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台湾郊外ぶらり旅~平渓線でトコトコ編
もはやゴールデンウイークのことで気もそぞろなみなさま、ごきげんよう。連休はじっと我慢の日本滞在組、マダムヨーコでございます。あああ、ハワイから戻ったばかりだというのに、もうどこかに行きたい! しかし、ぐんぐん上がるサーチャージにクラクラ。そのうち、アブラの方がチケット代より高くなるんじゃないかしら・・・キーッ!
根強い人気にお応えして台湾リポート第3弾
これまで2回にわたり、台北郊外への小旅行のご報告をしてまいりましたが、さすがに3回目になると「もう、台湾はお腹いっぱいです!」と言われてしまいそう・・・。なーんてビクビクしていたのですが、どうやら台湾、人気デスティネーションとして躍進中だそうで、台湾ネタへのみなさまの食いつきも、パネェ(使ってみたかったんですこの言葉)状態なのでございます。ドはまり組多数。ええ、そのわかりやすい例が、半年で3回も行ってしまったマダムかもしれませんわね?。何しろ近い! そして安い! さらにおいしい! 加えて親切! と、アジアの中で最も気楽に過ごせる台湾。人気が出ないはずありませんわよねえ。というわけで、張り切って続編をお送りいたしましょう!
二子玉マダムが大ピンチ!
さて台北といえば、わたくし&二子玉マダムのチームろくでなしがデフォルト。今回も羽田発7:10にて飛び立ちました。滞在は2泊3日。まあ、いつものコースよねと軽く考えていたら大違い。年末年始開けすぐの連休は、年末進行・忘年会・帰省・実家接待・仕事始めの山盛り仕事と、イイ大人には試練続きの時期。休みで体が休まるどころか、疲労度MAXだったのでございます。しかも二人とも出発前日に、チョーシこいて飲み会に出ていたり。そんなわけで目覚めはサイアク。風邪気味の二子玉マダムは険しい顔をマスクで隠しての出発です。
松山空港に到着し、タクシーで即ホテルへ。二子玉マダムの不調を訴え、アーリーチェックインをお願いしたのですが、満室ゆえに、すぐはどうしても無理とのこと。では、と気を取り直し、荷物を預けて小籠包ランチにGO! ところが二子玉マダムがどんどんグンナリしていくではありませんか。顔色も激ヤバ。慌ててホテルに戻り小休止です。昨晩眠り足りなかったわたくしも思わず熟睡。すると「ねえ・・」と二子玉マダム。「私、ダメかもしれない。今日中に日本に帰りたい」。え!? ええ?! しかしここで私がテンパったらおしまいです。「わかった。でもその前にフロントに相談して、医者か薬局に行ってみよう」と、気分転換も兼ねて、ちょっとパニクり気味の彼女を連れ出しました。
ホテルスタッフの手厚い応対に感謝感激
フロントで事情を話すと、すぐにスタッフが薬局に同行し通訳をしてくれました。ナイスなことに二子玉マダムは処方箋を持参していたのでで、ほぼ希望通りの薬をいただけましたが、日本では市販されていない薬がヤケに安い・・・。ブツが薬なだけに神経を尖らせる二子玉マダム。根気よく説明してくれるホテルスタッフ。そばで感謝の頭を垂れるわたくし。ようやく納得した二子玉マダムの精神的ダメージは、みるみる回復。1時間後には「夜市行こ?」と、あんたさっきのあれは何だったんだ的な変わり様でございます。そんな二子玉マダムは滞在中ずっと朝晩フロントで声をかけられ、体調を気遣われ続けました。それも通訳役の方だけでなく、顔を合わせる全員にです。ううう、素晴らしいよ、台湾。何でそんなに親切なの!?
