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ミスターMのおいしい旅の話「次の旅はここへ行け!」
Vol.
94

オトコのトラベルラゲージ:スーツケース編

ミスターMのおいしい旅の話 オトコのトラベルラゲージ:スーツケース編

このところマダムと話す機会があると、話題は自然とスーツケースのことになります。マダムの目下の関心はスーツケースの買い換えについて。どうやらさんざん悩んでいるようで、「ところでミスターは、どんな基準で選んでいますの? 知りた~い!」と矛先が私にも(笑)。ご要望にお応えして、私のスーツケースヒストリーを振り返ってみましょうか。

初めてのお相手はゼロハリ

私が初めて買ったスーツケースはゼロ ハリバートン。あのアポロ11号に搭載されていた「月面採取標本格納器」を製造した、アメリカが誇るブランドです。 大(80Lクラス)、中(カスタムメイド、60Lクラス)、小(30Lクラス)、アタッシェケースと、計画貯金しながら6年程かけてそろえましたねえ。これに統一した理由は、「ゼロはロストバゲージに遭わない」というまことしやかな都市伝説を信じたから(笑)。

往年のゼロはご存じの通りアルミニウム合金のハードかつヘビーなシロモノで、とにかくハンドリングが大変でした。特にヨーロッパでの鉄道移動時。あちらの列車は昇降口のステップが高い位置にあるので、荷物を車内に入れるところからしてひと苦労なんですな。ようやくコンパートメントにたどり着いたら着いたで、今度は頭上のストッカーに持ち上げて収めるという苦行が待っている……。まあ、この欠点を持ってしても、地球を1年に何周もするようなハードトラベラーには申し分のない、愛しいパートナーでした。大切にメンテしながら四半世紀もの間愛用したものです。

カークランドに一目惚れ!

時は過ぎ、アメリカのロングビーチの空港でのことです。1本しかないカルーセルの前でバゲージを待っていた私の前を通り過ぎていったスーツケースに、目が釘付けになりました。色は黒、特に何の装飾も特徴もない、頑健で無骨なイメージの中型ソフトケース。しかし色、形、サイズなどがまさしく私の求めていたものとドンピシャだったのです!

目で追い続けていると、ピックアップしたのは意外なことに20代半ばのブロンド女性。もう迷わずに声をかけましたね (笑)。「それはどこのスーツケース? どこで買えるの?」「カークランド、コストコのよ」。答えを聞いた私は、すぐさまコストコ会員の友人を引き連れてコストコへ。そう、カークランドはコストコのオリジナルブランドなのですな。実物をチェックしてみると、う~ん、コレはイイ!

素材、耐久性、収納力をチェック

ボディは軍用素材として開発されたバリスティックナイロン製で、エクスパンダブル(2.5インチ拡張ファスナー付き)仕様、信頼のYKKジップ、外側にポケット収納、中付けタイプの取替え可能な2輪キャスター、長めのプルドライブハンドルと、ことごとく私の理想が実現されていたのです。そして、お値段は100ドルちょっと。ま、よくいえば、トゥミの 超お手頃版ですかね(笑)。もちろん即買いです。一緒にいた友人もつられて買ってしまったほどの逸品でした。そしてなんと、このカークランド、15年を超えいまだに私の相棒としてハードな旅に絶え続けているのです。

私がこだわったポイントは、まず素材、耐久性とスマートな収納力(エクスパンダブル)。当時はまだポリカーボネート素材が一般的ではなかったため、スーツケースはソフト素材の方が圧倒的に軽かったのです。またキャスターは中付けの2輪が個人的にベスト。キャスターは最も破損しやすい部分ですし、1つ壊れただけで使い物になりません。ヨーロッパの石畳なんか大打撃ですよね。それを考慮すれば、外に出っ張っているタイプより中付けの方がより強靱だし、何よりもあの出っ張ったデザインに美しさを感じないんですなあ、私としては(苦笑)。

