アメリカン・エキスプレス
ミスターMのおいしい旅の話「次の旅はここへ行け!」
Vol.
71

父親が語る「子連れ旅」その2

ミスターMのおいしい旅の話 父親が語る「子連れ旅」その2

みなさまからのリクエストに応えてお送りしている「子連れ旅」特集。ファミリートラベルの達人 S氏によるおすすめデスティネーションは「東南アジアのビーチリゾート」、ロケーションは「オンザビーチ」、宿泊するなら「プール付きヴィラかトータルリゾート」というのが前回の趣旨でございました。引き続き、子連れ旅のノウハウについて、S氏にお話をうかがいます。聞き手は、みなさまのマダムヨーコでございますわよ~ん。

旅行前の保険加入はマスト

子連れで海外に行く際は、事前に必ず旅行保険の類いに入っておくべきですね。こればかりは予測不可能。何が起こるかわかりませんから。そして常備薬も忘れずに持参する。子供に何らかの持病がある場合は、行きつけの病院で英語の処方箋(薬のものも)を書いてもらっておくと安心です。そして現地で怪我や病気をしたら、まず、保険会社に電話をします。そして日本語対応のできる医者を紹介してもらう。保険に入る理由は、まさにこれ。日本語で状態を説明でき、英語の処方箋があれば、いざという時に慌てなくてすみます。

飛行機での過ごし方

子供を連れての長距離フライトなら、夜間便をおすすめします。飛行機に乗るまでは、とにかく寝かさないように工夫をするんです。できるだけはしゃがせ、疲れさせておく。そうしておけば、シートに座ってハイテンションになるのも一瞬。あっという間に眠ってくれるはず(笑)。狙い通りに眠ってくれなくても、今はパーソナルモニタ付きの機材が多いですからね。アニメやゲームなんかのキッズメニューがあれば、子供は大満足ですよ。でなければ、お絵かき帳や塗り絵といった、クリエイティビティのあるアイテムを用意していくといいですよ。機内サービスでおもちゃをプレゼントされることがありますが、あれはいまいちですね。子供は変化のないものには結局飽きてしまいますから。

飽き対策としてポータブルゲーム機持参を推奨する向きもありますが、私は反対です。親子で過ごすために行くのだから、海外までゲームを持っていく意味はないじゃないですか。ゲームをするなら飛行機の中だけ、そして機内にあるものを利用するだけで十分でしょう。子供を黙らせるためにゲームを持たせるなんて、親としての努力を放棄しているのと同じことだ思うんですよ。旅の間は、面倒くさくても大変でも、しっかり子供と関わり合うべき。特に働いている親は、子供と24時間みっちり関わる機会がほとんどないですからね。同じ目線でものを見て一緒に遊ぶ。そうでないと子供は絶対に楽しくないんです。

飛行機のシートは前後に分かれよう

飛行機のシートは、前後列に分かれるように設定するのがベストです。小さな子供は落ち着きがないので、テーブルをバッタンバッタン動かしたり、前のシートを蹴ったり、時には前の席の人にちょっかいを出したりする。一緒にいてハラハラし通しです。前の席も家族なら、何かあってもそうそうトラブルに発展することはありません。一般的には、真ん中のブロック横一列を希望する家族連れが多いようですが、前後に分かれた方が親の精神的負担は軽いですよ。これは事前に航空会社にリクエストしておくのがいちばんですが、希望通りにならなかったら、当日、飛行機の中で隣人に席替えをお願いしてみましょう。難しいかもしれませんけれど、あくまでも周りに迷惑をかけないため、という態度でね。

そもそも親子の旅とは・・・

子連れ旅の心得は「子供優先」「子供と一緒」。これに尽きるんじゃないかなあ。親の楽しみは後回しだし、文句を言ってはだめなんです。ハナから、自分は楽しめないものと心得るべし(笑)。そして子供は、ただただ遊びたいだけ。世界遺産だの町歩きだのカルチャー、買い物、食べ歩きはま~るで興味なし! ある程度の年齢にならないと、そういう楽しみは共有できないし、はっきり言って連れて行く甲斐もありません。子供なんて近場の遊園地で十分楽しいんですからね。無理に海外に連れて行って、買い物だ、観光だと引き回しても子供はぐずるし、大人も疲れる。結局、両方ともしんどい思いをするだけなんです。

子供を海外に連れて行くメリットは、異文化を受け入れる柔軟性、知らない世界に目を向ける好奇心、異質なものを受け入れる寛容さ・・・そういう、心を大きく成長させる機会を与えてやることに他なりません。とはいえ、10歳まではあまり記憶に残らないので、いくら外国に連れて行っても場慣れもしないし、学習もしない。ひたすら遊ぶのみですから、国際人教育の場だなんて高尚なことは考えない方がいい(笑)。その意味でも、非日常体験と遊びたい心の双方を満足させてくれる東南アジアのビーチリゾートは、子連れ旅のファーストステップとして最適なデスティネーションだと思いますよ。

