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旅先で大ピンチ!となるその前に・・・
みなさま、アロ?ハ!といってもハワイにいるわけではありません。国内隠密行動に忙殺され、ちっとも海外に行けず欲求不満フルスロットルのマダムヨーコでございます。そこで、気分だけでもオン・ザ・ビーチになってみようかと。ああ!旅をしないマダムなんて、白紙のままのデスノートのよう(=存在意味ナシっちゅうことですわ)。誰かマダムを成田に連れて行って!しかーし、楽しい旅には危険がつきもの。マダムは幸いにもこれまでスリ・置き引きなどに遭遇したことはございませんが、結構なデンジャラス体験をしたことがあります。
危機一髪!その時マダムは
それはマレーシアの地方都市でタクシーをチャーターした時のこと。ドライバーと話が弾んで、あちこち移動しているうちに、ふと気がつくと何だか人気のないところを走っている。しかもドライバーはハァハァと息を荒くしているし!ピピピーンチ!飛び降りようにも荷物はトランクの中。素姓も知られている。騒いで逆ギレされたら最悪・・・そう判断して、マダムはとっさに携帯電話を取り出しました。つながってもいない相手に日本語でエライ剣幕でまくし立て、あいまに「ポリス」「ミーティング」「エンバシー」などの単語を挟み込むというナイス演技。怒ったフリで電話を切り「会議の時間が変更になった。急いでホテルに行って!」。あとはムスッとした顔でブツブツ独り言を言い続け、「VIPのわたくしがなんでこんな目に!」モード全開。ドライバーも、さすがにまずいと思ったのか、無事にホテルにたどり着くことができました。
焦らず、逆上せず、冷静に。そして周りを巻き込む
いや、車を降りたら腰が抜けました。それ以降はしばらく怖くてタクシーに乗れませんでしたもの。この切り抜け方が正しかったかどうかはわかりません。でも、大騒ぎしたり逆上したりしていたら、きっと、事態はもっと悪い方向に行ってしまったと思うのです。危険な状況に立たされたら、まずは冷静に状況を判断すること。たいがいは旅行者と見くびられての行為ですから、どうしたら相手に「手を出したら自分がヤバイ」と思わせられるかを瞬時に考えること。ただし周囲に人がいる場合には、大騒ぎしたほうがいいでしょう。近くにいる人やお店に駆け込んで助けを求めるべし、ですわ。男性でも同じこと。男の沽券にかかわる、などと奮起して立ち向かったりしてはなりませぬ。何よりも身の安全を最優先して行動してくださいませ。
街を歩くなら荷物は極力減らして
さて、そんな不逞のやからに目を付けられない対策として、マダムは「手荷物を極力減らすこと」をおすすめします。たとえば街歩きや周辺観光であれば、持ち歩くのはバッグひとつで十分。マダムご愛用はA4サイズのファスナー付きトートバックタイプ。肩にかけてヒジでガードできるのがポイント。リュックやポシェットタイプよりはるかに安全ですし、収納力もバツグン。素材を選べばどんな服装にも合い、オフィシャルにもカジュアルにも使い回せます。
バッグの中味はカードと小額の現金が入ったお財布、パスポートのコピー、簡単な化粧道具程度で。マダムはガイドブックや大判の地図は持ち歩きません。動くエリアは決まっているのですから、あらかじめ必要なページをコピーしておきます。これなら街中で広げても書類のようにしか見えず、一目で旅行者だとはわかりませんわよね。さらに地図を見る時は、決してその場で立ち止まらない。必ず壁やショーウインドーを背にし、人ごみに「向かう」ポジショニングを心がけます。どうしてもガイドブックや大判の地図が必要という場合は、近くのお店の中に入って広げるか、カフェやレストランでの休憩タイムを利用するようにしております。
ショッピングバッグはひとつにまとめる
