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アジア人気都市で滞在するならこのホテルへ!
さて今回は、私が最近訪れたアジアの人気デスティネーションから、「これは!」というホテルをご紹介いたします。旅行するならホテルには絶対こだわりたい、でも、ただ豪華で有名なだけのホテルに大枚をはたきたくない。キラリと光る個性や、そこでしか体験できない何かがあるホテルに滞在したい…そんなウルサ型にもイチ押しです。
ラグジュアリーコレクションが京都に初進出
まずは国内から。2015年初春にオープンした「翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル京都」。スターウッド系最高級カテゴリーブランド日本初進出の1軒です。場所は嵐山。客室は専用温泉露天風呂付きのスイートルームなど全39室。そして料金体系は「室料」ベース、つまり旅館ではなくホテルなんですな。素泊まり1室2名8万円前後からというのは、むろん高級の部類に入ります。が、東京の有名海外ブランドのホテルや高名な旅館を考えれば、決して目を剥く金額ではありません。
実はこのホテル、インドネシアから来日した知人夫妻に紹介したのです。最初は、かの劇場型旅館「星のや」にしようかなと思っていたのですが、彼らにとっては初めての日本。とすると、あそこまでドラマチックな日本風だと気疲れするかも、もう少し西洋風なニュアンスがあった方がリラックスできるんじゃないか、と考えた次第。想像はドンピシャで、料金はさておき(笑)、大変気に入ったとの報告を受け、胸を撫で下ろしました。またこのホテルは京都駅にラウンジを持っていて、ゲストの到着に合わせてタクシー送迎(委託先は評判のMKタクシー)のサービスも用意されています。京都駅前ロータリーの大混雑を思えば、これも便利で特別感あふれる趣向です。こちらも大変喜ばれました。
東洋一のホワイトサンドビーチを独り占めするリゾート
国内からもう1軒。東洋一のホワイトサンドビーチと名高い前浜リゾートに建つ「宮古島東急ホテル&リゾーツ」。客室数は248、宮古島で屈指のデラックスリゾートで、部屋は広く、全室オーシャンビューと景観も素晴らしい。とはいえ日中はほとんど外出してしまうので、私は景観にはさほどこだわりはありません。それよりも気になるのが照明やバスルームの清潔さ&使い勝手です。その点、ここのバスルームは合格点でしたね。シャワーブースのトビラがキチカチっと閉まる。いや、細かいというなかれ。適当な設計施工の場合は隙間から水漏れしたり、開けた瞬間に水滴が飛び散ったり。こういうささいな部分に、ホテル本来のハードへのこだわりがうかがえるのです。
滞在したのが春休み期間だったせいか、家族連れが多く、朝食時は大混雑。7時オープンと同時に満席になっていましたっけ。メニューは日本のよくあるブッフェで、納豆、焼き魚、味噌汁など和食系から、パスタ、子ども向けのウインナや唐揚げなどなど洋食系まで多種多彩。そりゃあ海外のラグジュアリーリゾートに比べるとプレゼンテーション的な色気はありませんが(笑)、2500円は良心的な価格設定だと思いますよ。だってヨーロッパの高級ホテルだと、25ユーロも徴収しながらコンチネンタルだったりするでしょう。そう考えると、滞在している外国人ゲストが「日本安い」「おいしい」と喜ぶのもムリありません。こんなことからも、日本ブームの背景を推し量ることができるわけです。
ベトナムで注目すべきはアコーホテルの上位ブランド
カタール投資庁とサウジアラビアのアリ・ワリード王子所有のキングダムホールディングから8億4000万ドルもの出資を受け、最近買収したフェアモント・ラッフルズ・スイステルホテルズを、ブランドポートフォリオにラインナップしたアコーホテルズ。他にもユニークなブランドを次々に立ち上げていますが、その神髄の一端に触れられるのがベトナムです。中でも別格なのが「ソフィテル レジェンド メトロポール ハノイ」。前身は「グランドホテル メトロポール パレス」。創業1901年、フランス植民地時代のインドシナとしては最大級のホテルで、国内外VIPの社交場として栄華を極めたそうです。近年、大改装が終わったばかりですが、エントランスからの大階段はオリジナルのまま。あちこちにデコレートされているルイ・ヴィトンのアンティークトラベルケース…う~ん、それだけでも圧倒されます。
