アメリカン・エキスプレス
マダムヨーコの辛口旅サロン「目指せエレガント・トラベラー」
Vol.
17

クレーム、この難しきもの

マダムヨーコの辛口旅サロン クレーム、この難しきもの

春はもうすぐ! 寒い時期はあったか?いリゾートに逃げていた方も、冷え冷えの日本で耐えがたきを耐え忍びがたきを忍んでいた方も、草萌える新しい季節に向けてなんとなくウキウキしてきませんか? こんなふうに世の中みんながハッピー気分ならいいのですけど、身の回りにはささいなトラブルや、ナットクできないことが山ほどあるのですわよね?。とりわけ旅先は、言葉や習慣の違いが相乗効果を生んで、怒りや屈辱は2倍3倍怒髪天! でも正当な権利を主張するにしても、クレームって本当に難しいものですわよね。今回は、そんなクレームのお話を・・・。

マダムの友人知人はクレームの武闘派ぞろい

マダムは温厚かつ謙虚かつ割と何でもアリアリ系ですので、旅先で滅多にトラブルに出合うことはありません。「ええ??」と思うことがあっても、ま、こんなものでしょう、と右から左に受け流し。しかし、この点に関しては類は友を呼ばないらしく、マダムの友人知人は「何が何でも自己主張」を忘れない武闘派ばかりなんですのよ?。そのいくつかの武勇伝をご紹介いたしますわね。

以前、飛行機に乗ったとき、背もたれは極力倒さないで、というお話をしたのを覚えておいでですか? たまたまヨーロッパ在住のアーティスト系マダムと、その話題が出た際、彼女はハッキリと断言しました。「わたくしは、やむなくエコノミーに乗るときは、すぐにシートを倒しますわ。だってこのシートを確保するためにお金を払っているんですもの」。げ、マダムとは正反対か。

他者との共存と権利の主張は相容れないのか?

で、でもケンカになったりしませんの? 「ええ、一度、後ろの人に膝で思いきりシートを蹴り上げられたことがありましたわね。わたくし、すぐに乗務員を呼んで訴えましたよ。もちろん乗務員は、後ろのシートの人を諭してましたけど」。うーん、直接後ろの人に文句をつけず、客室乗務員を間に入れたのは非常にスマートなやり方かと思います。でも・・・なんか、いまいち納得いかないなあ!! こういう時って自分の権利と同じくらい、他人に対する想像力や思いやりが欲しいのに。すると彼女曰く「んまっ。シートを倒されてイヤだというのなら、ビジネスかファーストをチョイスすればいいじゃないですの!」。うーん。うーん。正論なんだけど・・でも、でも。さて、あなたはどうお考えになりますか?

ハワイのレストランでの最悪の一夜

もう一人は男性中心の職場で、古い考えのヤカラ相手に長年渡り合ってきた頼もしきマダム。彼女はたとえ相手が年上でも仕事関係者でも、おかしいと思うことはズバリと言うタイプ。しかもそのクレームの付け方が、バカ丁寧だけど理詰めで有無をいわせないという超高級テクニック。ほんと、そばで聞いていると「すごすぎ!」と身震いするほどですのよ?。

彼女の数あるクレーム伝説の中で、私が最もスカッとしたのがハワイの某レストランでのこと。クラスは中級以上、味も雰囲気も申し分ないお店だったのですが、どうも日本人留学生のたまり場になっているらしく、彼らのテーブル周辺はもはや居酒屋状態。グラス片手に店内をうろうろし騒ぐわはしゃぐわ。彼・彼女らは常連のようで、スタッフは見て見ぬふり。シェフですら、なれなれしく話しかけられて笑顔を見せたりしている。そんなディナータイムにイライラしていたのは、きっとわたくしたちだけではなかったことでしょう。

見事なクレーミングに内心拍手喝采

お勘定の時がやってきました。友人マダムがチェックします。いったん下がったスタッフが戻ってきました。「あの、サービス料の分が足りないのですが」。カーン! ゴングが鳴りました。友人マダム怒濤のクレーム攻撃です。「ここはある程度のクラスのお店ですわよね。私たちもこの料金に見合ったお料理を大変おいしくいただきました。でも、大切なお客様かどうかはわかりませんが、ああいう人たちを放置しておくと、お店の雰囲気が台無しですし、サービスとしても失格だと思います。これからのお客様に同じ目にあって欲しくないので、抗議の意味でサービス料は払いません」