お買い物をするなら、ショッピングバッグはひとつにまとめます。有名ブランドのショッピングバッグをたくさん抱えて歩くなんて、「カモでーす」と宣伝しているようなもの。いちいち包装してもらわず、一番大きなものにどんどん入れてもらえばよいのです。決して失礼ではありません。喜んで対応していただけますわよ。もしくはお店に預けておいて身軽に街歩きを楽しみ、ホテルへ帰るときにピックアップするという手もあります。また滞在ホテルが最高級クラスなら、デリバリーしてくれる場合もあるので、試しにおたずねあれ。ハワイだったらハレクラニなどがその筆頭です(・・・ああ、愛しのハレクラニがマダムを呼んでいる?)。
個人旅行は危機管理を学ぶ絶好の機会
とりわけ女性は、あれもこれもと手荷物を増やしてしまいがちですわね。前号で登場したマダムママなど、その最たるものですの。「ね!持ち歩くのはお財布とハンカチやティッシュ程度でしょ?なんでリュックやウエストポーチもいるの!?」「水?必要ならそこらで買えばいいじゃん!」「え?セイフティボックスは危ないから、現金全部持ち歩く? あの・・(ゼイゼイ)」。そうこうしている間にかかってくるオババ・テレフォン・ネットワーク。「赤ちゃん用のお尻拭きも持っていると便利なんですって」「な!」。あああ、きゃつらはやはり神風特攻隊・・・。
よく「旅先に行ったら地元の人のように振る舞え」と申しますが、これも立派な危機管理のひとつ。マダムが旅先でのファッションにこだわるのは、まさにそのためのステップだからです。もちろん、頑張ったところでどこか旅行者というニュアンスは漂ってしまうものですが、外見でズバリ「旅慣れないお上りさん=いいカモ到来」と見抜かれないよう、いくらでも気をつけることはできるはず。「ホテルの常識」にも、その点がしっかり提案されておりますので、ぜひお目通しくださいませ。
◆自分の身は自分で守る!出発前の必須情報
「そこが知りたい、ホテルの常識 A Good Travelerへの道」
・第1章 さあ、旅に出よう!>3.異文化の中での自己防衛
・第7章 海外ホテル極楽滞在の極意>11. タクシーに勝つ!
※他にも役立つ情報が盛りだくさん。楽しい旅のために、ご一読ください。
思うに、個人旅行は危機管理について試行錯誤できる絶好のチャンスです。自由に行動し、痛い目に遭い、学び、次の旅行に活かす。たとえ痛い目に遭わなくても、マダムは常に「今回の旅が無事だったのは運が良かったのだ」と心しております。トラヴェジェンヌのみなさま、どうぞ全ての経験と知恵を総動員して、実りある安全な旅をお楽しみくださいませね。それでは、Ciao!
神坂様より『私の許せない(ほどではなく、笑ってしまいましたが)ホテル体験』というタイトルにて、本当に笑えるお便りをいただきました。
怪力で開けようとしたシャンプーボトルのふたが実はクリック式だった(パリのホテル)、ソウルのホテルのシャワーブースに隙間がありすぎて「外にこぼすなという方が無理。日本的に(?)しゃがんで縮こまって浴びたりしましたが、どうもすっきりしませんでした」などなど、各地のバスルームで孤軍奮闘しておられるようですが、白眉がコレ。「ちなみに、ドバイのトイレで腹が立ったこと。男性用小便器が設置されていたところでは、位置が高すぎたこと。お前らそんなに足が長いのか。子供はどうすんねん。まあ、私が経験した中では、イギリスの保養地ブライトンの海岸の公衆トイレは更にひどく、バレエダンサーにならないと用が足せませんでした。自分でもよくやったものと感心」・・・よくやった、って。
プププ。失礼。男性は男性で、いろいろと悩みが多いのですわね?。またおもしろいことがあれば、ぜひ、お知らせくださいませね!
「What’s up with that!?」
「What’s up」だけなら、友人に「調子はどう?」と聞く気軽な挨拶ですが、「with that」を加え、ややきつい調子で言うと「だからナニ!?」「どーゆーことよ!?」という威嚇フレーズとして使えます。急に身体を押し付けてきた不審な人物や、荷物を触られたりした時、わけのわからない難癖をつけられた場合などに、ビシッとかつクールに言い放ってみましょう。
臆病にならず、でも思いあがらず
幸福も不幸も思いがけず訪れるもの。自分だけは特別だと思い込まず、いつも準備を怠らなければ、よいことも悪いことも、必ずや人生の道しるべになります。