アメリカン・エキスプレス
マダムヨーコの辛口旅サロン「目指せエレガント・トラベラー」
Vol.
95

イタリアちょっと寄り道旅

マダムヨーコの辛口旅サロン イタリアちょっと寄り道旅

みなさま、天変地異が続く2014年夏、いかがお過ごしでしょうか。いろいろな意味で、「もう、旅行どころじゃなーい!」という方はたくさんいらっしゃるかと思います。そうですわね、まずは、何よりもご自身と大切な方々のご無事とご健康を。旅立つのは、笑顔になってからでも遅くありません。世界はいつでも、いつまでも、あなた方を待っていてくれますわよ~。

時にはエクスカーションを

そんなマダムヨーコが今回お送りするのは、南イタリア旅のこぼれ話ざます。残暑厳しき折ですもの、面倒くさい話や理屈は抜き! 気軽にお楽しみいただき、かつ今後のイタリア旅行の参考にしていただければ本望でございましてよ。

南イタリアは、これまでにも中目黒マダム一家との珍滞在や、ロストバゲージ事件などで何度も登場しているデスティネーションでございます。わたくしの旅は、基本的に1カ所滞在&街歩き中心型で、あまりエクスカーションはいたしません。一人だし、いろいろ手配が面倒くさいし、近場をブラブラしていた方が断然楽しいし……と、動かない言い訳はてんこ盛り。

しかし、そんな出不精のわたくしでも、時には「ここは行っておくべきでは!」と思う場所が。近年ではサレルノ滞在中のカプリ島と、パレルモ滞在中のアグリジェントが、その2大ポイントでございました。

サレルノから船で行くカプリ島

サレルノはナポリから電車で約30分。アマルフィ周遊の東の拠点になる都市です。日本での知名度は今ひとつで、「コレ!」という名物もないのですが、地元では絶大な人気を誇るバカンス地。美しい海岸沿いはキャンピングカーがズラリ、素敵なリゾートホテルも点在しています。わたくしが滞在したのも、そんな中の1軒でしたのよ。ところがっ。シーズンオフのリゾートホテルは、スパ休業、朝食のスプマンテはしっかり蓋が閉じられたまま、ひとけも華やぎも薄い、何とも寂しい雰囲気でした。

プールサイドバーもクローズしているとなれば、もはや賑やかな旧市街でアパートメントを借りている中目黒マダムとそのママに遊んでもらうしかありません。朝6時に起き、ほの暗いメルカンティ通りを抜けて、中目黒チームと港で合流。カプリ島行きのフェリーに乗り込んだのでございます。

朝日に浮かぶアマルフィ海岸の美しかったこと! うっとりと見ほれるわたくしと中目黒マダムママ。一方、中目黒マダムは超が付く船嫌い。船内で目を固く閉じ腕組みをしたまま地蔵化しています。なんと、青の洞窟に入った時も、ゴンドリエーレが一節うなろうが、神秘的な光景が広がろうが、彼女はほぼ無心状態。そ、そこまでお嫌いだったとは……。

ようやくその愁眉が開いたのは、ウンベルト1世通りに着いてから。バカ高い、でもめちゃくちゃ美味なシーフードを食し、レモンの香水を買い、ヴィラ・ジェヴィスの庭園をのんびりと散策し、カプリ島1日滞在を満喫。日が沈む頃には無事サレルノに帰港し、3人でこれまたウマウマな地元料理を堪能したのでした。

わたくしのおすすめは、カプリ島をぐるりと回る遊覧船。緑の洞窟や岩陰のマリア像、不思議岩にアルマーニさんちの高級別荘と、船上からしか見ることのできないスポットが次から次へと登場します。青の洞窟とセットになっているツアーもあるので、チケット売場で確認してみてくださいね。

パレルモからバスでアグリジェントへ

シチリア滞在中に、どうしても行きたかったアグリジェントは、古代ギリシャの遺跡が残る世界遺産都市。パレルモからバスで島を縦断すること約3時間。遠くに空中庭園都市が見えたり、眼下にガレ場のような荒々しい光景が広がったりと、変化に富んだ行程でございました。ところがバスターミナルについてからがひと苦労。さんざん下調べしてきたのに、神殿の谷に行くバス停がわからないわ、乗ったら乗ったでどこで降りていいのか困惑するわ……。最終的には人の振り見てこっそり従い、何とか目的を果たしたわけでございます。

それにしても、巨大遺跡って実物のインパクトがすごすぎますわねっ。巨神兵みたいなテラモーネとか、エルコレ神殿の列柱とか。とにもかくにも圧倒されまくり。ものすご~く歩かされる遺跡群ですが、どんなにつらくても歩く価値ありと断言いたします。へんちくりんな土器や仮面が楽しい国立考古学博物館も必見でございましてよ。

バスはバス停にしか停まらないっ!