意外と重要なキャスターとハンドル類

また2輪を選ぶのは、プラットホームや電車内などで勝手に動くのを防ぐためでもあります。今はストッパー付きのものも出てきたようですが、私はスーツケースを「押して歩く」ハンドリングはしないため、可動域が狭くても構わないのです。その代わり、プルドライブハンドルは重要。引いて歩く時体にぶつからないくらいの適度な長さが欲しい。この点に関しては国内メーカーのものは意外と短いので、つい外国製に目が行ってしまいます。また内部にも余計な 仕切りは不要。フラットなオープンスペースになっているものが一番使いやすいと思います。全体的にシンプルな方が飽きません。

カークランドは内外共にほこりや汚れがつきにくいのも気に入っていますが、弱点は水。撥水加工とはいえ、スコールに遭ったらファスナー部分などからじわじわと浸水してくるし、ポリカーボネート素材のように水に浮かないので、万が一の時は悲惨なことに……。また防弾性能素材といっても、ボディ部分(人間でいえば内蔵の部分ですね)への真上からの衝撃には弱いのです。私は外付けポケットに新聞や雑誌などを入れたり、しわになりにくいジャケットを畳んで収納したりして、少しでも打撃を緩衝する工夫をしています。

旅のスタイルでスーツケースを選ぼう

もし、スーツケースを選ぶのに迷ったら、まずは自分の欲しいものを具体的にイメージして探すことですね。年に1、2回しか旅行をしないとか、常に高級ホテルしか使わないという人であれば、予算に糸目をつけず、高級有名ファッションブランドのものを買うのも一つの手。その程度の使用量ならさほど傷つくこともないし、飛行機やホテルでも丁寧に扱ってくれます。しかも「お金持ちのゲストだ。今後の上客になってくれるかも」と誤解され(笑)、サービスも慇懃になる可能性がなきにしもあらず……です。

一方ハードに旅をする人は、もう少し機能性の方に重きを置いた方がいいですね。先にも書きましたが、ヨーロッパの石畳なんかすぐキャスターがダメになるし、各種ハンドルも壊れやすい。ブランドで選ぶならリモアやトゥミなど、アフターケアが万全なバッグメーカーのものがやはり安心です。難点は高価なことかナ。女性であまりワイルドなタイプはちょっと……という場合は、デザイン性を優先してもいいでしょう。すぐに壊れてしまうかもしれないけれど、安くて可愛らしいファッションアイテムとしてお供にすれば、旅もまた楽し、です。

スーツケースのデザインや性能は時代と共に進化しているようで、今ではスタイリッシュで機能的なスーツケースがどんどん登場しています。しかし私はまったく興味なし! もはや古参となった カークランドで十分使えるし、この先も壊れる気もしないんですなあ。私のものは初代ですが、ロングセラー商品は何でもそうであるように、初代が一番シンプルかつスタイリッシュで頑丈ですよ。なんて、ちょっぴり自慢です(笑)。もしかすると残りの人生、このパートナーと添い遂げるかもしれません。

花鳥風月

スーツケースのお手入れ&カスタマイズ

頻繁に旅に出る私ですが、スーツケースは帰宅するたびに必ず中身を全部出し、半日から1日ほど陰干しをしてからしまいます。定番アイテムは入れっぱなしという人もいるようですが、内部を常に清潔に保ち、旅ごとの携行アイテムの取捨選択やパッキング術の向上などのためにも、荷物はやはりイチから詰めなおしたいもの。また長く美しく使うには、外観にも気を付け、ステッカー類はすぐに剥ぐようにしましょう。

空港でのラゲージピックアップの際、似たようなスーツケースの中から自分のものをすぐ見つけるために、自分なりのアレンジをしておくといいでしょう。ロストバゲージ防止法のコラムでも紹介しましたが、異素材で2つ以上のネームタグをつけておく、ボディにマークやイラストをペイントするなどなど。そして出発前には外観を写真に撮り、スマホに保存しておけば個体識別のための手助けになりますね。

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