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どこのホテルを選びますか?
みなさま、ブエノス・ディアス! スペイン帰りのマダムヨーコでございます。プラド美術館に通い詰めた(2回目なんて開館前に並んだんですのよ! なんだか恥ずかしい?)マドリード、エル・グレコよりも拷問博物館で時間を費やしたトレド、そして、ああ、イケメンぞろいのバルにのぼせ上がり、食べ歩きの夜を過ごしたバルセロナ。日本と同じような変な天気で苦しみましたが、それにしても彼の地があれほどの観光地だとは思いませんでしたわねぇ?。
スペインひとり旅悩みどころは・・・ホテル!
「首締め強盗多発」「シエスタ中の一人歩き注意」など、スペイン渡航前の情報収集では恐怖の警告オンパレード。さすがのマダムも、ひとりで大丈夫かとビビり気味でございました。ところが、町中は終日ガイドブックやマップ片手の観光客であふれ、中休みを取らないお店も増えているようでずっと賑やか。大変気楽に過ごせたのでございます。スペイン、恐るるに足らず! しかし今回は、ホテル選びでちょっと考えてしまったんですの・・・。
滞在はマドリード4泊、バルセロナ4泊。途中で周辺都市へ足を伸ばすにしても、基本は市内観光&散策。さて、ホテルはどんなロケーションで決めましょうか。ヨーロッパの多くの都市は歴史的建築物が残る旧市街と新しく開発された新市街とがあり、ホテル選びの第一歩はその選択からはじまります。ですが、これがまた大いなる悩みどころでもあるのです。理想は名所旧跡へのアプローチに便利な旧市街。ホテルも古い建物を利用しているため雰囲気もバッチリ。ところがマドリード、バルセロナともに人気観光都市のため、中心部に位置するハイクラスのホテルは、うっそ?んと言いたいくらい料金が高い!
高い旧市街か不便な新市街か
反対に新市街には、インターナショナルチェーンをはじめとした機能的で手頃なホテルがたくさんあります。かと思うと有名老舗ホテルが、びっくりするような料金で出ていることも。うーん。そこも捨てがたい。同じクラスで選んでも、旧市街と新市街では料金の差は2倍以上。でも、でも、安いからといって、周辺が住宅街じゃ静かすぎるし、日用品補充もままならない。これが新市街の欠点かしら。かといって、値段にこだわりすぎて、旧市街の可もなく不可もないエコノミークラスっていうのもねえ・・・。幾晩も過ごすんですもの。ホテルだって、「ここはスペイン!」的な喜びがなくちゃイヤ! てなわけで、今回はほんとーーーうにホテル選びは悩みましたわー。
最終的に両都市とも旧市街の4つ星に決めました。1人だし、スタンダードシングルならお値段もほんのり涙ぐむ程度。ところが・・・甘かったのでございます。ええ、立地的には大正解。どこに行くにも便利で、早朝から深夜まで1人でブラブラしていても、全く不安なし。バルやレストランもたくさんあって、食事にも苦労しませんでした。何が問題だったのかというと、いちばん肝心なお部屋なのですぅーー。
数千円をケチったばっかりに・・・
チェックインはいずれも日が落ちてからでしたので、最初はわかりませんでした。どころか、バスルームも豪華でシングルにしては割と広めでいいんじゃない、くらいに思っていたのです。んが! 小さな窓の向こうは屋根付きの中庭(というほど広くない。ほんの1畳ほどのスペース)。これは暗い。そしてつらい。お日様の光が全く入らないのですわよ。日中は出かけているからいいのですが、朝が・・・毎朝が夕方のよう。日光で目覚めたいわたくしには大打撃でした。
ああ?、いいホテルを選ぶのなら、なぜもう数千円を惜しまずにデラックスルームにしなかったのか。スタンダードのシングルというカテゴリーは、ヨーロッパの古い建物でいえば「メイド部屋」。だからこその値付けなのです。特に今回はオンシーズンまっただ中。これではたとえ連泊しても、アップグレードという幸運には巡り合えませんわよね。ちょっぴりうずいたケチ魂が、かような結果を生んだのでございました。