そんなこんなでクタクタに疲れ、でも心は興奮状態のまま、駅に戻るバスに乗ろうとした時です。博物館出口の向かいにバス停があるはずなのに……またもや、見つかりません。ああ、どうしよう。でも! ここはざっくりアバウトなシチリアですもの。きっと手を上げれば停まってくれるに違いないわ! 頑張ってマダム。さあ、バスが来たわ、手を上げるのよ。「はいっ!」。ピシッと挙手をしたわたくしを見た運転手、苦笑いをして人差し指を振り、そのまま行ってしまいましたとさ! 車窓に見える乗客の顔も、心なしか笑っていたような……。くっ。ちなみにバス停は、坂道を5分ほど上ったところに生えている「木」。見上げるような高い位置にサインが付いていました……って、そんなもん、わかるかあああっ!

そうそう、バスといえばパレルモからの長距離バス利用のミニ知識をひとつ。往路でバスに乗り込んだ際、ドライバーに運賃を支払いつつ何かを質問し、ものすご~く手間取っている観光客が何人かいたのです。何かしらと思っていたら、帰りにも同じ光景が。耳をすまして聞いていると、どうやら「左右どちらのシートが日が当たらないか」を確認している様子。

確かにシチリアの日差しはキツイ。カーテンを閉じても腕がジリジリ熱くなってきます。わたくし、あまり考えずに座ったのですが、ラッキーなことに往復共に「直射日光の当たらない側」でございました。みなさま、それは「進行方向の右側」でございます! 頭の隅っこにインプットしておけば、いつか役立つかもしれませんことよ~。

旅先では何の失敗もトラブルもなく、計画通りに行動できれば言うことなしでしょうが、そうは問屋が卸しません。でも、ひとり旅のいいところは、誰に遠慮も謝罪もすることなく、ゼ~ンブ自分で処理できること。「何とかする」スキルも磨かれますし、たとえ恥ずかしい思いをしたとしても、笑い話にアレンジしてしまえばノープロブレムでございます。さあ、次はどこで、どんな経験が待っているのやら。マダムヨーコの旅人生は、これからも続くのでございます。それでは、みなさま、また来月。Ciao!

聞かせて、あなたの声を

飛行機ならぬクルーズ運行のトラブルに遭遇したというシェリー様。台風の影響で予定していたルートが変更&乗船港が割愛に! その際のオプションは「別港からの乗船(交通費は自分持ち)」「同コースの別日への振り替え(船内での優待券付)」「キャンセル(全額返金)」の3つだったそうです。

「上手に探すと、高値の花だったクルーズもリーズナブルになってきましたよ」とのこと。まだクルーズ経験のないわたくしですが、そうとなったらチャレンジしてみようかしらん……。貴重な情報をありがとうございました。

旅ファッションについてのコメントも、いくつかいただいています。まずはお初のマツモト様。「旅先での服装については、まさにコラムと同じ事をいつも思っていました。特にホテルでのチェックイン時は絶対に『革靴』で! それに加え、挨拶だけでも現地の言葉、さらに加えて笑顔ですね」。マツモト様からは、食事中の声の大きさに気を配るべきとのご指摘もありました。イエス、その通りでございます!

また、ヒースロー空港の入国審査の厳しさを散々聞かされていたるぱん様。仕事仲間から受けたアドバイスは、「飛行機を降りる前に化粧室で口紅を差すこと、髪をきちんととかすこと。手持ちの中で一番高級なイヤリングをすること。それを守り、にっこり笑いかけて無事通過できました」。

一方、湖水地方のハイキングツアーに参加してきた別のグループは、シャツにパンツ、足元はズック、長時間フライトで髪はボサボサ。「半数以上が審査で別室に連れて行かれ、手荷物の口紅の中までひっくり返されたそうです」。どえええ! 密航者とでも思われたのでしょうか!? ホテルだけでなくイミグレでも、ある程度の「よそ行き感」は必要そうですわねっ。みなさまもお気を付けあそばせ~。

最後は、お久しぶりのしまもん様。年齢とともに「海外に行きたい」意欲が薄れてきたですと!? うう、往復のしんどさを考えると、ちょっと納得できるマダムヨーコです。とはいえ6月に行かれたソウル&仁川で「韓国はホットパンツが流行っているのか太もも露わな女子がいっぱい。若いときにはエロイ格好を積極的にしたほうが後悔ないな、と思いました」のくだりで大爆笑! 

わたくしも先頃ソウルに行って、同じ思いをしてきたばかりだからです。それにしても、韓国にはチュニック系のぼったりした服を着てる女性が本当に少ないですわねえ。若者はピチピチ、妙齢はそれなりの、でも、み~んな体にフィットした服。隠しちゃダメなんだ(笑)、と改めて自戒しましたわ~。

使えるワンポイント英会話

「Where is the closest station / bus stop?」

「最寄りの駅/バス停はどこですか?」とたずねるフレーズです。複雑なルートの場合や固有名詞が頻出して理解しづらい時は、地図にマーキングしてもらったり、ポイントを書いてもらうと安心です。

他にも、あらゆるシーンで役立つ英会話がそろってます!

マダムイラスト
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失敗、恐るるに足らず!

旅も人生も失敗はつきもの。それを恐れて小さくまとまらず、笑って乗り越えていくくらいの図太さを持ちましょう!

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