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トランジット甘く見るべからず
みなさま、お正月はいかがお過ごしになりましたか? よい初夢をご覧になれましたでしょうか。わたくしは例年のごとくカニと闘いましたわよ?。しかし、それより手ごわかったのはマダムママのリクエストによるスウィーツ責め。全国からお取り寄せした銘品の数々が、食べても食べても減らない・・・。もうチーズケーキやロールケーキは見るのもいやなのでございますっ。ううう。気を取り直します。どうぞ今年もよろしくお願いいたします。
お得なエアチケット、でも乗り継ぎが・・・
気分新たな年明けではございますが、2012年の初回はマダムが昨年のイタリア旅行で、ほとほと疲労困憊したお話をしとうございます。どうぞ笑ってやってくださいませ。というか笑ってもらえないと、いまだ心にくすぶるこのストレス。んもう、まったく消えないのでございます!
それは往路の飛行機からはじまりました。手配をしたのはかなり前でしたので、料金は早割で超お得(サーチャージがほぼ同額ついてきましたけど?)。コペンハーゲン経由ミラノ行きのSASで現地到着時間が夜19時と、そこからトリノに移動したいわたくしにとっては、ナイス時間の便なのでした。が、心配が1点。コペン到着16時05分なのに、ミラノ行きは16時55分発。トランジットが50分しかないんです。マジか!? とネット検索してみると、意外とみなさん問題なく利用している様子。それにSASがそのスケジュールで売っているのだから大丈夫なんでしょう、ターミナル移動も短いし。とムリヤリ自分を納得させてその日を待ちました。
ゲートまでの関門は2段構え
当日、飛行機が動きません。な?ぜ?? すると「混んでいるので順番に飛びます」という機長アナウンスが。「終わった・・・」。開き直ってくつろいでいたら、あれまあ、どんなズルをしたのやら、予定10分前にコペンに到着してしまったではありませんか。さあ、ここからが勝負です。「それは競歩か?」という勢いで通路を進み出発ターミナルへ、と思ったら荷物検査の関門が?。わたくしの前にはフィンランドに行くらしきオバサマ軍団。「あら?、これ出しておかなきゃいけないみたいよ」「コートも脱ぐんですって」「機内の水持ち込めないの?」。あああ、全然列が進まないぃぃぃ! 半分キレかかり、半分涙目でようやく自分のバッグをひったくったところで16時20分。搭乗時間です。よし、行けるっ。ところが第2の関門、パスポートコントロールが待ちかまえていたのです!
虚脱状態のマダムにイタリア魂の洗礼
開いているのはたったの2ブース。しかも一つはユーロ人(でいいのか?)専用。ここもズラリ長蛇の列。イライラと待っている間「ヨーロッパ人、もの考えなさすぎ!」と怒りメラメラ。死ぬ思いで抜けると16時40分。ひいい! ダメです! トラヴェジェンヌは走らないなんて言ってられません! 猛ダッシュでゲートへ! 息を切らして駆けつけた先には、大声でおしゃべりをしながらのんびり搭乗していくイタリア人たち。ま、間に合いましたのね! もう顔面蒼白で吐きそうなくらいだけど、本当に助かった・・・。
全力を出し切ったわたくし、シートでは真っ白な灰状態。何をする気も起きず、ただぼんやりと窓の外を眺めて物思いに・・・物思いに・・・う、うるさーい! 周りのイタリア人盛り上がりすぎ! 一人の男性はシートに膝立ちして後ろを向き、別の女性は通路に仁王立ちまでして、四方八方から「オレの、オレの、オレの話を聞け?」。ふだんなら「ふふ、イタリア人たら」と鷹揚に見守れるのですが、いまはダメ。お願いだから休ませて、話しかけないで、中国人じゃなくて日本人だし、キャンディもチョコレートもいらないから!!
トランジットは最低2時間は必要!
以前「手持ちぶさたのトランジットタイム大活用術」で、わたくしったら「乗り継ぎは最低でも2時間は確保して」なーんてアドバイスしていたくせに、まったくなんてザマでございましょう。確かに空港での待ち時間が少ないのはとても効率的に思えますが、それはいわゆる「国内便」での移動に限った方がよさそうですわね。今回、こってりと肝に銘じました。もう二度とこんなストレスフルなフライトは選びませんっ。
こうして満を持して入ったイタリアですが、そこでも思いがけないトラブルが多々待ちかまえていたのでございます。ミスターMの「イタリアの鉄道システムって本当に使えないんだよ!」とのお言葉、聞いていたときは「へ?」くらいだったのですが、紛れもない事実でございました。不肖マダムヨーコ、身をもって実感いたしました! そのお話は次回に。それではみなさま、また1年、ともに旅を楽しみ旅を語らっていきましょうね。Ciao!
タイでスパの快感に開眼されたというH様からのご質問です。「スパに行ってパンツなしでスパを受ける事は、セラピストにとって失礼な事でしょうか? 悩んでます」。いいえ、「パンツなし」、大正解でございます。H様も実感なさったように、全裸で受けるトリートメントの心地よさは段違いですもの! また身体の生理的な反応については、ミスターMいわく「気にしなくてOK」とのこと。相手はプロですものね。H様、ミスターのスパ講座for MENをご参考に、ぜひ次回はフェイシャルにも挑戦してみてくださいね。これまためくるめく世界ですことよ。
五十嵐様からは「国際マナーはどうあるべきか」との、大変紳士かつ真摯なお便りが。長岡で行われたジャマイカロックコンサートで、ロンドンで暮らしているジャマイカ人女性と隣り合わせた五十嵐様。「ひとりでぽつんとコンサートに来た彼女。隣に座った私が話しかけ」、一人でタクシーで帰るという彼女に「自分の車でホテルまで送るよということになった」というのは、いずれも「国際的な儀礼にかなったことだと思う」。ところが車がホテルの玄関に着いた時「なんと私は国際的儀礼にはずれたことをしたのか。というのは、車から降りずに運転席で彼女を見送ったのです」。それは交通妨害を恐れてのことでしたが、五十嵐様は「冷たい人間と思われても仕方がない」と反省しきりのご様子。そんなことはございません! 彼女にはきっと五十嵐様のお気持ちが通じているはずです。日本にもこんなジェントルマンがいること、わたしくとっても自慢に思います! そしてそんな方がこのコラムを読んでくださっていることも。これからも、どうぞそのハートのままの五十嵐様でいてくださいませ。
そして、いつも縦横無尽(?)のテーマで楽しませてくださるH.Y様。年末のお便りにあった「小生はミスター&マダムに、クリスマス前に旅行の夢のプレゼントをいただきました」との一文、どれだけ嬉しかったことでしょう! 1回1回のお便りにお返事はできませんが、いつも届くのを心待ちにしています。H.Y様、そして読者のみなさまの2012年が、素晴らしい1年になりますように!
「Please let me lined in front or I´ll miss my flight!」
「飛行機に乗り遅れるから先に並ばせてください!」という意味のフレーズ。離陸の時間が迫っている! 荷物検査やパスポートコントロールを先にさせて欲しい! という時に叫ぶべし。なみいる外国人を目の前に発するにはやや勇気がいるかも・・・。ラチがあかない時は航空会社のスタッフに助けを求めましょう。
効率とスピードがすべてじゃない
猫も杓子も「効率」「スピード」をありがたがる世の中ですが、それ故に失っているものもあるはず・・・という自戒をこめた格言です。