改めて知るホテル選びの奥深さ
さて、このスペイン滞在、マドリードの2日間はサン・セバスチャンから帰国トランジットのために移動してきた中目黒マダム夫妻と合流しました。バスクの田舎町ゆえ、同地でショッピング欲が満たされなかった中目黒マダムはフルスロットル! 朝から待ち合わせて、グランヴィアをぐいぐい攻めまくりです。ハッと気がつくとランチタイム。いつの間にか彼女たちのホテルがあるセラーノ通りまで来ていました。「部屋に荷物を置いて、一休みしよう」という中目黒ムッシュウの提案で、ホテルに立ち寄らせていただいたわたくしはボーゼン。
何と、そのホテルは全室スイート仕様&フルキッチン付き。そして料金はマダムのメイド部屋の3分の1! くぅ??。泣けるっ。全体的にやや年季が入っているとはいえ、何の不自由もありません。大きなバスタブ、ビデ、ベランダ、そして朝食は緑あふれるサンテラスで(だそーです)。セラーノ通りから1本入った閑静な住宅街なので、食事や買い物はやや不便ですが、大人ですから惜しみなくタクシーをゲット。これなら旧市街にこだわる理由も無意味です。わたくし、「くつろいでね」と明け渡されたソファベッドで、うらやましさと後悔のあまり涙がキラリ☆ 知らなければ幸せだったのに・・・。
ホテル選びの最重要項目はロケーション。ですが都市や滞在目的によっては、そのこだわりがアダとなることもある。ならばソウルはどうかしら? ホノルルは? 香港は? これまで検討もせずに却下してきたエリアが、実は意外なポテンシャルを秘めているのかも。11月のソウルは(また行く!)、明洞ではなくて江南にしてみようかしら?。スペインへの旅で、ちょっぴりホテルに対する考え方が変わったマダムなのでございました。それでは、みなさま、また来月。Ciao!
サロン愛読者のトラヴェジェンヌのみなさま、いつもお便りありがとうございます。みなさまも、マダム同様ソウルがお好きと見えて、前号のソウルのホテル泊まり比べには大きな反響をいただきました。
「シーラソウルのイケメンスタッフはぜひ拝みたいものです! 食事がまずくても、悪天候でも、イケメンがいれば救われます(笑)」というのは常連の楓様。楓様の定宿はイビスアンバサダー明洞だとか。あそこも便利ですわよねえ。で、すぐ満室になるし(苦笑)。「ここのホテルもまあまあなイケメンスタッフですよ。帰国日、チェックアウト後に荷物を預かってもらう時にイケメンスタッフの時は、心の中でガッツポーズです」。わはは。江南に泊まるとか言ってるマダムですが、思わずイビスに予約を入れそう・・・。
お久しぶりの星野様は、この夏スイス&ドイツへ。「2年前とは比べものにならないくらいの円高」って、ホントにそう! 国内景気にはあまり貢献できないとはいえ、旅行には大助かりですわよねぇ。そして8月はそれまで経験したこともないほど「雨ばっかり+寒かった!」のだとか。気候がおかしいのはもはや全世界的な傾向なのでしょうか。そして9月8日から有料になったESTAの申請について「appleからのメールニュースで知りました。旅行の予定はないものの、有効期間の2年間のうちに行くかもしれないしということで、無料のうちに念のため申請しておきました。appleさんに感謝です」。アップルからの情報を上手に活かしていただいているご様子。やはり星野様は頼もしきトラヴェジェンヌですわね!!
「What´s your recommended XX?」
「おすすめのXXは何ですか?」という意味。何かを決めかねるときや選ぶのに悩んでしまったときに、応対相手にアドバイスを求めるフレーズです。「XX」はdish(料理)、wine(ワイン)、concert(演奏会)、color(色)など、場面に応じて応用可能。コミュニケーションのきっかけにもなる便利な一言です。
ソンとトクは背中合わせ
何事もパーフェクトと言うことはない。ゆえにパーフェクトを求めるあまりのこだわりが、反対にマイナスを引き寄せてしまう・・・こともあるかも!?