アメリカン・エキスプレス
マダムヨーコの辛口旅サロン「目指せエレガント・トラベラー」
Vol.
133

きっと好きになるルアンパバン

マダムヨーコの辛口旅サロン きっと好きになるルアンパバン

ヨーロッパ旅行にはまるで興味がなく、アジアの仏教圏(しかも秘境っぽいとなおよし)をこよなく愛するマダムママ。かつてハワイへの個人旅行に誘い、タイムスケジュールのない旅が彼女にはいかに不向きかを実感したのも、もうずいぶん昔の話になります。そんなマダムママが唐突に「そういえばツアーでラオスに行ってきたのよ」。して感想は? 「そうねえ、何にもないところだったわ」ってそれだけか~い! 相変わらず海外に関してはテンションの低いマダムママなのでした。

そこは「世界でいちばん行きたい国」

ラオスといえば「静かなる高経済成長国」と注目され、懸念となっていた貧困率も徐々に改善されている小国。観光面でもニューヨークタイムズで「世界でいちばん行きたい国」ナンバーワンに輝くなど、アジア最後の桃源郷として渡航者が急増しています。中でも人気なのが世界遺産に指定されている町ルアンパバン。とはいえ当時のわたくしのイメージは「ん~、なんか要塞みたいな感じ?」。いやいや、とんでもない的はずれ、行ってビックリ大反省! ルアンパバンは要塞どころか、そこだけ別の時間が流れているような、空前絶後の(流行りに弱いマダム)ヒーリングシティなのでした。

まず空港がただの平原。飛行機のタラップを降りて徒歩でターミナルに移動するという経験、久々にいたしましたわ。構内は改装を終えたばかりでピッカピカ。しかしパスポートコントロールが長い! 特に顔写真の撮影指示が、何のこだわりかと思うほど細かいのです。ナゾでしたわ~。小さな町なので、空港から町中まではあっという間です。わたくしは中心部からやや外れた国道13号沿いのリゾートに滞在していたのですが、移動は基本的にレンタサイクルを利用しました。プーシーの丘の裏手まで広い道路を一直線。行きは爽快な下り坂、帰りは徐々にダメージが溜まる緩やかな上り坂。それでも自転車と徒歩で、ほぼ中心エリアは制覇できました。いちいち車を手配するよりも自由度が高いので、レンタサイクルはおすすめでございます。

五感が安らぐナチュラルな暮らし

町中を流していて「何かが違う…」とずっと感じていたわたくし。ふと気がつきました。「音楽が流れていない!」。そうなんです、ルアンパバンには繁華街にありがちなBGMがまったくないのです。日常的に音の洪水に慣れているわたくしは、それがいかに快適なことか、いかに気持ちが安らぐことか、もうすっかり忘れていたのですね。高層の建物はないし、ネオンサインもほとんどなし。夜になればそこかしこに暗闇が広がる……と、人工的なモノ・コトとは無縁の暮らし。もちろん発展とともに変わっていくのでしょうが、「どこか懐かしい」雰囲気は、そんなところから生まれているのでしょう。

メインストリートは「サッカリン通り」「シーサワンウォン通り」「チャオファーグム通り」と区画によって名前が変わりますが、長さは1キロちょっと。早朝は僧侶たちの托鉢の長い列がいくつも連なり、夜には歩行者天国のナイトマーケットに変身します。わたくしが最も心に残っているのも、やはり托鉢ですわね。まだほの暗い朝もやの中を、裸足でひたすら歩いていく鮮やかなオレンジ色の衣をまとったお坊さんたち。ほんの小坊主からかなりの年長者まで、その列は延々と途切れることはありません。道ばたでお布施をする地元の人々の真剣な表情も忘れられません。

意外なほどはずれのない飲食店

ところで町のイメージ同様、想像と全然違っていたのがラオス料理でございました。写真を見るとタイ料理、それも北部のに近いのかしらん…という感じでしたが、ラオス料理は辛くないしくどくない。割とあっさりとした味付けで、クセがなく大変食べやすいのです。特にカレー風味でないルアンパバン独特の麺「カオソーイ」は毎日食べても飽きない味。お店によっても少しずつ味付けが異なるので、滞在中はとにかく食べまくりましたわよ。川海苔のカイペーンも最強の酒の肴でございます!

