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親子旅行で悟った個人旅行の真実
ごきげんよう、みなさま。マダムヨーコでございます。この本格的大型連休、どのようにお過ごしになられますか? わたくしは、鉄道で欧州北部をのんびり(かどうかは定かではありませんが)巡る予定でおります。ほほほ。・・・などと優雅に構えておりますが、んもうっ、事前の各種手配には大変苦労いたしましてよっ。特に航空券! そうでなくても今年はかなり早くから予約が入っていたようで、少し日をずらせば楽勝じゃなーい? なんてタカをくくっていたら、お安いチケットはどれもこれも満席じゃああーりませんか。
やっぱり納得いかないサーチャージ
もう悩んでいるヒマはありませんでした。空席を見つけたら即断即決。格安でなくても目をつぶりましょう。大切なのは「確保」ですから! そのときに、ものすごーく悩んだのがサーチャージ。みなさまご存じの通り、4月からサーチャージが下がりました。欧州線ではその差額はシャレにならない額です。しかし4月1日よりも前に予約&発券した場合は、たとえ出発が4月以降でも、サーチャージは発券時点の金額が適応されるのです。 なんで? だって原油価格に付随する「追加」料金ですわよね? だったら「出発日」に対応する金額が徴収されるべきではありませんの? うーん、納得いかない・・・。
これに関しては、ネット上でもいろいろなサイトで「納得いかない」VS「当然でしょう」というギロンが交わされています。「当然」派の方々の理論は確かにその通りなのでございます。高いサーチャージがいやなら、4月以降に予約をすればいいだけの話。また変更のできない格安ではなく、オープンのチケットを押さえ、4月以降に何らかの変更をして差額を返還してもらうという方法もあるようです(しかしチケット代金そのものが高額ですからね)。でも、「納得いかない」派の方々の意見は、もっと、なんというか、消費者として「なんでそうなるの?」という、素朴な疑問のような気がするんですのよね。ああ! もどかしい。マダムもうまく説明できません、このモヤモヤ。
ハワイ親孝行旅行のご報告
お話変わって、マダムママ接待旅行inハワイ。意外と多くの方が関心を寄せてくださっていたようで、「どうでした?」「どうなりました?」というご質問をいただきました。結論を一言で申し上げるなら「個人旅行には明らかに向き不向きがある」でございます。でも、シビアなお話をする前に、ちょっと愚痴らせていただいてよろしいかしら?
ミスターMが「おいしい旅の話」で常々おっしゃっているように、海外旅行とは自分とは異なる文化や価値観を持つ場所にお邪魔することです。よって相手に理解と敬意を持って接するのはもちろん、自分の「常識」で物事を判断してはなりません。が、が!! マダムママは、どこまでいっても「日本の価値観」で押し切る熟女でございました。リゾートだというのに、頑なにストッキング&長袖。それはまだいいのです。帽子・・・帽子が・・・。よくあるでしょう? 首の後ろが日焼けしなくてすむようなビロ?と布が垂れ下がった、バターン死の行軍というか、恥ずかしながら帰ってまいりましたというか・・・。んもう、血の涙を流して「リゾートではエレガントに」と訴えてきたマダム的には、まことにもって心より遺憾であります!(ケロロ軍曹)。
それにですわね、海が見える部屋がいいというので頑張ってオーシャンフロントを予約したのに、高いところが怖いといってテラスに出やしません。朝食付きにしろとリクエストしたくせに「いつも同じものしかない」と2日目で放棄。和食がいいと居酒屋や回転寿司(ハワイで!)を望み、「高い」「まずい」と不満たらたら。く、くうううう。あのパシフィックリムはどうかしら? あのレストランなら海が見えて素敵かも。そんなマダムのプレゼンテーションは全て不発に終わったのでございます。
「それもいいかもね」の落とし穴
この満たされなさ感の原因は一体どこに!? 帰国後にマダムはじっくり考えました。そして気がついたのが、マダムママが折に触れて言う「それもいいかもね」という言葉だったのです。一見、こちらの提案に同意しているようでいて、実はイエスでもノーでもない、そのセリフ。つまり、自分が「どうしたい」「何をしたい」という明確な意志が、マダムママにはほとんどなかったのです。だって団体ツアーでは、そんなこと考える必要ありませんものね。特に何も考えなくても全ての手続きはツアーコンダクターがしてくれるし、ガイドブックに載っているような「観光名所」は黙っていても連れて行ってくれる。旅とはそういうものだと認識している人に、「何したい?」「どうしたい?」と聞く方が間違っていたのです。