一方、ホーチミンシティのソフィテルは、グルメ的観点から見逃せないホテルです。ダイニングルームでは、フランス大使館でレセプションを手がけるようなミシュランスターのシェフを交代で次々に招聘。期間限定で、それぞれ100ドルを切るディナーコースを提供しているのです! このキュイジーヌを食するために足を運ぶグルマンはもとより、お気に入りシェフを追いかけて来るファンもいるそうです。レストラン自体がカジュアルビストロのような雰囲気のため、こんな太っ腹な企画ができるのかもしれませんが、ゲストにしてみれば信じられない幸運です。滞在するなら足を運ばなければ損ですゾ! もちろん事前予約をお忘れなく。
私的にはマリーナベイサンズ超えのモダンホテル
最後は、いまだにマリーナベイサンズの一人勝ち状態(笑)のシンガポール。それに続け追い越せとばかりに続々誕生しているファイブスターの中でも、トータルコンセプトが独特で、異彩を放っているのが「サウスビーチ シンガポール」であります。こちらも昨年初春にオープンしたばかり。ところが、その後何度かシンガポールに行っているのですが、他のホテルの記憶が吹っ飛ぶほどの強烈なインパクト! ペナンあたりのリゾートホテルみたいなベタなネーミングからは想像もつかない、ヒップでモダンなデザインホテルなのです。
立地は、そろそろ工事が終わりそうな、サンテックコンベンション&エキシビジョンセンターの向かい。ラッフルズシティ至近でロケーションは最高。なのですが、エントランスがわかりづらい! タクシーよりも直結しているMRTエスプラナーデ駅からのアクセスの方が便利かもしれません。そして、館内に一歩入ると「バー!?」。レセプションカウンターがなく、フロントがどこにあるのかわからない。真ん中にテーブルがあって、そこがチェックインカウンター。立ったままで手続きするわけです。これは、もしや…。
シンガポールでは珍しいタイプのホテル
推察通り、手がけたのはホテルデザインの革命児フィリップ・スタルクでありました。総客室数654と、スタルクにしてはかなりの大規模ホテル。それだけに思う存分、腕を振るえたのかもしれません。ロビーのデコレーションも、物品よりプロジェクションマッピングのような映像が主体で、エレベータ内部も目眩がするような映像空間。いい意味で、あいた口が塞がりません。客室も当然ヒップなデザイン。入るとすぐシャワールーム&トイレで、変な場所にバスタブが。そしてセンサーが感知するとすぐに蓋が開いて洗浄液が流れる最新式シャワートイレ。ドアを閉めておかないと、勝手に動いてムダなのでありました(笑)。
ウリは「ショウケース・ハー」と名付けられたレディスフロアだそうで、男児でも入室不可の徹底ぶり。ミニバー無料は全室共通ですが、アメニティや備品が女性の視点で選んだ選りすぐりらしいです。こればかりは、マダムにでも体験してもらわないとわかりませんナ(苦笑)。もうひとつ驚いたのがブレックファスト。凝りに凝ったそのセッティングからして圧巻。世界各国のホテルで朝食を食べてきた私ですが、「こんなの初めて!」なのでありました。別館に位置する、シンガポール最先端かつ大人向けこだわり満載のバー「LAUGH(ラフ)」も実にクールですぞ。
意外なことにゲストは欧米人ファミリーが多く(子供のしつけも行き届いていました)、ビジネスマンにもツーリストにも対応できそうですが、ちょっとヒップすぎて落ち着かない…という人も多いかもしれません。しかしシンガポールでは珍しいタイプで、マリーナベイサンズほど大規模&ファミリーユース的でなく、ペニンシュラのようにクラシック過ぎず。名前は平凡ですが、ここは掘り出しモノ。それなりの値段はしますが、ホテル好きには面白さ満点、おすすめの1軒です。
オペラを観てカフェでくつろぐ 老舗ホテルで過ごすクラシックなウィーン
生活の中に音楽が自然に溶け込んでいる街ウィーン。かつて貴族の社交場だったオペラ座や知識人の溜り場だったカフェは、今日でもウィーンを訪れる人々の憧れの的です。そんな夢空間をもっと楽しみたいなら、ウィーンが誇る老舗ホテルでの滞在はいかがですかな? 本当のラグジュアリーホテルだけが体現できる気品をサービスに包まれて、「ウィーンの王道」に酔いしれてみようではありませんか。