アメリカン・エキスプレス
ミスターMのおいしい旅の話「次の旅はここへ行け!」
Vol.
97

ミスター直伝 ホテル選びのポイント

ミスターMのおいしい旅の話 ミスター直伝 ホテル選びのポイント

ホテル選びは海外旅行の大いなる悩みどころ。予算があろうとなかろうと、みなさん誰もが望んでいるのは「快適な滞在」=気持ちよく過ごせるホテルでしょう。ところがホテルとは、購入する前に実物を見ることのできない商品ですから、インターネットやメディアで喧伝されるイメージが選択の際に大きな比重を占めることになります。実はこれがク・セ・モ・ノで……。

客室のチェックポイント

みなさんは海外ホテルを選ぶ時、何を重要視していますか? あまり旅慣れていないと、どうしてもホテルの知名度や星の数、施設の豪華さなどに目を向けてしまいがちです。が、はっきり言ってこれらは「二の次」ではないかと思うのです。初心者にはチンプンカンプンでも、経験値が上がるとそれぞれの好みもはっきりしてきて、インテリアやデザインもどうでもいいし、朝食の有無もどうでもいい……なんて人も多いでしょう。館内施設はほとんど使わないし、食事は外食すれば時間も自由だしバラエティもあって、もっと楽しめる。

ところが絶対に毎日使うし、気に入らないから無視……となりえないものがありますよね。そう、「客室」です。ホテルなんて寝るだけだから何でもいいと言う人は、このコラムの読者にはいらっしゃらないですよね(笑)。そう! こだわるべきは客室。そしてホテル情報の中で最も得にくく分かりにくいのも、ニクいかな、この「客室の真実」なのですね。そこで今回は、私なりの客室チェックのちょっとしたコツをご紹介しましょう。

客室の広さは予算に比例する!?

客室チェックのポイントは、以下の3点です。

1)広さ  2)ベッド  3)バスルーム

まず1)の広さ。これは自分にとって、快適な空間が確保されているかどうかということ。日本のビジネスホテルしか泊まったことがないと、20平米でも「広~い!」と感動してしまいますが、連泊するとなると、ちと息苦しい。少なくとも30平米は欲しいところですね。そうは言っても、ニューヨーク、パリ、ロンドンなどの大都市では、ホテルは高く部屋が狭いのが常識。

地価が高いから仕方ないのですが、30平米なんてかなりグレードアップしないと確保できません。いくら高級ホテルでもスーツケースを広げたらいっぱいいっぱい、ベッドの上しかくつろぐところがない客室なんてザラ。これはストレスたまります。まあ、大枚をはたけば広々とした空間は手に入りますので、あとは予算との兼ね合いということになるでしょうか。

しかも、これだけ情報化社会になっても、客室の専有面積や間取りを公開しているホテルは、あまり多くありません。そうです、知らせたくないんですよ(笑)。そこで手がかりとなるのが、ホテルのイメージ画像ですが、これらは基本的に美しく撮られすぎていますし、いちばんいい部屋、つまりスイートやそれに準ずるハイカテゴリーがフィーチャーされています。つまり、ここに泊まれると思ってはいけないとうことです。自分が泊まる部屋はどれかなと、あくまで冷静に、疑いの眼(苦笑)を持って画像検索してください。

美しすぎる客室画像の読み解き方

画像の読み解き方のヒントとしては、記載されているカテゴリー名を確かめた上で、「どう撮られているか」を見ること。ギリギリのローアングル写真や、部分のみのクロースアップだったら、狭いと思って間違いなし。広い部屋なら全体を入れた引きの画像を必ず採用しています。分かりづらければ、ベッドと壁の距離、ベッドとワーキングデスクもしくはテレビ台の距離が近いかどうかをチェックしてみましょう。ここが短ければ、やはり狭いと判断していいでしょう。

客室のサイズ感や、自分は何平米以上あれば気持ちがいいかは、海外ホテルの滞在経験が増えるにつれ、ある程度把握できるようになります。ゲストコメントを提供する際には、できたら具体的な数字も上げてください。「広い」「狭い」という表現はあまりに主観的なので、確かな判断基準にはならないのです。いずれにしろイメージにとらわれず、いろいろな角度からチェックし「実体」を知る努力を。チェックインしてから「アレレ」と思っても、遅いですからね。

チェックインで堂々とチャレンジ!

これまでも指南してきた、チェックイン時の極意をおさらいしておきましょう。チェックイン時に与えられたものを黙って受ける……そんな日本人の奥床しさはひとまず横に置いて、フロントスタッフに「選択可能な部屋をいくつか見せてもらえますか?」と堂々と聞いてみることです。アジア、アメリカ方面は比較的画一的なルームデザインが多いのですが、ヨーロッパでは実にバラエティに富んだ客室企画が普通です。複数の部屋を見て回ると、階層、部屋のデザイン、ビュー、外部騒音などなど、さまざまな違いがあるのですよ。「百聞は一見にしかず」が経験できるはず。MUST TRY!

