アメリカン・エキスプレス
ミスターMのおいしい旅の話「次の旅はここへ行け!」
Vol.
80

こんなホテルに泊まりたい!

ミスターMのおいしい旅の話 こんなホテルに泊まりたい!

時代とともにホテルのデザインやコンセプトやサービスは変化していきますが、みなさんはどんなホテルに感動しますか? 名声もお値段も素晴らしい1軒だけど、実際泊まってみたら「こうだともっといいのに!」と残念に思ったこともあるのでは。快眠を約束してくれるコンフォートベッド、使い勝手のよい美しいバスルーム、居心地のいいリビング。これら3元素が美しく快適に調和した空間、それこそがホテルの客室の理想だと以前書きました。今回はホテルの設備や施設にも目を向けてみたいと思います。

クローゼット&バスアメニティにひと言

客室のライトやバスルームに関しては「近頃ホテルに思うこと」の回でしっかりもの申しましたが、それ以外ではこんな点はどうでしょう。チェストがない部屋。うむ、困りますねえ。1泊で移動という、アンパックする暇がないほど多忙なビジネストラベルならともかく、3泊以上するならやはりチェストはほしいものです。反対にあればいいってもんじゃないだろうと思うのが、この頃よく目にする、ハンガーを前後に重ねていく式のクローゼット。スペースの有効活用はわかりますが、とにかく使いづらい。さらに、盗難防止のためですかね、ハンガーがすぐ外せないようになっていたり、クローゼット自体の高さがないのも論外です。せっかく収納した衣類の裾がぐしゃぐしゃ……なんて、これはもうクローゼットとは呼べないシロモノでしょう(笑)。

もう一つ気になっているのが、バスアメニティ類のレベルが下がってきていること。完全な「消耗品」であることから、環境保護意識やエコ志向の大義名分と節約が相まって、おそらくこうした部分から、まず経費が削られていくのでしょう。もちろん、エコノミークラスのホテルなら文句は言いますまい。しかし自他共に認める5★以上なら、そこはそれ。よりこだわってほしいじゃあありませんか。たとえばカナダを代表するホテルブランドのフェアモントでは、バスアメニティに基本セットのフレグランスタイプの他、アレルギー対応の香料フリータイプ等を用意し、ゲストのパーソナルなリクエストに対応しています。人間の体にいいものはきっと環境にだって優しいはず。フェアモントのように上質なプロダクツを使うことで、環境保護にもつながると思うのですがねえ。

気概が問われる備品

バスアメニティだけでなく、ステーショナリーなどの細々とした備品もまた「消耗品」。それだけに、どうしてもクオリティを落とさざるを得ない部分があります。実はその備品へのこだわりこそがクラス感を演出していることに、意外とホテルサイドは気がついていないんですな。レターヘッドのクオリティや、メモをしようとふと手にしたペンがちゃちなプラスチックのものか、きちんと持ち重りのするものかで、ゲストの気分はぐっと変わってくるはずです。持ち帰られても仕方ない、けれどもセンスもクオリティも妥協しない。高級ホテルにはそういう気概を持っていてほしいですね。ちなみにアイテムによっては持ち帰り不可のものもありますし、料金を請求されることも。ゲストルームにあるものはなんでも「記念品」ではありませんので、くれぐれもご注意を。

期待のダイニングと不満のスパ

レストランやバーなどのいわゆるF&B部門は、期待に応えてくれる店舗がどんどん登場してきているように思います。私が特に注目しているのは、ロンドンの素晴らしい進化とシドニーの充実ぶり。いずれもカジュアルに使える魅力的なオールデイダイニングが増えているので、夜遅く到着し、疲れて外に出て行く気にならない時は実に重宝します。落ち着いて過ごしたい時や年配者、子連れの時も気軽に足を運べるのがいいですね。ホテルのダイニングは長いこと「敷居も料金も高い」というイメージでしたが、昨今のF&Bは外敵(?)の進化に刺激されてか、コンセプト自体から著しい革新進化を遂げているようです。さすがホテル! サービスは常に安定していますし、お値段もgoodコスパと納得。ガイドブックに載っている有名店に繰り出すのも結構ですが、ホテル内でもそれに負けないくらい美味かつ素敵な時間が過ごせますよ。ビジネス接待やデートはもちろん、ひとり旅での安全で快適な飲食施設として、ぜひ積極的に利用してほしいと思います。

一方、全体的に不満なのがスパ。まだまだ高い。そしてその料金に見合うだけのレベルに達していないサロンが多すぎます。そんな中、私は今までに二人のゴッドハンド、マジックハンドと呼べるセラピストに出会いましたが、まあ、こればかりは個人個人の感覚なので、自分で体を張って(笑)、コツコツ探し続けるしかないですかねえ。また体を動かすことはジェットラグ解消にも効果がありますので、長時間飛行機に乗るような旅の場合は、体調管理のためにホテルのスポーツ施設やプールやジャクージなどのリラクゼーション施設の有無、営業時間にもちょっと目配りをしておくといいですよ。水着くらいならそうかさばりませんから、常にスーツケースに入れておくことおすすめします。

ゲストを感動させる真のサービスとは

最後に、私が「これだ!」と感心したサービスのお話を。ジャカルタのホテルでのランドリーサービスです。ランドリーは通常デイタイムサービスです。急いでいる場合、数時間で戻ってくる「エキスプレス」というシステムがありますが、よ~く考えてみてください。その服が必要なのは、まさにその時間帯なんですよね。そのジャカルタのホテルでは、夜10時に出して朝の8時に仕上がるというサービスをしていました。これぞ誰もが望み、誰もが必要としている「真のサービス」ではありませんか。とりわけビジネスマンには大助かりです。費用の問題ではなく、価値あるサービス、意味ある付加価値とは、こんなサービスと思うのはきっと私だけではありますまい。

貴重な時間とお金を費やす海外旅行で、ホテルはただ眠るだけの場所なんてもったいない。機器・設備、施設、サービスなど、いろいろな部分にも好奇心の眼を向けて、積極的に利用してみてください。ホテルで過ごす時間が充実すればするほど滞在は快適になりますし、ホテルそのものの深~い魅力にも気づかされるはずです。そうした経験を重ねていくと、いつか必ず「こんなホテルに泊まりたかった!」という1軒と出合えることでしょう。これもまた旅のかけがえのない楽しみの一つです。

花鳥風月

花鳥風月/WIFIは当たり前、問題は……

一昔前には、ハイスピードインターネット対応=LANケーブルでした。が、この数年のスマホ、タブレットの進化・浸透でいまや世界中のどんなホテルでも、WIFIが完備。しかも無料というところが増えてきました。問題はそのスピードです。自慢げにWIFI可を謳っていても、速度が遅ければ全く意味ナシ、です。地域的なインフラ整備の差もありますが、都市部でもハイスピードに対応していなかったりすると本当にストレスがたまります。

ところで「WIFIの不思議」は、高級ホテルになるほど有料で、しかも利用料が高いということ(笑)。おまけにリゾートフィ徴収ですって!(怒)。いろいろと事情はあるのでしょうが、電話のような設備投資は不要なはずですから、何だか納得いきませんよね。まあ、その電話も、携帯電話やスマホの普及にともない利用する人が激減中とか。もともと料金設定が高すぎですから、これはある意味自然の摂理でしょうなあ。そのためホテルによっては外線はなし、館内通話のみというケースも出てきました。やがてゲストルームから電話機やリモコンが姿を消し、電気もテレビも空調もこれ一つというタブレット端末のみになる日も、そう遠くはなさそうです。

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