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バリでのバカンスをゴルフ三昧で過ごす!
みなさんからいただくリクエストで、意外に多いのが「海外バカンスでのゴルフ事情を教えて!」というもの。しかもご夫婦で、女性グループでと、性別年齢も幅広い。うーんご同輩、嬉しい限りであります。そこで今回は、バリの全ゴルフ場の体験リポート、そしてゴルフをメインにしたバリ滞在の極意をじっくり紹介します。ゴルキチのみなさん、お待たせしました!
アジアン・リゾートのゴルフコースは手ごわいゾー!
多くの方はすでにハワイ、オーストラリア、アメリカなど各地ゴルフパラダイスを制覇していますよね。しかし! 近年ゴルフコース増加の一途のアジア各地のゴルフ場は、ちょっとスゴイですぞ。シティサイドはともかくリゾートだったらしょせんツーリスト向けでしょ・・・なんてなめるとパシッ! と。バリはもとよりランカウイ、プーケット、ビンタン、シェムリアップと、各地に素晴らしいコースが目白押し。なにせアジアは後発の利とでも申しましょうか、ゴルフ好きリゾートオーナーによる開発投資がハンパじゃないんです。最初から高レベルものをめざし、設計、造成、メンテもきっちり一流マネージメント。こうしてできたコースは当然のことながらチャンピオンシップ仕様となり、距離が長く、各種ハザードもきっちりバッチリ。いわゆるフォーギブン(forgiven)でないのが最大の特徴です。
距離が長いということは、飛ばせないと面白くないわけで、レギュラーでも軽?く6000ヤードを超えるバリの場合、たくさんボールを打つグッド・コストパフォーマンスなハイ・ハンディキャッパーには、かなりつらいかもしれませんぞ。またOBは少ないかわりにペナルティは満載、一見サービスホールかのようなホールには、トラップが口を開けてお待ちかね(笑)。コースマネジメントを確実にしないとロストボールばかりという憂き目に。やはり一流コースは、距離のみならずターゲットゴルフ志向も強いんですね。かてて加えて「アジアだから安い!」わけでもない。それなりの投資とそれなりのゲストを迎えたいという意向が、はっきりとしているのです。
絶景かな! ニルワナ・ゴルフコース
バリのゴルフ場の中で、最も印象的なのがニルワナ・ゴルフコースです。18ホール、パー72(チャンピオンシップコース6293ヤード)。デザインはグレッグ・ノーマン。グレッグ・ノーマンと聞けば、ご存じの通り「やさしくない」。絶妙な位置に木が植えてあったり、意地悪なウオーターハザードがあったり、やっと乗ったグリーンはポテトチップ・・・!? こちらもかなり精度の高いショットが要求されますが、何といっても景観が素晴らしいのです。幽玄なムードのタナロット寺院を望む海越えのホールだけでなく、本物のライステラスがコース内のいたるところに。南国のイメージそのものではありませんか。
私はボールを取りあえず3つ持ってティーオフしたのですが、いつからチャリティ好きになったのか・・・9ホール目ですべてご寄付を(笑)。するとキャディが、そこら辺に座っているオジサンをちょちぃっと手招きするんですね。すっと寄ってきたオジサンがこそっと開いたバッグには、中古のボールセットがぎっしり。いやあ、笑いました。助かりました。こんな気の利いたのんきさもアジアのゴルフ場ならではですねえ。
高原リゾート気分が味わえるバリ・ハンダラ廣済堂カントリークラブ
ゴルフ場の雰囲気を満喫するには、電動カートではなくやはり歩いて回るのがいちばんなのですが、さすがに日射しの強いバリでは「死」という言葉が頭をよぎります。しかし、標高1142mに位置するバリ・ハンダラ廣済堂カントリークラブは、高原リゾートさながらの爽やかな気候。歩きながらのラウンドが存分に楽しめます。18ホール、パー72(チャンピオンシップコース6983ヤード)。デザインは全英オープン5回の覇者ピーター・トムソン。世界のゴルフコース・ベスト50に選ばれたのもうなずける、花々に囲まれた本当に美しいグリーンです。
難点はやや隔絶されたエリアにあること。ウブドですら車で2時間以上かかるので、クタやヌサドゥアからの日帰りプレイはまるで国内の首都圏ゴルフなみ。だからといって、じっくり滞在するにも、近場に「これは」と胸躍る宿泊施設がないんですよね・・・。「ここで合宿じゃあ!」くらいの気合いがないのなら、拠点はウブドあたりに置き、景色を楽しみながら早めの時間にラウンドするのがベストではないでしょうか。
手堅くいくならバリ・ゴルフ&カントリークラブ
交通の便がよくて、南国らしい景色のバリエーションが楽しめるのがバリ・ゴルフ&カントリークラブ。とにかくバリで1回はゴルフがしたい! という人におすすめです。18ホール、パー72(クラウンコース6871ヤード)。デザインはニック・ファルド。場所柄「楽勝かも」なんて思いがちですが、いやスコアメイクに苦労することすること。私はフェアウェイバンカーが両サイドにある10、16ホールでビーチリゾートしちゃいましたね(笑)。たいして距離はないのに・・・デザイナーがほくそえんでいる・・・クヤシイ?!!