ベッドの良し悪しは出たとこ勝負

続いて2)のベッド。私はどちらかというと硬めのマットレスの方が好きなのですが、ベッドの硬さに関する情報は皆無に等しいですね。ヘブンリーベッドのように、何かしら売りがある場合のみ喧伝されているのがせいぜいとは言え、実際の硬さは??? ゲストコメントも個人的な感想なので、やはり絶対ではありません。ヨーロッパでは星にかかわらずフワフワしたマットレスやぺちゃんこピローが多く、疲れている時はかえって疲労が増すようなベッドが多いのが困りモノ。いや、中高年になると旅先での睡眠はマジで死活問題ですから、軽く考えてはいけません(苦笑)。

4星以上の高級ホテルでは、枕やマットレスを個々の好みやリクエストに応じて用意してくれるところもありますが、毎回そんな高いところには泊まれませんよね。自分に合うかどうか、快眠できるかどうかは、悲しいかな出たとこ勝負、ベッドに横になってみなければわかりません。その代わり自分なりにデータを蓄積しておいて、次回の旅に活かす。もしドンピシャで快適なベッドのあるホテルに当たったら、迷わず定宿にしていいでしょう。

バスルームは清潔感と快適さがキモ

最後は3)のバスルーム。これは清潔感とシャワーの快適さに尽きます。古くても手入れが行き届いていればいいのですが、イヤな匂いがしたり、真冬なのにしょぼしょぼとしか出ないシャワーなんて問題外。ただし、水圧に関してはインフラの関係もあるので、ある程度の我慢は必要かもしれませんし、予算、時期、ロケーションなど様々な理由により、不本意ながらもエコノミークラスのホテルに泊まらなければならないこともあるでしょう。

もし水圧不足な場合は、一度パワーアップしてほしいとフロントかメインテナンス係に申し入れしてみてください。個別設定可能な場合には、劇的な改善(!)があります。大切なのは自分の基準を持つ、ということ。チェックイン時に交渉する。そして最終的には妥協を受け入れることです。対応力こそがパワーですが、常に柔軟な思考でいたほうがストレスは少なくて済むはずです。

思い込みからの脱却を!

ホテル選びの失敗は、経験値との乖離、思い込みが多すぎることから来ます。ゲストコメントは確かに有益だし、体験者だからこそ語れるエピソードは貴重ですが、反面マイナス面ばかりが印象に残るケースがあります。「ひどいサービスだった」「スタッフが冷たい」と書かれていても、その背景には様々な事情があることを理解しなくてはいけません。

ソフト=サービスに関するコメントは深読みすべしです。また投稿者の経験値、年齢や滞在目的、ツアーかどうかなど、ホテルのせいではない要因も絡んできますので、できる限り客観的なデータと思えるコメントを参考にすることが大切です。

マイナスのコメントを鵜呑みにして「じゃあ、このホテルはだめ」と断ずるのはもったいないではありませんか。いろいろな意見があるのだから、その中から自分なりに的確な読みを見つける目を養う。よく「ホテルはソフトだ!」という意見がありますが、それは日本国内ではと但し書きが付くような気がします。私に言わせれば、「ホテルはハード」です! ハードは事実であり、裏切りません。そして高いから良いわけではないし、安いから悪いわけでもありません。自分なりの判断を信じて、もっとホテル選びを楽しんでみませんか。当たるも八卦、当たらぬも八卦、これこそが旅の醍醐味でしょう。

花鳥風月

女性ならではのコロコロ活用論

マダムがピンチヒッターをつとめてくれた「オトコのトラベルラゲージ:機内持ち込み編」について、ぴゃんぴゃんさんからお便りをいただきました。

「私は女性ですがいつも機内持込みOKの小さなコロコロタイプを持ち込みます。というのも私の旅行はアジア方面が多く乗り継ぎがないので、必ず免税店で化粧品を大量購入するのでコロコロ大活躍なのですよ。他にも海外に着いたらすぐに使いたい帽子や、機内で使う大きめのショールを入れておいたりと、とても重宝しています。非力な女性は重いものを持ち歩くとすぐに疲れてしまうし、なにより骨格に悪影響ですからなるべくストレスの少ない方法……と思ったらコロコロ必至でした」

これまた男性とは異なる観点からのコロコロ活用論。大きくうなずかれる女性陣も多いことでしょう。ぴゃんぴゃんさん、これからもマダム同様、ミスターMのコラムもご愛顧よろしくお願いいたします。

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