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爆走! カナディアンロッキー1500Km
以前に紹介したビバリー ヒルトンについて、ナノメートルさんから「売店にカップ麺が売っているので、予算のない時はそれを朝食に」というお役立ち情報をいただきました。そう、たまーに食べたくなるんですよね、アレ。そして「いつも楽しく読んでいます」と嬉しいメッセージをくださった加藤さん。いかがですか? 最近のメルマガは読みやすくなりましたでしょうか? いつもたくさんの方々にご愛読いただき、旅人冥利に尽きるとはこのこと。今後も張り切って世界各地に足を伸ばしていきたいと思います。・・・体力続くかナ?
夏のカナダはドライブにうってつけ
日本はお盆で猛暑とゲリラ雨真っ盛りだったころ、私はカナディアンロッキーを走り抜けておりました。気温は日中で15、6度から時に23度、夜間には5度まで下がるため、夏場でも防寒具は必需品。基本的にはとても爽快で、ドライブには最高のコンディションでありました。今回のルートはカルガリーからスタートしてバンフ?レイク・ルイーズ?アイスフィールド・パークウェイを走りジャスパーへ。さらにウィスラー経由でバンクーバーでフィニッシュの計画。地図を見れば、まずまずの行程。この分なら特に問題なく走破できるだろう、と目論んでいたのですが・・・。
息も絶え絶え地獄のルート99
カルガリー?バンフ(2時間)?レイクルーズ(1時間半)?ジャスパー(4時間)。途中で名所に立ち寄ったり宿泊を含みながら、順調なドライブが続きました。問題はその後のジャスパー?ウィスラー間。うーん、カナディアンロッキーの地図は見ていたけれど、それが周辺部まで正確かどうかまでは見破れなかった! 行けども行けども糸杉と松しか見えない道をひたすら走り、ようやくたどり着いたキャッチクリークの町。しかし、嗚呼、ここで私は再び愚かな選択をしてしまったのです。そのまま南下して7号線に合流すればいいものを、進んだのはローカルおすすめのシーニックハイウェイと呼ばれる99号線。これが山あり谷ありつづら折りあり見通しの悪いカーブ満載と、まさに地獄のルートだったとは。
そこを時速100km近くでぶっとばすわけです。それまでの長時間ドライブの疲れもあって、もはや息も絶え絶えとはこのこと。さらなる失敗は気分転換用のCDを持ってこなかったのですね(以前のメルマガで自分ですすめておきながら・・・)。仕方なくラジオをオンにしましたが、流れてくるのはカントリーばかり。いやはや、うんざりでした。ジャスパーからウィスラーまで約940km。普通は10時間かかるそうですが、私は8時間だったかな。とにかく早く着きたくて必死という感じでしたねえ。無事着いて文字通り脱力しました。
カナダでのドライビングこれだけは
ともあれ、カナダでのドライビングについてアドバイスを。カナダは広大な土地のわりに人口が少ないので、海外ドライブビギナーでも安心して走れます。全然民家が見あたらないとか、GSがないよー(泣)とか、いつになったら次の標識が現れるんだあ(さらに泣)なんて、シビアな面もありますけど。いずれにせよ「出発前の給油、メーターが半分を切ったら給油、GSを見つけたら給油」の3ポイントは安心ドライブのためにも、ぜひとも心がけておいてください。そしてルート確認もしっかりと。きちんとした地図を用意するのも大切です(実感)。
レンタカーの選び方ですが、カナダはレンタル料が安いのでSUVをチョイスしましょう。小型車でも大丈夫ですが、でっかいコンボイやトレーラーハウスがバンバン走っているので、視界をさえぎられてしまいかなりストレス。SUVなら車高が高いため圧迫感が薄らぐだけでなく、視界にも広がりができるので精神的にもラクなのです。できたらナビ付きがいいですねえ。標識は少ないどころか、ここまでエコ!?ってくらい小さくて見にくいのですよ。また慣れるまでは左ハンドルや右折・左折の優先権がちょっと違う、また追い越し車線が左側なのにやや混乱するでしょうが、ハンドルを握っているうちになれてくるはずです。
ビギナーはアイスフィールド・パークウェイから
海外ドライブ初心者がカナディアンロッキー走破の醍醐味を味わうには、バンフでレンタカーをピックアップしジャスパーでリリース、すなわちアイスフィールド・パークウェイをメインにするパターンがベストかと思います。いきなり空港でレンタルしても、市街地はやはり混雑していますから、ちょっと心許ないですよね。バンフからなら道路はぐっと快適で安全、しかも素晴らしい景観というおまけ付き。見どころやアウトドアアクティビティ・スポットも次々に現れるので飽きることなく、適度な休息にもなります。好きに停車しながら、急いで2日、のんびり旅して7日間で楽に走り抜けることができるでしょう。
最大の見物はコロンビア大氷原
アイスフィールド・パークウェイの移動で、一番の見所はやはりコロンビア大氷原の氷上ツアーでしょう。氷河の上に立てる! 歩ける! 写真ではとうてい表現しきれない自然の迫力をひしひしと感じますよ。日本のガイドブックには事前予約とか現地ツアー参加マストとか書いてありますが、そんなの全然必要なし。ピークシーズンでも予約なしでそのまま現地参加できます。待ったとしてもチケット売り場で15分ほどかな。なにせ愉快なドライバーガイドが案内する送迎バスと、人間の背丈を超える巨大タイヤを付けた大型アイスエクスプローラー(雪上車)のコンビが、バスターミナルと氷河をひっきりなしにピストン輸送しているんですから。
ツアーは90分で約5000円。催行は4月から10月末までだそうです。靴は普通のトレッキングやハイキング用のもので充分。底の厚いスニーカーでもOKです。ただしピーカンでも風が吹くと寒いので、軽くて温かいフリースなんかがあると安心です。私はスノーキャップにしっかり防寒服だったのに、周りを見れば半袖、半ズボンにサンダルというアメリカ人も・・・う?ん、皮下脂肪に負けたー!