すごい! えらい! スタッフは言い訳ひとつできず引き下がりました。本当にお食事はおいしかっただけに残念なのですが、同時に同じ日本人としても非常に恥ずかしく思いました。聞いたところによると、海外在住の日本人留学生って、こういう「天下取ってるのはオレ」的マインドになりがちなのだとか? ああ、情けない! 以降、そのお店には足を運んでいないのですが、彼女の正当なるクレームが功を奏し、居心地のよい雰囲気になっていることを願うばかりです。

絶対に怒らない仏のクレーミング

最後に登場するのは、クレームの際に絶対に声を荒げず最後まで笑顔をキープし続けるという、仏顔負けのマダムです。彼女とカフェで待ち合わせたことがあるのですが、どう考えても一見の客なのに、妙にウエイトレスの愛想がいいのです。不思議に思ってたずねてみると、こんな経緯が。最初は観光客と見くびられ、ウエイトレスはものすごくつっけんどんだったのだそう。さらにサーブのときに水のコップをひっくり返されてしまいます。たいていの人はこれでキレますわね。しかし、彼女は違います。

ぶすっとしたまま、タオルでがさつに水を拭き取るウエイトレスに、「まあ、お上手ね。セーターはそんな風に手早く拭いてもらうのがいちばんですものね」。く??。キツーい。でも満面の笑顔なので、相手はこれがイヤミだとは気がつきません。かえってほめられたと思い、急に態度が変わったといいます。相手が素っ気ない態度だと、文句をつけている方もどんどん怒りに拍車がかかりがち。感情的にこじれにこじれて決裂、なんてことも多々あります。仏マダムが教えてくれるのは、クレーム時は笑顔で姑のような皮肉を言うのも、時には効果的・・・ということ・・・でしょうか!?

クレームもやっぱり「人のふり見て・・」

クレームの達人を友人に持っていても、マダムはまだまだクレーム上級者にはなれません。本当は「ま、いいか」ですまさず、きちんと抗議しなければならない場面だってあるはずですもの。ですから、他人がクレームをつけているところに出くわすと、さりげないふりをして成り行きをチェックしています。ところが! 印象に残ることといったら、日本男性のクレームの仕方のダメさ加減ばっかり。そこで次回は、マダムを愕然とさせたダメクレームの例を、まな板に載せちゃいますわよ?。

その前に。海外でのホテル滞在時のトラブル回避と対処法は、「役立つ情報満載!」の評価も高い「底が知りたいホテルの常識」をご参考になさってね! それでは、みなさま、また次回。Ciao!!

聞かせて、あなたの声を

マダムヨーコは引き続き、みなさまからのお便りをお待ちしております。現在募集中のテーマは「世界の空港の××スポット」。旅行中に発見&遭遇した、世界の空港の穴場的スポットを教えてくださいね。そんなこと気にもしていなかったわー、という方はこんなテーマでいかが? 「それはヘンだよ日本人」。旅先でそれはいかがなものか、それだけはやっちゃまずかろう!? と思わず頭を抱えてしまう日本人の言動を報告してくださいませ。反省と学習の意味を込めてドッカーンとさらしものにいたしますことよ!

使えるワンポイント英会話

「could I have a world with you?」

何か一言いいたいときに使う切り出しのフレーズで、「ちょっとよろしいかしら?」的なニュアンス。内容のシリアス度に応じて、笑顔、しかめ面、懇願顔と表情も使い分けると効果的です。また、パーティなどで話の輪に入るときにも、他人の注意を喚起するフレーズとして使い回せます。

他にも、あらゆるシーンで役立つ英会話がそろってます!

マダムイラスト
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クール&スマイルは最強の武器

自分の意志を通したいときほど冷静に、そして笑顔を忘れずにいれば必ず突破口は見つかるはず。

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