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ミスターMのおいしい旅の話「次の旅はここへ行け!」
Vol.
124

新春対談:高級ホテルを「楽しむ」旅とは? ~その1

ミスターMのおいしい旅の話 新春対談:高級ホテルを「楽しむ」旅とは? ~その1

みなさん、2017年あけましておめでとうございます。今年も「おいしい旅の話」を、よろしくお願いします。今回は新春企画として、マダムヨーコとの対談をお届けします。テーマは「高級ホテルを楽しむ旅とは?」。以前、旅猫さんから寄せられた非常に興味深いご質問であります。とはいえ、話はいつものように、あちこちに飛び、また脱線していきますので(笑)、どうぞ肩肘張らず、床屋政談でも聞くような気分でお楽しみください。

まずはトランプ大統領誕生によせて

ミスターいやあ、驚いたね、トランプ大統領誕生。これは歴史的な転換と言うべきだね。私は思わずフランス革命を想起してしまったよ。きっと、そういう人は多いんじゃないかな。ブルボン王朝の絶対王政=エスタブリッシュメントがパンを求めた民衆蜂起=ポピュリズムに倒されたアンシャンレジーム倒壊がまた巡ってきたかなと。

マダムそれにしては勝利演説の時の、「えっ、オレ勝っちゃったの!?」みたいなテンションの低さが印象的でしたわ〜。その後は、また強気発言かましまくりですけど。世界中が、その一挙手一頭足を固唾をのんで見守っている、という状態ですわね。

ミスターアメリカ社会が先導してきた格差拡大は不満とやり場のない怒りを生み出し、オバマ大統領が掲げた「change」が起こらなかった8年間が、この瞬間を醸成したのかもしれないね。心配なのは、アメリカ第一主義を掲げるビジネスマン大統領による、自由主義世界のリーダーであるアメリカの価値、地位、責任の放棄だよ。それがいったいどんな世界を生むことになるのか…。

マダム少し安心したのは、その後のヨーロッパ各地の選挙でリベラル派が辛勝したことでしょうか。まだ守られるべきものが守られていると、ホッとしましたわ。

ミスターとはいうものの、エスタブリッシュメントが形成したそれなりの秩序と安定の世界から、ポピュリズムが支配する取り返しのつかない混乱と混沌へ向かう未来へ、という図式が見えてくるんだよねえ。政治家は次世代を考えなければならない大局的な視野が必要なのだけど…。

ホテルはライフスタイルの体現

マダムさて、猫旅様からいただいたテーマに移りましょう。旅先では街歩きが中心で、ホテルは寝るだけ。仕事の場合は選択肢が限られるし、立地や予算が最優先。どちらにしろサービスやホスピタリティを基準に選ぶことはない。なので、ミスターのおっしゃる高級ホテルを楽しむという意味がよくわからない…といった趣旨のお便りでしたわね。

ミスターうん。これはひと言で言うと、ライフスタイルのこだわりの問題なんだよね。

マダム身もふたもないひと言ですわ〜(笑)。

ミスターつまり、ホテルはライフスタイルの総合体・集合体ということ。だからホテルの中には、衣食住からはじまって、ありとあらゆるこだわりがそこにあると思うんだ。たとえばハード(建物)ひとつとっても、建築的興味、歴史的興味、デザイン・ファッション性、インテリア、美術的観点などなど、いろいろな角度からのこだわりが投入されているよね。

マダム食事にも吉野家の牛丼からグランメゾンまで、世の中にはいろいろな「食」がありますが、でも、ミスターがおっしゃりたいのは、そういうカテゴリの話ではないということですね。一口にフランス料理と言っても、ミシュランの星を獲得している店には、その道を極めたこだわりがあるわけで。同じフランス料理でも、町の洋食屋とは、ある意味レベルが違うということですわよね。

ミスターそう、ホテルもそれと同じなんだよ。それぞれの高級ホテルに「ライフスタイル」というこだわりがあり、歴然としたレベルの差がある。たとえば、3つ星ホテルに豪華なダイニングはないでしょう。それは、ホテルそのものに「ライフスタイル」という言葉が当てはまらないからなんだ。ライフスタイルがあるのは4つ星以上のホテルといえるね。なぜか。衣食住に対するある種のこだわりが、そこにあるからに他ならないんだ。

ホテルのライフスタイルを楽しむ

マダム高級ホテルを楽しむと言うのは、そういうこだわりを楽しむ、ということでしょうか?