ついに全貌が明らかに! ニュークタ・ゴルフ
2007年末に全18ホールがオープンしたウルワトゥのニュークタ・ゴルフクラブは、パー72(チャンピオンシップコース約6280ヤード)で、デザインはロナルド・フレーム。海を見下ろすリンクスが舞台で、起伏に富み、海風にも翻弄され、ターゲットゴルフが要求されるチャレンジャブルなコースです。オープンしてまだわずかなためトータルなサービス面などはまだこれからというところですが、足回りのよさと景観のよさで、すでに現地駐在員には大人気のようです。
ビギナーならサヌールのゴルフコースへ
案外知られていないのですが、サヌールにも9ホールのゴルフコースがあります。これはインナ グランド バリ ビーチに併設されているもので、もちろん宿泊者以外のプレイもOK。値段もお手頃です。フラットなコースに鮮やかなグリーン。上記4つのゴルフ場に比べると、ビギナーでも挑戦しやすいのがここでしょう。ゴルフ以外にもしたいことがたくさんあって、とにかくゴルフできれば満足という人にはうってつけ。
バリでのゴルフはここがキモ!
繰り返しますが、バリのゴルフ場は想像以上に攻略が難しく、1回目のチャレンジで満足の行くスコアは・・・。そんなシビアな状況の中でプレイを楽しむための大切なポイントが、「キャディのいうことは聞け」ということ。グリーンを知りつくした彼ら(バリでは男性のキャディが優勢)は、実に頼もしきアドバイザーなのです。優秀なキャディに巡り会えると、ちゃんとこちらのレベルを見ての適格アドバイス。驚くほどスコアが違ってきます。もし横着なキャディに当たってしまったら、これはチップでつるしかありません。「バーディ取れたらボーナスだ!」なんてね。あと、ボールがどんどんなくなります(泣)。ニューボールは高いので、持っていった方がいいですよ。または、ボールボーイorガールorオールドレディ!? のご利用を(笑)。
ゴルフのあとのスパはお約束
ゴルフ三昧のバリのバカンス、炎天下のエクササイズで疲れた体を癒してくれる最高のパートナーは? そうです! スパしかありません。かつて旦那はゴルフ、奥様はスパと別行動パターンでしたが、最近は嬉しいことにゴルフもスパも一緒というカップルが増えてきました。いいですねえ。二人で楽しみを共有してこそ旅の喜びも想い出もぐっと深まるに違いありません。早朝の気持ちのよい時間にゴルフをし、ラウンド後はスパでリラックス、陽が落ちてからショッピング&ディナー・・・ああ、これぞバカンス!
バリでゴルフをするならこんなリゾートに滞在を
バリには安宿から超高級なプライベートヴィラまで多種多様、そして把握しきれないほどの宿泊施設がそろっています。今回は、「ゴルフ」をキーワードに、ヌサドゥアエリアで対照的な2軒のリゾートをピックアップしました。まずは、家族連れやグループでワイワイと過ごしたい、しかもできるだけお手頃に、という人におすすめのバリ デサ。ここはレジデンスタイプのリゾートで、全室フルキッチン付き。1~3ベッドルームまであり、カジュアルで気取らない雰囲気が魅力。メイド部屋付きのヴィラもあります。なにしろヌサドゥアの真ん中で、この値段は驚き。日本企業の駐在員やその家族もステイしているので、安心です。
ゴルフがメインのバカンスなんだから贅沢にフェアウェイ・フロントのヴィラにステイしたい! または夫婦やカップルでロマンティックに過ごしたいという人は、アマヌサで決まりでしょう。いわずと知れたアマングループの1軒であり、バリ・ゴルフ&カントリークラブに隣接というベストロケーション。アマンらしい荘厳さと明るく都会的なニュアンスがミックスした、アマン初心者でもトライしやすいリゾートです。もちろんバリ・ゴルフ&カントリークラブだけでなく、他のゴルフ場のティタイム予約から送迎までアレンジは完璧。めんどうな手続きはスタッフに任せて、ひたすら楽しむだけの時間を満喫。これぞ大人の楽園です。
ランカウイに滞在したあるご夫婦のつぶやき
日本人リピータが少ない!? ランカウイをテーマにしたメルマガを読まれた宝塚在住あっくんさんから、お便りをいただきました。あっくんさんご夫婦は、ゴルフとホテルを楽しむのがご趣味で、数年前、ランカウイが誇るラグジュアリーリゾート、ダタイに4泊されたのだとか。スタッフはみなフレンドリー、ゲストもオシャレ、レストランはおいしく、動物の声と葉音以外全く何も聞こえない、自然の中での滞在でした。しかし・・・。
「いかんせん。おっしゃる通り、することがない。ゴルフは、もともと2ラウンドの予定でしたが、結局連日ゴルフの3ラウンドプレイ。プレイ後エステ、夜はテレビの日本語放送をみる…の繰り返し。半日タクシーをチャーターして一番近くの町とやらに出かけましたが、ビールと怪しいスナックを買っただけで買い物代金より、はるかにタクシー代が高くつきました。トホホ・・。私達はまぎれもなく典型的日本人旅行者。『ここは。もういいや』だったのです」
ああ?、まさしく私が申し上げたとおりのランカウイ滞在になってしまったのですね。でも「バリ、タイ、ハワイへは何度も足しげく通う」という超リゾート派のあっくんさんご夫婦。二人きりのバカンスを楽しむことをご存じのお二人には、やがてその地に流れる時間、空気に身を任せる楽しさ、もてあます間を快適に埋める非日常のバカンス術会得にたどり着かれることでしょう。さらに旅を重ねていくうちに、快適なリゾートにゴルフとスパ、そして美味なダイニングさえあれば……充分に満たされる……そんなバカンスが楽しめる日も遠くありますまい。チアーズ! グッドラック!