アメリカン・エキスプレス
マダムヨーコの辛口旅サロン「目指せエレガント・トラベラー」
Vol.
118

マダムやっぱりパリで右往左往する

マダムヨーコの辛口旅サロン マダムやっぱりパリで右往左往する

みなさま、マダムヨーコは無事ヨーロッパから帰還を果たしたのでございます。ちいとも気がつきませんでしたが、わたくしの渡航と重なるようにUEFAユーロ2016開催。今年はフランスが会場だったんですのね~。そりゃあユーロスターは満席だし、リールやトゥールーズのホテルは取れないし、パリのホテルもお高いわけですわ。「えっ、観戦に行ったんじゃなかったの!?」と、友人イタリアーノに驚かれても、ええ、サッカーにはとんと興味がござんせん!

フランスはUEFAユーロ2016で燃えていた!

現地では毎晩、ニュースでロシアVSアイルランドやら、ロシアVSクロアチアやらのフーリガン抗争が報じられておりました(ロシアこえぇ~)が、中心部はスタジアムがないため大事は起こらず。ポリスも巡回していて逆に安心なのでした。とはいえパブヴューのあるエッフェル塔界隈のカフェは、赤い悪魔たち(今年はロシアもスイスもポルトガルもベルギーもみんな赤が基調のユニフォームなので区別がつかんのです!)がたむろし、道路はくだけたビール瓶が散乱。真っ昼間からさまざまな場所で酔いつぶれている男子など、ビビり要素は満載でございました。

天気にも交通機関にも翻弄された初夏のパリ

そして天気はサイアク。到着した日から肌寒く、フツーにダウンを着込んでいる人多数。滞在中に晴れたのは、ラッキーにもノートルダム寺院とエッフェル塔に登った時だけ。あとは曇&雨。前々回に引き続き、初夏のパリなのに…と唇を噛み締める日々でございました。もうひとつ、翻弄されまくったのが交通機関。以前、CDGから市内への格安アクセスアイテムとしてイージーバスをご紹介しましたでしょ? 今回ももちろん予約をしておきましたの。

イージーバスは、予約時間の前後であっても空きがあれば乗車できるのが利点。つまりスムーズに入国手続きがすめば、早い時間のバスに乗れるのです。案の定、1時間も前に乗車場所にたどり着いたのです、が。バスが来ません。予約時間になっても来ません。オンタイムでないという欠点は、利用者のクチコミでも指摘されていたこと。知ってはいましたが、乗り継ぎロングフライト&早朝到着でヘトヘトだし、外は寒いし。もうダメだ! 予約は捨てた! タクシーで行っちゃいます。

タクシーが定額制になった…んだけど…

この3月からパリはタクシー料金が変更になり、CDGと市内間は定額制になったこと、みなさま、ご存知でしたか? ちなみに右岸は50ユーロ、左岸は55ユーロ(各種料金チップ込み)。なのに! メーターは動いているし、最終的には70ユーロ弱を請求されたのです。なんで? もぐりか!? いいえ、そうではありません。料金システムをよくよく見ると、ものすごく細かい設定があり、いつ乗っても「定額」というわけではなかったのです!

ちなみに「定額」ですむのは、月~土曜日の10時~17時のみ。その他は走行距離あたりの加算率が高くなるため、料金はプラスアルファに。わたくしは火曜日の「午前9時半」乗車だったため、15%の割増が発生したのですね。ちゅうことで、時間帯によってはこれまでとほとんど変わらない料金やんけー! という解釈でよろしいでしょうか、パリ通トラヴェジェンヌのみなさま。

帰国時のパリ北駅でまたもやトラブル発生

快適なプチホテルで5泊を過ごした後、タリスにて満を持してベルギーへ移動。まあ、ここでもいろいろとんでもない目にあったのですが、その小旅行の顛末はまた後日。最終日はゲントからブリュッセル南駅、再びタリスでパリ北駅へ戻り、そこからは最も手軽なRER線で空港へ、という寸分の遺漏もない計画でございました。実際、パリ北駅までは何の問題もなく心も穏やか。ふうー。あとは地下に移動して、ちょっと緊張しつつRER線に乗るだけ。それだけ! 