ハイウェイドライブのお楽しみ&ガッカリ
猛スピードでハイウェイをぶっ飛ばしながらのお楽しみは・・・もちろんカントリーミュージックではありません。大ロッキー、ナショナルパークならではの野生動物との出合いです。どんなスゴい奴に遭遇できるかな?と楽しみにしていたのですが、私の前に現れてくれたのはエルクのみ。ムースとグリズリー、ブラックベアには最後まであえずじまいでした。残念。他の車が止まっていたら野生動物と接近遭遇の合図。信じられないほど近くまで寄ってきます。もしかすると動物の方も「面白いイキモノがいるゾ」なーんて思って集まってくるのかもしれないですね。
そして長時間ドライブの息抜きはGSでの給油や、ちょっとしたショップ散策。しかし、目に入るのは土産物屋とアウトドア用品店ばかり。だって土産物に並んでいるのは木彫りの熊とか、木彫りの鮭とか、そんなんばっかりなのですナ。アウトドア用品も興味がなければ全然面白くない(でも、ここで買ったバーゲン品のシースルー合羽は、寒風吹きすさぶ中でのゴルフで大活躍することに。感謝!)。
カナダに行くなら2009年!
この旅では、ほとんど日本人旅行客を見かけなくてビックリしました。かつてはハネムーナーに大人気のデスティネーションのひとつだったんですけどねえ。渡航者が下降の一途をたどっている理由はわからないのですが、少なくともこれは日本だけの現象。現地には世界中から相変わらず観光客がつめかけていました。さて、あなたがカナディアンロッキー車の旅をしてみたいとお考えなら、どうぞ急いで2009年に実行を。なぜかといえば、2010年にはウィスラーとバンクーバーで冬季五輪が開催されるからです。その後に改めてカナダブームが来ることは必定。ぜひ、その前に、ゆっくりと見たことのないビッグスケールの風景の中を走り抜けていく快感を味わってください。
四者四様のフェアモント in カナダ
カナダを代表するホテルブランドのフェアモント。今回は中でも有名な4軒を訪れました。バンフ スプリングスは威風堂々たる古城風ホテル。多数のアワードを独占する世界中のトラベラーの憧れの存在です。客室は狭めで薄暗いけれど、機能性を求めてはいけませんよ。味わうのはあくまでも雰囲気。よって町中に泊まって見学にだけ行くという手もありかも・・・。シャトー レイク ルイーズは、昨今では貴重な本物の正統派グランドホテル。特にスタンダードな客室に感嘆することはありませんが、その湖畔に君臨する絶景ロケーションやグランドホテルとしてのムードと格式はピカイチ。
ジャスパー パーク ロッジは国立公園の中、200ヘクタールもの敷地、湖畔に散らばって建つロッジは別荘気分で過ごせます。ここのゴルフコースはカナダ一に選ばれたこともある素晴らしい超人気コース。一見やさしそうですが、さすが・・・。そしてブラッコムのふもとにあるシャトー ウィスラー。ここもグランドホテルですが、歴史が浅い分、モダンな造りで部屋はゆったり気味。難易度の高いプライベートゴルフコースもあります。トリッキーと言ってしまえばおしまいですが、落とし所が狭いターゲットゴルフ指向。ハンデ25以上はツライですぞ。私もスタート第1打目からロストボール・・・曲がったら、もう見つからないんです!
同じフェアモントを冠していても、歴史や背景はさまざま。いずれも個性的でサービスのレベルも上々。やや垢抜けないところが、また親しみやすくて好ましい。5スターなのに肩が凝らない、いわゆる「ダサかわいい」というイメージでしょうか。フェアモントに滞在するなら、メインダイニング・ディナー用にスマートカジュアルを1着持ってクールに決めましょう。きっとグランドホテルのサービス、豪華さの真髄を実感することができますよ。