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知っているようで知らないホテルルームの雑学2
みなさま、ごきげんよう。前回に引き続き、超ご多忙中のミスターのご指名により、マダムヨーコの登板でございます。海外旅行と切っても切り離せないのがホテル。ホテルにはいろいろなグレードがありますが、高級ホテルに滞在するなら、ただ眠るだけではもったいない…というわけで、知っていれば「へえ〜」なホテルのミニ雑学第2弾! みなさまの旅を少しでも盛り上げるお手伝いができましたら幸いでございます。
世界一充実している日本のバスアメニティ
「バスアメニティ」とは、バスルームで使う備品一式のこと。日本ではエコノミークラスでもシャンプー、コンディショナー、ソープ、歯ブラシ、くし、シャンプーハット、カミソリ、綿棒くらいは当たり前。スゴいホテルですと、そこに男女別スキンケアセット、ヘアクリップ、ヘアゴム、ネイルケア、マウスウオッシュにバスソルトまで完備していることもあります。
それに比べて欧米は、高級ホテルでも意外としょぼくてソープ、シャンプー、シャワーキャップ、ボディローション程度ということも。個人的にはボディローションはいらんから、せめてコンディショナーを置いて〜、もしくはヘアとボディ兼用のジェルはやめて〜、と強く訴えたい。しかし日本人に比べると圧倒的にやわらかく量も少ない髪を持つ欧米の方々には、コンディショナー必要なし! それよりも、乾燥から肌を守るボディローションの方が必需品なのですのね。というわけで、スーツケースにつめていくべきバスアメニティの筆頭がコンディショナーです。
ガラス張りのバスルームは誰得!?
客室のスタイルで、最近増えているのがガラス張りのバスルームです。アジアやリゾートでは「セクシーバス」なんて紹介されることもありますけれど、友人同士や家族での滞在には何だか気まずいし、あまりにも見えすぎちゃっているのは、カップルだってそうそうウレシくはないんじゃないかしらん…。日本人ゲストには、いまいち評判が良くないのも事実です。
そんなガラス張りのバスルーム。実は、決してエロチックな目的だけではないんですのよ。たとえば客室の面積が十分に取れない場合。ガラス張りにすることにより、仕切りとなる「壁」を薄くすることができ、その分、室内が広く使えるようになるのです。言うまでもなく開放感や明るさもバッチリ。また、わたくしも「へえ〜」と思ったのですが、ほとんどのゲストが在室中にバスルームの電気をつけっぱなしでいるんですって! ガラス張りにすることでそれが防げて、節約にもつながるんだとか。なるほど〜。
天井にいろいろ付いているのは照明ではありません
海外ホテル、特にヨーロッパの客室って、どうしてあんなに暗いんでしょう。スイッチを入れても、四隅あたりでポチッと灯るだけ。バーンと蛍光灯で照らし出す照明に慣れている日本人には不便で仕方ありません。ヨーロッパは間接照明による陰影を大切なムードと考える文化がありますし、ホテルの客室の第一義が「快適な睡眠」。となれば「暗い」と文句を言っても仕方ありませんわね。
ホテルによってはビジネスユースなどで明かりが必要なゲストのために、デスク用のスタンドを用意していることもありますので、「もっと光を!」な方は相談してみるといいでしょう。ちなみに、天井に「いろいろ付いている」のは、スプリンクラーや煙探知機などの安全機器。期待する照明ではありません(笑)。矢印の表示を見かけることもありますが、これはメッカの方向を示しています。イスラム教徒の礼拝のためです。
これまた不便なヨーロッパ客室の冷暖房
照明と同じく、ヨーロッパのホテルの客室で時々不便を感じるのが冷暖房です。各室で温度をコントロールできないタイプや、全館一斉で決まった期日からしかエアコンを稼働させないというパターンも少なくありません。広々とした豪華な客室やバスルームなのに、初冬は寒くて凍えそう…なんて経験、みなさんにもありませんか? また、古い建物やプチホテルではクーラーが設置できないことも! 近年は信じられない猛暑が続いていますから、ヨーロッパ各国では対応に追われているようですよ。
「スイート」の本当の意味を知っていますか?
ゲストルームにおける、最上級カテゴリーの「スイートルーム」。これは、カップルやハイクラス専用の、特別な「甘い(sweet)」サービスがある部屋のことではありません。正しい表記は「suite」。洋服の「ひと揃い」を意味する「スーツ」と同じなのですね。つまりスイートルームとは、サロン(居間)とベッドルーム(寝室)が、ひと続き(ひと揃い)になった部屋のこと。とっても厳密に言うと、サロンとベッドルームがドアで仕切られていない部屋は、スイートルームとは呼べないのです。
コートヤードビューなのに中庭がない!
リゾートに滞在する時に、特にこだわりたいのが客室の「ビュー(景観)」です。オーシャンビューはオーシャンビューでも、「パーシャルオーシャンビュー」は、背伸びして、窓から体を乗り出してやっと海が見える…なんて場合もありますから要注意。確実に海の景観を楽しみたいなら、「オーシャンフロント」を指定しましょう。
もうひとつ気をつけたいのが「コートヤードビュー」。「コートヤード」=「中庭」、だから緑の芝生や花壇が見渡せると思ったら大間違い! 味も素っ気もないコンクリートのパティオだったり、ただの明かり取りの小さなスペースだったり…。静かな環境を望むゲストには申し分のない「ビュー」ですが、採光がほとんどなく朝から薄暗いこともあります。あまりに気が滅入るようなら、ルームチェンジを申し出てみましょう。
お手頃で注目のレジャーホテル
最後に、ホテルルームではなく、ホテルそのもののお話を。日本のホテルには「シティホテル」「ビジネスホテル」「リゾートホテル」などの区分がありますが、では「レジャーホテル」とはどんなホテルかご存知ですか? な〜んとコレ、いわゆる「ラブホテル」のことなのです。日本では極めて限定的な利用をされますが(笑)、海外からの観光客は、まったく普通のホテルと同じ感覚で利用しているようです。
歓楽街の近くという好立地に、恐ろしいほどのアメニティの数々。大きなベッドにゴージャスすぎるお風呂と、くつろぐのに申し分のない構え。窓がなくても昼間は外出しているから問題ないし、カラオケや食事のデリバリー可のところもありますから、かえってお得でエンターテインメント性に満ちた宿泊施設なのかもしれません。最近は女子会や出張プランを用意し、幅広いゲストを呼び込む工夫をしています。韓国や台湾でも似たような状況です。
知っているようで意外と知らないホテルの雑学、いかがでしたか? 次回はミスターがお戻りになられることをみなさまとご一緒に祈りつつ、マダムヨーコの辛口サロンへのご訪問も、心よりお待ちしております。それでは、みなさま、またいずれ。Ciao!
ドバイのテーマパークには大人が夢中になるヒミツがあった!?
次々に「世界一」「世界初」を誕生させて世界中の度肝を抜いているドバイが今、最も力を入れているのがテーマパークです。ハリウッド映画をテーマにした話題の「モーションゲート・ドバイ」を筆頭に、規模もコンセプトも「見たこともない」施設のオープンラッシュは衰えることがありません。ホテリスタが紹介するのは、大人も夢中になってしまうドバイのテーマパーク。きっと行きたくなるはずです!