ローマ様式の特徴を採り入れたホテルを、海外から2つ、そして≪番外編≫として日本国内から1つご紹介しましょう。
シーザーズ パレス ラスベガス ホテル & カジノ
(ラスベガス/アメリカ)
シーザーズパレスの「The World of Caesar」
ラスベガスのストリップ(大通り)に面して並ぶ巨大ホテルの一つが、この「シーザーズパレス」です。
「シーザー」は紀元前1世紀にローマの支配者だった人ですから、ホテルの名前からしてもうほとんどローマですが、実はホテル本体よりも、あとから増築されたショッピングセンター「フォーラム・ショップス」の方がよりローマを強調したつくりになっています。
「フォーラム・ショップス」は室内の大空間を持つインドアモールとなっていて、ヴォールト型の天井にプロジェクターで様々な空の色を投影します。モールの要所にはドーム天井になった広場(フォーラム)があり、中央部のロータリー状になった場所にはローマ彫刻が設置され、それが一定時間ごとに立ち上がったり演説を始めたりというアトラクションも用意されています。
大通りに近い部分にはパンテオンを模したホール「The World of Caesar」もあり、ローマの雰囲気を盛り上げています。
【Photo】
2ページ目「シーザーズパレス」/撮影 栗田仁
ローマの街で本物のコロッセオの北約1.5km、あの『ローマの休日』でへプバーンがアイスクリームを舐めていたスペイン広場の東約500mのあたりに、「あれ、ここにもコロッセオ?」と錯覚しそうなシルエットのホテルがあります。それが、「ボスコロ ホテル パレス」です。
ほんものより小さめですが、おおらかに湾曲する壁面、建物外周に連続するアーチに(純粋種ではありませんが)「ローマ建築」の雰囲気が漂っています。
新横浜プリンスホテル エレベーターホール
(写真提供:新横浜プリンスホテル)
このホテルの際立った特徴は、そのエレベータホールにあります。レセプションの脇、円形平面の上を眺めてください。ローマのパンテオンの ドーム天井の縮小版をご覧いただけます。