従ってマダムが果たすべきだったのは、気ままな旅のパートナーではなく、用意周到なツアコンの役割。ベタでもいかにもでもベーシックなハワイ滞在に徹するべきでした。反省もこめてそんな話を旅仲間の中目黒マダムにしたところ、「うちのママは正反対。放っておくと一人でどこかに行ってしまう。気が気じゃないから携帯電話と警報ブザーはマストアイテムよ」とのこと。まーあ、同じ年代のママでも個人差がありますのねえ。
個人旅行、その第一義とは
よくガイドブックに個人旅行のメリット・デメリットとして、ツアーよりお金はかかるけれど自分の好きなように行動できる・・・というようなことが書いてありますけれど、マダムは悟りました。それ以前に、個人旅行には向き不向きがあると。異なる文化や価値観に順応できる鷹揚な精神、事前の情報収集を面倒だと思わないまめさ、そして自分がそこで何をしたいかという明確な意志。これらがない人や、自分の希望を述べ、それによって生じた結果に何らかの責任を取らなければならない(面白くなかった、まずかったetc)のはカンベンしてほしいという人にとって、全て自己判断で動くしかない個人旅行はつらいだけの修行になってしまうのではないかと。
個人旅行の醍醐味の一つは、間違いなくプランニングにあるとマダムは思っています。どの飛行機に乗ろうか、どんなホテルに泊まろうか・・・予算の多寡はあっても、山のようにある情報をかき分けて「これぞ」というものを見つけ出す。これこそが、お仕着せでない旅の楽しみなのではないかしら。個人旅行はしたいけれど、手配会社にもっと親切に情報を出して欲しい、段取りの相談に乗って欲しいと望む前に、まずは自分のできる範囲で調べてみましょう。本、雑誌、インターネットと手段はいくらでもあるはず。それが面倒くさい、わからないというのであれば、企画ツアーに参加した方がよほど気楽な旅ができると思いますわよ。
親孝行旅行では有能なサーバントを演じて
これから親御さんとのご旅行を考えているみなさま。ご自分のお父様やお母様が、どんな旅を快適と考えるタイプかを、ぜひ事前に把握してくださいませ。そして、どんなに自分が旅慣れていようとも、行動のレベルは親御さんに合わせるべし。「せっかく・・・なのに」というグチは禁物。イライラはそっと隠して、この貴重なひとときを楽しんでもらえるよう、有能なサーバントを演じましょう。親子旅行は一生の思い出。どうぞ、忘れられない旅を楽しんでくださいませ。マダムも今回の教訓を生かし、次回のソウルwithママできっちり挽回いたしますわよ? 。それでは、また来月。Ciao!
いつもゴージャスな旅話でマダムをジェラシーで萌え萌え(いえ、燃え燃えですか)にしてくださる神坂様から、またもやパリ情報が届きましたわよ?。まずは冒頭「国際会議で4年連続パリを訪れたのですが」って、神坂様っ、ご職業はなんですの? 貴族関係?? それはさておき、神坂様は13年ぶりに競馬場があるシャンティーに立ち寄ろうと思い立ったのだそうです。ところが電車が目的地シャンティー・グービューの1駅前でストップ! 「20分止まったままで、電動掲示板を見ると、1分後にシャンティー・グービューから先に行く電車が出るとあるので、乗ってきた電車に乗り込んだところ、パリに向けて逆戻り。外を見ると入れ違いに別の電車が・・・。慌てて次の駅で降りたところ、全くの無人駅、途方に暮れるよりも笑えました」。さらに15分待った電車がまたしても長々と停車。次の電車でまたまたパリに逆戻り。「これは、神様がシャンティーに行ってはいけないと教えてくれたのだと諦め、パリを横断してヴェルサイユ宮殿に行きました」。さ、災難でしたわね。その上、「当日は、みぞれまじりの雷雨から晴れまでが目まぐるしく変わる荒天で、宮殿からグラン・トリアノン、プチ・トリアノンまで歩いて回ったら5時間ぐらいかかりました。最後に遠くに見える宮殿を目指して帰る道の遠かったこと」とのこと。わかります。わたくしも2月にヴェルサイユに出向き、八甲田山死の行軍ばりの目に遭いましたもの! その夜に発熱&根性で快復なさったという神坂様は、勝手にマダム私設パリ特派員に任命?。次回のトレビアンなエピソードをお待ちしております。
「Can I use this coupon?」
旅先で「少しでもお安く、少しでもお得に」の期待に応えてくれるのが、街角やインフォメーションセンターにあるディスカウントクーポン付きの情報誌。利用時にクーポンが使えるかどうかを確認するときの定番フレーズがこれです。ただし、気をつけたいのが発音。「クーポン」ではなく「キューポン」と言わないと通じないことが多いようです。アップルワールドのホテル「クーポン」も、提出する際には「This is my hotel キューポン」と言ってくださいね!
意思なき者に個人旅行は向かない
「知らない」「わからない」「面倒」は個人旅行の大敵。他人に頼る前に、まず自ら情報収集し、それを楽しむことからこそ個人旅行ははじまるのです。