もうひとつ驚いたのが、意外とこじゃれた飲食店が多いことです。ラオス料理店はもとより、ベトナムの影響が入っているのかフレンチ風のビストロやカフェも目につきました。コーヒー、クロワッサン、ケーキ類も本格的。しかも料金が超お手頃。リゾートでも、アマンタカやドゥラペみたいなインターナショナル系ラグジュアリーリゾートでない限り、「マジなの!?」と目を疑う料金でディナーが楽しめたりしちゃうのです。狙い目は4つ星。朝食も色とりどりですから泊まってよし、訪ねてよしと贅沢で優雅な食事を堪能できますわよ~。

ルアンパバンの夜は更けて

おいおい、それはモンテンルパ! と突っ込まれそうですが(しかも古い)マダムはどーしても混同してしまうんです~。とはいえルアンパバンは(健全な方には、ですが)ほぼ夜遊びの楽しみのないところ。ナイトマーケットも22時過ぎに店じまいしてしまいますの。ですからルアンパバンでは、お寺めぐりやプーシーの丘登り、恐怖の竹の吊り橋(本当に怖い!)を渡って対岸の村を散策してみたり、現地ツアーでメコン川クルーズに参加して郊外の見どころを訪問したり、と日中の活動をめいっぱい満喫してください。ここでは夜更かし&朝寝坊は三文の損なのです。何せすることがないのですからねえ……。

日本からラオスへは直行便がないため、バンコクやハノイでの乗り継ぎが一般的。日本を午前中に出発すれば同日にルアンパバンに到着できますが、トランジットを含め、やや長旅になります。体力的に不安のある場合は、経由地での滞在も視野に入れ、ゆっくりとスケジューリングしたいものですわね。ルアンパバンはゴージャスなリゾートもたくさんありますが、実は2~3星の宿泊施設も、シンプルながら清潔感がありかなりレベルが高いと評判です。わたくしも次回はそんなのんきなヴィラやゲストハウスに滞在してみたいと思っています。みなさまも心やすらぐルアンパバンを、ぜひ体験してみてくださいね。それでは、また来月。Ciao!

聞かせて、あなたの声を

「約40年前から海外or国内一人旅を楽しんで」いらっしゃるのは、旅好きバアバことフミエ様。「一番楽しめるのは一人ですが、食事だけは楽しみ半減だな~と思います」。ですのよね~。そんなフミエ様の旅の5カ条が、1.荷物は最小限、2.旅人と感じない(在住者のごとく)、3.宿はミニホテル(家族になれる)、4.まずは現地の市場と食事、5.左手薬指にリング(魔除けに)。「たくさんの国に家族が出来ましたよ! 現在70歳の私は、一人旅の現役です」。ああ、なんて素晴らしい。私もフミエ様のように旅と一緒に年を重ねたいものです。

働く女性と旅の葛藤について「全くそのとおりなんですよ」とぴゃんぴゃん様。「何がめんどくさいって、仕事の段取りです」。それでもかかってくる部下からの国際電話、「次は夫。これが曲者で」。理解ある言葉を口にするものの「飼犬に向かって語りかけるのです。『明日から居ないんだってさ。いいねえ、きっと美味しいもの食べるんだよ。俺達二人、何、食べようかねえ』。だ、大爆笑! ダンナ様、いい味出しすぎ! でもまあ、やられる方はたまらないですわよねえ、ぴゃんぴゃん様!

しかし中にはこんな御仁も。H.I.様です。「妻への最高のプレゼントは『行っておいで。楽しんでね』と、旅へ送り出してあげることです」「行く前と行った後では、ヨメさんは変わりました。自信がついたのだと思います」。ご実家の協力を得て家事や育児も頑張られたというH.I.様。「お互いのために、ぜひヨメさんを送り出しましょう! 日本のダンナ」、ああ、こちらもなんと素晴らしいお言葉でしょう! 男子よ、胸に刻むがいい!

そして相変わらずくすぶり続けている「海外でのスマホ問題」について、マブダチ楓様が「とうとう海外スマホデビュー致しました」。な、なんですとー! とはいえ買い替えてまだ数カ月。「日本でも使いこなせないのに、海外で使いこなせるはずもなく、ホテルの無料wifiにトライしたのみです」。でもカメラは機能がわからず、個人情報漏れが怖くてSNSもアップできず。「やっぱりスマホはあまり海外には持って行きたくないですね」。いやいや、便利さが実感できるこれからが本番かも、ですわよ楓様! というマダムヨーコはまだガラケー派です……。

さて、まだまだ届いている「旅先ゾッとエピソード」。K20様シェリー様、また次号でご紹介いたします。恐怖体験をふと思い出したみなさまも、ぜひお便りくださいませ。引き続きお待ちしております。

使えるワンポイント英会話

「What a coincidence !」

「なんという偶然!」=「こんなことってあるんですね~!」という驚きを表現するフレーズです。見知らぬ場所で知人とばったり遭遇したり、同じ出来事が何度も続いたり……旅先で何となく運命的なものを感じた時にぜひ使ってみてくださいね。

他にも、あらゆるシーンで役立つ英会話がそろってます!

マダムイラスト
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思い込みをくつがえされるのは快感

自分の価値観やマイルールが通用しないことに対して、かたくなに拒否してしまうのは大損。それは新たな目が開かれるまたとないチャンスなんです!

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