ミスターそうだね。ライフスタイル=自分のこだわりとしての視点をホテルにも持てないと、どこに泊まっても同じに感じちゃうんじゃないかなあ。もちろんエコノミーホテルだって十分快適だし、それで満足するのが間違いというわけじゃない。でも「高級ホテル? だから何?」という認識じゃ、せっかくの旅がもったいないような気がするんだよ。

マダムファッションで言えば、今どき「服なんて着れたらいい」なんて誰も思ってないですものね。高い服は買えないし買わなくても、安くてもかわいい服、自分がスタイルよく見える服、着ていて気持ちのいい服を買いますよね。必ず誰にでも、こだわりがある。それと同じではないかと。

ミスターワンルームのアパートに住んでいるのにシャネルやエルメスを着る人はいる。それも、こだわりなんだよね。ブランドに対するこだわり、ファッションに対するこだわり。やや極端ではあるけれど、決して嘲笑されることではないでしょう。

マダムそれが「食」の人もいるし、車や時計の人もいる。美術作品を見ても「ふーん」な人と、魅了される人がいる。映画もそうですね。ホラーしか見ないとか、ホラーは絶対見ないとか。監督で見る人、スターで見る人、話題性で見る人。いろいろな「こだわり」がありますね。

ミスターそうしたいろいろなこだわりがあるけれど、大切なのは自分のライフスタイルの中で、そういうこだわりに対してどう意識し、興味を持ち、取り入れて実践していくか、だと思うよ。価値観は決して一律ではない。でも何についてもそうだけど、敬して遠ざけるものでもないと思うんだ。

ホテルへのこだわりは文化・芸術に通じる

ミスター私は、ホテルへのこだわりは文化と芸術のカテゴリに通じると思うんだ。ただ寝るだけなら、安くていいだけならどこでもいい。でも、本当にそれだけでいいわけじゃないよね。

マダムできたら明るくてきれいな部屋、何かあった時にサポートしてくれるサービス体制、意地悪でない対応、見ていて心踊るデザイン、ワクワクするような雰囲気。そういう事柄にこだわっていくと…。

ミスター料金が高くても、自分が心地よい、また泊まりたいと思うホテルを選びたくなるよね。

マダムそしてホテルには、それぞれのカルチャーとテイストがあります。そのこだわりを、ゲストである自分が受け入れられるかどうか…つまり、面白いと思えるかどうか、ということかしら。

日本人は「こだわり」を見つけるのが得意!?

ミスターそう! 面白いと思えるかだよね。それが1つのポイント。まずもって異文化に興味はない人は、海外に出て行く必要がないじゃない。国内旅行で十分でしょう。かと思えば、旅館にだってこだわりがあって、そこの伝統やサービス、スタッフが醸し出すテイストが差別化につながっているし、旅館もそれを売りにしている。

マダム日本人はそれを見いだし、探し出し、共感して出かけていくんですものね。クチコミの細かさ、うるささは相当なものです(笑)。だから、海外旅行でなくても、日頃そういうところに行っている人たちは、ある意味ものすごく「こだわり」に鍛えられている。

ミスターだから海外の高級ホテルは、単に異文化なだけ。基本的には日本の旅館のあり方と流れは同じなんだよね。そう考えると、海外旅行で高級ホテルを楽しむ、という意味が何となくつかめてくるんじゃないかなあ。

やはり、いろいろな方面に話が広がって行きました(苦笑)。次回も対談の続きをじっくりお届けします。高級ホテルを楽しむ、ということについてみなさんはどうお考えですか。ぜひ、いろいろな声を聞かせてください。

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