平渓線で雨の各駅停車旅
さて、今回の旅のメインイベントは「平渓線で行く各駅停車の旅」。平渓線は台鉄の三貂嶺と菁桐駅を結ぶ、8駅全長12.9キロメートルのローカル線。台北駅で1日券(200円足らず。安?)と、マストアイテムの駅弁(もちろん排骨飯)を買い込み、まずは乗り換えの宜蘭線瑞芳駅に向かいます。車中は混み混み。ほとんどが若いカップル。車輛が短いので混雑に拍車がかかります。しかし瑞芳駅に着くと人数が激減。どうやらみなさん九分・基隆方面へ向かうようです。
わたくしたちの作戦は、往路を終点まで景色を楽しみ、帰路で気になる駅で降りてみるというもの。うれしいことに車内はガラガラだったので、大いばりで駅弁を広げ、あちこち席を移動し、写真を撮り、ほとんど貸し切り状態で超ご満悦。車窓を流れていくのは渓谷や滝、橋、切り立った崖、畑にトンネルといった懐かしくものどかな風景と、「もうそこまでお店ですがぁああっ」という至近距離すぎる街中。道行く人に手を振り、ぼんやり外を眺め・・・ああ、時間よ?止まれ?というくらいの、胸いっぱい郷愁タイムでございました。
雨の中で猫らをなでくりまわす
終点の菁桐駅で鐵道文物館に目の色を変えている頃から、雨が本格的に降ってきました。折り返してきた列車に乗り、次に降車したのは天燈で有名な十分。たくさんの観光客が願いを込めて天燈を空に放っています。いたるところに「日本がんばれ」「加油!日本」「Fight Japan」の文字。またしても心の中で手を合わせるわたくしたち。ちなみに十分は、レールの上を平気で歩けてしまえるので、世界中の鉄ちゃんがハードな接写に挑んでおります。マジ、すぐそばを列車がすり抜けていきます。お好きな方にはたまらないアトラクションかもしれません。
賑やかな十分の商店街で遊んだ後は、二子玉マダム本願の候(ドウ)駅(この駅はすでに宜蘭線)へ。横殴りの雨、しかし驚くほど降りる人がたくさん。なにせここは「猫の村」なのです! 猫たまりへ続く陸橋にも激しく雨が吹き込み、気分はすっかりブルー。しかし二子玉マダムの猫LOVEを鎮めることはできません。ちっ、昨日は帰国しようとしたくせに・・・。さすがに雨なので猫たちは少なめですが、それでもがんばって営業してくれる姿に目尻が下がりまくりです。意外なのはカップル、男の子同士と男性比率が高いこと。日本だったら確実にギャル子供おばちゃんの世界ですわよねえ。そういえば猫カフェでも男の子たちが、たくさんなごんでましたっけ。台湾の男の子って、カワイイ?。
その心の美しさに打ちのめされて・・
雨ニモ負ケズ、1日平渓線の旅を楽しんだわたくしたちは、〆を基隆の夜市で行うことにしました。前回魅了された屋台料理の数々を堪能し、買い求め、帰りの列車の中でつまみ食い・・・あれ? ふと気になって確かめると・・・お財布が・・・二人の共同財布が・・・ないっ! 座席に荷物をぶちまけて調べても、やっぱりない。預り主のわたくしソーハク。「ごめん、どっかで落とした。でもきっと3000円くらいだと思う」。金額を過少申告し、酸っぱいブドウ理論であきらめモード全開です。しかし二子玉マダムは強かった。「いや、戻って探そう」。暗いホームで下りの列車を待ち、気持ちも暗く基隆の駅に戻ります。降りるや否や、神業レベルの速さで改札を抜け、事務所に駆け込むわたくし。日本語はもちろん、英語もほとんど通じません。そうなると説明も逆にしどろもどろ。ああ、もどかしい!
すると、奥の席にいた駅員さんが「これ?」と、茶封筒を持ってきました。そこには、マダムが100円ショップで適当に買ったあのお財布がっ。「そそそれですっ」「いくら入っていたの?」「わかりません覚えてませんでも絶対それですっ」。駅員さんは「この人が拾ってくれて、いま手続きしていたところなんだよ」と、そばにいたおばあさんにニコッ。おばあさんは日本語で「そこに落ちてたよ。たっくさん入っていたよ。気をつけてね」と、懸命に説明してくれます。金額は約12000円! カードも証明書類も何もない現金のみのお財布です。お金だけ取って捨てたってきっとわかりません。でも、そのまま戻ってきたのです。台湾にはこんな美しく正しい心の人たちが、今でもいるのです。
今のところ、次の台湾訪問は決まっていません。でも、ふと思いついてまた7時10分の飛行機に乗ると思います。だって、台湾が、台湾のおいしいものが、台湾の景色が、そして台湾の人々が大好きなんですもの! マダムの台湾リポート、次回はどこになるか、みなさまどうぞお楽しみに。それでは、また来月。Ciao!
「イタリアが第二の故郷」のSacci様、初めまして。マダムのイタリア行きトランジット話に「思わず大笑い。なぜなら、私にもほぼ同じ経験が」。おお?、いらっしゃいましたのね、お仲間が! しかし言うことがすごい。「もう一度同じ便に乗って、どれだけ時間短縮できるか試してみたいなー!」。ホント、このサロンのみなさまは強心臓ぞろいでござます。ホステスとしてわたくしも頑張らなければ! Sacci様、これからもマダムヨーコをどうぞよろしく。
5月にフランスへ、女性二人で「印象派を巡る旅」に行かれるというマダムマッチ様。郊外のリゾートホテルでツインが見つからず、苦労されているご様子。ぜひミスターのツイン関連のコラムもご覧くださいませ。そして今回もよい旅を&新たな名言お待ちしておりますわよ!
いつも心のこもったお便りを下さるH.Y様。この季節はご多忙のようですが、そろそろ一息つかれ空を飛んでいらっしゃるでしょうか? さんざん台湾のお話をしましたのに、H.Y様のお便りを読んで、また台湾熱が上がり始めまちゃいました。今度はちゃんと101を制覇してきます!
「The amount is wrong.」
「金額が間違っています」という意味のフレーズ。レストランやショッピングで会計をした時に、レシートの金額と請求金額が違っていたり、落とした財布に入っていた金額(ああ・・・)と、届けられていた金額が違っていた時などに使います。「価格」ではなく「総額」であることに注意してください。
正直者は必ず救われる
「正直者は馬鹿を見る」が当たり前になっている世の中ですが、絶対にそんなことはありません・・・と信じて気持ちを正して生きましょう、みなさま!