年間を通しての訪問者数がユタ州でNo.1というザイオン国立公園。一番の魅力は、何と言っても幅広い層がそれぞれに楽しめるそのトレイルの豊富さでしょう。今回はザイオンきっての"目玉"ともいわれる「エンジェルス・ランディング」に挑戦しました！　往復で所要約5時間。最初にお断りしておきますが・・・残念ながら高所恐怖症の方にはちょっとおススメできない場所ではあります。チャレンジングな中級トレイル、といえるでしょう。

「天使の舞い降りる場所」という名のそのトレイルは、グロットのバス停付近から片道約4km、標高差約450mの道のり。最初は穏やかな川の流れを見ながら散歩気分で歩いていましたが、山間の中に入っていくにつれ、雄大な景色の中にはこれまでのアーチーズともブライスキャニオンともまたひと味異なる、凛とした空気感やどこか神秘的なムードを感じました。聞くと、「ザイオン」とは聖書にある「神の町」を意味する名前とのこと。何だか納得です。

途中にはスイッチバック式ののぼりが形を変え、そしてところを変えて、何度か繰り返されてゆきます。最後のスイッチバックを抜けた先の「スコットルックアウト」という地点で一旦開けた場所に出るのですが、実際にはここからがこのトレイルの本番なのです。

小道の向こうに見える最後の800ｍは、「え！ロッククライミング！？」とでも言わんばかりの細くて急な勾配の崖。両端は切り立ったドロップオフになっていて、そこをチェーン伝いに進んでいくのです。こういうときには、仲間同士、ハイカー同士の助け合いが大切。手を貸しあいながら、道を譲りあいながら歩いていきます。時には降りてくるハイカーと身体をクロスさせて道を行き交うことも。しっかりとチェーンを握りしめ、一歩ずつ足元を確かめながら進んで行きます。

たどり着いた頂上で待っているのは、ダイナミックな景観と充実した達成感！こればかりは登りきった人にしか味わえないモノです。文字通り、天使からのステキなプレゼントがそこにはありました。