なのに、な~ぜ~、わたくしの目の前で突然、交通警察官が改札口にクローズドテープを張り巡らせ始めるのかしらっ。なんか早口で言ってるし。要するに、RER線のこの乗り場は封鎖するから、空港へ行く人はウニャララしろと! もうあせりまくっているマダムヨーコには理解不能です。券売機に急に人が並び始めたところを見ると、別の乗り場があるのか乗り継ぐのか。そんなに時間に余裕はありません。ああ、もうっ。タクシーで行くよ! それがいちばん早いし安全なんでしょ! って1人でプリプリしながらタクシー乗り場へ。

市内からCDGまでのつらく長い時間

構内では「たくし~?」と、次々と怪しい客引きが声をかけてきますがガン無視。乗り場でドライバーが手を振って合図してもガン無視。スタッフが誘導してくれるまで、びた一文も動く気のないマダムヨーコ。さすがに疑り過ぎですか? 業を煮やしたドライバーが車を回してきたところで、やむなくの風情で乗り込みましたが、まだまだ愁眉は開けません。メーター動かしたな! どうする気だ!? おおう、50で固定しましたか。よしよし。ようやく緊張が解けました。市内を抜けるまでは渋滞でハラハラしましたが、高速に乗ったらあとはスムーズ。30分弱で空港に到着しました。

ホント交通機関のトラブルは心臓に悪いですわよね。言葉が通じないと不安はいや増すばかり。一刻を争うような時は、スマホなぞ役に立ちませんもの。モノを言うのはとっさの判断力とコミュニケーション力のみ。ですから旅先では、いろいろな場面でなるべく他人と言葉を交わすことが大切ですわね。うまく話せなくてもよいのです。自力で情報収集できるように心身を慣れさせ、また鍛えておくこと。それがトラブルに遭遇した時の大切な一助になると思います。わたくしもまだまだ甘ちゃんですから、これからも気張ってまいりますわよ~。それではみなさま、また来月。Ciao!

聞かせて、あなたの声を

まずは常連シェリー様へ。いまごろはドイツの空の下かと。どんな時間を過ごしていらっしゃるでしょうか。大学時代のご学友との、面倒くさい手配を乗り越えての旅。素晴らしい思い出がたくさんできますように!

「辛口なのが痛快ですし、とても参考になります」とお便りくださったショパンの弟子様、そしてミスターのコラムともどもご愛読くださっているRYO様、ありがとうございます。RYO様からは本屋が激減し、グローバル化が進むシンガポールについての鋭いご考察も…。これからも、ぜひいろいろなお話を聞かせてくださいませね。

最後に、ヨーロッパの長旅に出向いてしまったミスターMに代わり、おいしい旅の話にコメントくださったイケウチ様にお礼を。「いつまでも胸を熱くしながら旅をして、歳を重ねていきたいです」。そのとおりでございます! 世界は広く、またたくさんの驚きに満ちています。わたくしもミスターも、イケウチ様と同じ気持ちで旅に出ております。これからもミスター&マダムのコラムをどうぞ、よろしくお願いいたします。

使えるワンポイント英会話

「What should I do !?」

「どうしたらいいの!?」という意味の、旅先で困った時の必須フレーズです。悩んだところで自力で解決できないのであれば、まず人にたずねること。でないと何事もラチはあきません。気取らず恥ずかしがらず、すぐにこのフレーズが出てくるように、自分のコミュニケーション能力を鍛えておきましょう。

他にも、あらゆるシーンで役立つ英会話がそろってます!

マダムイラスト
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問題は慎重さよりもリカバー力

失敗や損をしないよう十分に事前準備をしていても、現実にトラブルは起きるもの。そのときどうリカバーするか。それこそが自力の試しどころなのです。

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