえ……」とのお言葉が(苦笑)。

何でも安けりゃいいってもんじゃない

これが「安さ」の理由なんですね。大手であれば説明はきちんとしていてわかりやすく、システムも明快。いざという時のマニュアルも徹底していますから、安心して任せておけます。先の件だって、いつものハーツなら「じゃあメールでレシート送ってね」ですむ話です。

そういえば、かつてフィジーでレンタカーした時のこと。スバからナンディへの移動途中で、 ものすごいスコールに見舞われたのです。折しも行く手は長い上り坂、もちろん未舗装。周囲は何もない寂しい場所。あっという間に道路は冠水し、ラジエータに泥水が入りこんでウンともスンとも言わなくなってしまったのです。

ひとり旅でしたから、トランクに荷物を置いたまま車を離れるわけにもいかず、 さて、どうしたものか……今日はここで夜明かしかな……と腹をくくりはじめた3時間後、ようやく通りかかったトラックに助けを求め、車を捨ててナンディまで乗せていってもらうことができたのです。さ~て、お次はどんな 面倒が待っているかナ、と出向いた営業所ですが「あっそう。じゃ書類書いて。代車はこれね」で終わり。

レンタカーは命を預ける乗り物

びっくりするほど簡単でしたねえ。これもまた、インターナショナルな大手だからこそ可能な対応と言えるでしょう。でも、そうでない場合はいったんコトが起きると、ひたすら面倒や手間がかかります。かえって高くつくことだってあるかもしれません。特にレンタカーは命を預ける乗り物です。それなりに名の通った会社を選ぶに越したことはありません。

確かに場合によっては高い料金を支払うことになりますが、それを補うに足りる信頼感があります。つまり「安心」は、ある程度お金で買わなければならないということです。心配だけど自分だけは大丈夫だろうと思ってしまう心理、少しでも安く済ませたいという心理は誰にもあります。でも、同じように「万が一」もまた、誰にでも起こり得ることなのです。

初心者はオートマ日本車を選ぶべし

次に車の選び方ですが、海外ドライブに慣れていない方や年配の方は、安心して運転できる日本車を選ぶといいですね。海外工場で組み立てているとは言え、やはり品質にこだわるメイドインジャパンゆえに比較的故障が少ないのも日本車です。予約の段階ではクラスのみで、車種まで指定できないこともありますが、現地に行って日本車があるようなら交渉してみる価値はあります。

またマニュアルかオートマかについては、これはもうオートマに軍配が上がります。とくに見知らぬ土地、長時間のドライブや起伏の激しい道路、渋滞が激しい都市部を移動する場合は、オートマの方が心身ともに圧倒的にラク。アメリカでは最近はほとんどオートマですが、ヨーロッパはまだまだマニュアル車比重が高い場所もあり、現地調達ではなく事前に予約をしておいた方がいいでしょう。

出発前の念入りチェックでリスクを避ける

そして一見して汚い車は避けるべき。手入れが行き届いていない車は「そういうもの」として扱われる恐れがあるからです。たとえ気が急いても、シートやミラーが自分の体に合わせられるか、エンジンやギア、ウインカー、ライトが問題なく動くかは、きちんと自分の目と手で確かめましょう。そしてチェックシートと照らし合わせながら、記入漏れのキズの有無を確認。納得がいかない時は、遠慮せずに別の車をリクエストするべきです。

さらに借りた車が運転中に違和感があったり不具合を感じたら、すぐに交換してもらうこと。これは命に関わることですから「何とかなるだろう」はいけません。たとえわずかな不具合でも、いざという時に大事故を引き起こす要因に。またどんなにのんびりした道路でも、シートベルトは忘れずに。私もその昔、コンボイと接触事故を起こし車が大破した時も、シートベルトのおかげで打撲だけで済んだことがありました。海外に限らずハンドルを握る時は安全運転が最優先。みなさんも、どうぞ日頃から心がけてくださいますように。

花鳥風月

海外ドライブの留意点プラスアルファ

海外ドライブでは、左ハンドルによるトラブルが少なくありません。ギアが右側にあるため運転しづらいことはもちろん、左折の時に車線を間違えやすいこと、さらに左ウインカー・右ワイパーに慣れず、必要もないのにワイパーがガンガン作動してしまいがち(苦笑)。「あ、ここで曲がらなきゃ!」という時に、反射的に腕を動かす→ワイパー動く→焦る→事故という、悲惨な流れを引き起こしかねません。運転中は、とにかく落ち着いて冷静に。

ラグジュアリーホテルに泊まるなら、ショボイ車はダメとお話ししたことを覚えていますか? 以前、フランスで予約していた小型車が用意できず、メルセデス・ベンツにアップグレードされたことがあったのです。その日の宿泊は郊外のシャトーホテル。到着した時に、パーキングにズラリと並ぶ高級車を見て、心から「メルセデスさまさま!」と思いましたねえ。もし予定通りの車で出かけていたら……かなりシビアな思いをしなければならなかったかもしれません(笑)。

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