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マダムの海外ショッピング・ヒストリー
つい先日まで「あけまして・・・」などといっておりましたのに、桜は散るわ、ゴールデンウイーク突入目前だわ。まったく月日の経つのはアローごとし。ハラリと散る前に、もう一花も二花も咲かせてみたいマダムヨーコでございます。ここのところシビアなテーマが続いておりましたので、今回はちょいと軽めの話題を。みなさま、海外でのショッピングはお好きですか? マダムはもちろんだーい好きでございます。でも、最近何だか、こう、燃えるようなハンティング欲が沸いてこないのですわ。なぜなんざましょうかねえ。
懐かしき1$80円台再来か?
いちばんの理由は円が弱く、お得感が感じられないことかしらん。特にヨーロッパ圏。ユーロもポンドもスイスフランも高すぎっ。お買い物どころか、軽めのランチで3000円くらいかかっちゃったりして。ヨーロッパに滞在していると、お札に羽が生えているのかと思うくらい、すぐなくなりますわね。そのたびに街角のATMへ突進するマダム。うーん。どこでも24時間引き出しができるって素晴らしい。けれど経済的には大打撃。帰国してから通帳記入に出かけ、声にならない悲鳴を上げることしばしばでございます。
ヨーロッパ通貨に対して、やや強気を取り戻してきたのが対ドル。少し前に1ドルが90円台になったとき、あの懐かしき1ドル80円時代を思い出してしまいました。わたくし、当時たまたまハワイに行っておりました(なぜたまたまかといいますと、その頃は「円高=海外旅行のチャンス」なんて小賢しい計算ができませんでしたもの)。そして、もうっ、たまたまプラダでポーチを買いましたのね。たしか800ドル? 娘っ子にとってはまさに清水ダイビング。同行していたボーイフレンドは、「そんな巾着みたいなもんが800ドル? マジ? 信じられん!」と目をむいておりましたっけ。
時代はスーパーブランドからカジュアルブランドへ
そして幾星霜。日本にも当たり前のように世界のブランドブティックが進出し、どうしても海外でなければ買えない品がなくなったとたん、マダムの海外ブランドショッピング熱は、サクッと冷めてしまいました。同時に円がどんどん安くなり、値段もさして変わらない結果に。で、誰もが持ってるから特別感がない。店内のディスプレイも世界中どこも同じで、ワクワクしない。可もなく不可もない接客もツマラナイ。もう、ブランドはどうでもいいやっ。でも、でも、お買い物はしたい。一体どこに行けばよいのよ?。
そこに登場してきたのがMANGOでありZARAだったのですね。これはハマりました。何といっても安い! なのにモードを犠牲にしていない(ってウマい言い方。ハッキリ言えばパク・・)。 そしてサイズ展開が超豊富! UNICLOやGAPだと「大人の女としてどうよ?」的な引きがあったのですが、MANGOやZARAならオールOK! ヨーロッパに行くたびにガンガン買いまくったものです。が! 世界でそれだけ売れているんですのも、日本に来ないわけがないですわよね。両者はいまや女子のワードローブの定番になっております。うう、またしても秘密の楽しみが減ってしまいました。
大人の女性こそ海外でショッピングを楽しんで
とういうわけで近年は、「日本にはまだ進出していない」「安くて面白くてモード系」なお店をチェックするのが、マダムの海外ショッピング道でございます。クールなpromodo、少しアバンギャルドなNOMADO、エレガントなWE、下着なら絶対!のetam、そして全世界を席巻しつつあるH&M。いずれも恐ろしいスピードで商品が入れ替わり、ショップには必ずセール品のコーナーがあるのがミソ。今晩、急にオペラに、なんていうときにもH&Mに駆け込めば、エナメルのバレエシューズからレーシーなドレス、アクセ&クラッチバッグまで一通りそろっちゃって100ユーロ以下。ね、素晴らしいでしょう!
マダムは、大人の女性には特に海外でワードローブを購入することをおすすめいたします。なぜかといえば、海外のショップは「年を取った女性だってかわいらしくしていたい」というニーズにちゃんと応えているからです。どんなキャミワンピだって、しっかり巨大なサイズまでそろっているんですもの。日本はどうでしょう。素敵でオシャレだけど、サイズはティーンレベルのみというショップがほとんどじゃありません? ブランドブティックだって、2サイズが主流。頑張ったって3サイズ展開。何それ? でございます。
安カワショップで海外モードに大変身
外国の街を歩いていると、「日本人ていいもの着てるのよねぇ」とつくづく感じます。でも、やっぱりみんな「同じ格好」なんですのよね。ブランドブティックで、憧れのアイテムを買うのも海外ショッピングの楽しみですけれど、都市部に滞在するなら、街に出てファッションチェックをしてみましょうよ。フランスならティーンズのカラータイツのチャーミングな履きこなし方、イタリアならシニョーラのアクセサリーの使い方、そしてどこまで肌を露出するのが「粋」なのか等々。自分のしてみたいスタイルがわかってきたら、さあ、日本人ルックとサヨナラです。安くてかわいいモード系のお店に飛び込んで、変身してしまうのです。ショッピングの醍醐味って、そんなころにあるような気がしませんか?
ああ、老婆心ながら、ショッピングの際のお約束は忘れずに。お店に入ってスタッフと目が合ったら必ず挨拶すること。声をかけられたら「ありがとう。見ているだけです」ときちんと答えること。小さなお店では、勝手に商品を手に取らないこと。出ていくときにも挨拶を忘れずに。いつもいつも小姑のようにお話ししているトラベジェンヌとしての心得、ゴールデンウイークに旅立たれる方は、ここでもう一度復習していってくださいな。
マダムヨーコは引き続き、みなさまからのお便りをお待ちしております。現在募集中のテーマは「世界の空港のXXスポット」。あなたが知っている、もしくは旅行中に発見した世界の空港の穴場or不思議orキテレツor怒髪天スポットを教えてください。「ここがヘンだよ日本人」海外で見かけた日本人の困った習慣、直すべき態度などをご指摘ください。さあ、常連のみなさま! ずいぶんあちこちの旅をしているのではありませんこと? あなたの体験をぜひ、ぜひ、マダムに聞かせてくださいませ!!
「That´s true, but…」
ブティックで試着室から出てきたら、怒濤のプッシュセールス。「一点ものですよ」「お似合いです」「お買い得です」等々。でも、もうひとつ決め手に翔るときは、このフレーズで逃げ切りましょう。「それは、そうなんですけれど・・・」。butのあとには「小さい」「色が」「高すぎる」など、気になる理由をくっつけて対応します。これは街角の押し売りではなく、きちんと接客してくれるショッピングスポットでこそ活きる会話術です。
海外ショッピングは”迷ったら買え”
明日どころか、もう2度と来ることができないかもしれない旅先の店。買わずに後悔するよりも買って反省するほうがずっと有意義です、という意味。