子連れリゾートライフは「夜早く朝早い」

子供がじっとしていられない年齢の時は、大人のエンターテインメントに連れて行くべきではありません。代表的なのがディナーショーの類いですね。同行しても、せいぜい昼間のカジュアルな雰囲気のもののみにしましょう。トワイライトから夜は大人の時間ですからね。自分たちがよくても、他人に迷惑になることを考えないと。だれもが楽しみで来ている海外旅行を、だめにする権利はない。子連れだからというエクスキューズはききませんよ。夜遊びなんて考えず、子連れリゾートライフは「夜早く朝早い」を原則に。早起きして散歩して、一日中一緒に遊んで一緒に寝てしまうこと。先にも言いましたが、親子が密着して過ごすなんて、こういう時でしかできないでしょう。

ベビーシッターを使って大人の時間を

それでも親にだって楽しむ時間がほしいというのであれば、子供を寝かしつけてから、夫婦二人だけの時間をつくるべし。ワインを飲みながらおしゃべりしたり、一緒にプールに入ったりね。ヴィラの良さが生きるのは、こういうシチュエーションです。普通のホテルルームでは、そばで子供が寝ているので「いい雰囲気」にはなりにくいですもんね(笑)。外出したいなら、昼間でも夜でも、どんどんベビーシッターを頼みましょう。子供が寝ている間のみのシッターだってリクエストできますからね。言葉が通じなくて心配? 子供は言葉なんか通じなくても大丈夫。あっという間になじんじゃいますって。それに、ベビーシッターなんて、日本ではめったに雇わないでしょう。これぞ、海外でしかできないこと。親にも子供にも異文化体験てヤツじゃあありませんか(笑)。

あと、乱暴なことをする子供は、どんな場合でもきつく叱ってやめさせる。子供がすることだからと大目に見ていると、とんでもないトラブルに発展する場合があります。子連れのリゾートライフは、まず大人がルールとマナーを理解して、手本を示すことが肝心です。とりわけダイニングやプールの使い方は、念入りに確認しておくに越したことはありません。

一度はしてみたい父親と子供の二人旅

家族の旅もいいけれど、子供が高校に入る前くらいに父と息子、もしくは父と娘で二人旅をするのもいいですね。これがまた家族でする旅にはない、濃密で感動的な時間になるんですよ! 母親がいると子供って、どうしても甘えてしまうものですが、父親と二人きりとなると「わがままが言えない状況だ」と本能的に察知するんでしょうかね(笑)。けなげに親を支え、ちゃんとした「旅のパートナー」の役割を果たしてくれるんです。この場合、父親はあれこれ口を出しすぎないように気をつけること。そしてホテルの中、客室内やダイニングだけでもかまわないので、子供自身にある程度の責任を持たせ、一人で過ごす時間を与えてやるのがポイントです。父親が用足しなどで外出しなければならない場足は、前もってホテルのスタッフやコンシェルジェにその旨を伝え、フォローとサポートを受けられるように手配しておくことを忘れずに。

家族連れにしろ、父親との海外二人旅にしろ、旅先で生まれる親子の絆は、何にも代えがたいものです。その体験が強烈であればあるほど、思い出は深く、また、たとえ帰国後すぐにはわからなくても、ある日必ずやあなたは我が子の心の成長ぶりに目を見張らされることになるでしょう。子供が子供でいる時期は、ほんのわずか。どうぞ、艱難辛苦を乗り越えて子連れ旅をお楽しみください!

花鳥風月

みなさま、いかがでしたかS氏のお話。マダム、親子二人旅のくだりでジ~ンとしちゃいましたわ。さっそくミスターにその感動を伝えたところ、S氏の挙げた条件にピッタリのリゾートをピックアップしてくださいました。子連れ旅をお考えのみなさま、ぜひご参考に!

The Dusun/バリ
これぞパーフェクトなプライベートヴィラ。プールは浅瀬が設けられており、飛び込んで遊ぶのに十分な深さと広さあり。オープンスタイルのダイニングに振り分けの寝室など、親子でも夫婦だけでも、それぞれの時間が楽しめます。バトラーも頼もしい存在で、クタ周辺はシャトルサービスも。ビーチは徒歩5分、自炊もOKですが「出前」も可能と、滞在に不自由なし!

Ayana Resort And Spa/バリ
日本人に人気のジンバランで圧倒的な支持を受けるトータルリゾート。バラエティ豊かなプールにダイニング、広大な敷地内には盛りだくさんのアクティビティも。客室はホテルタイプとヴィラの双方があり、予算や人数に合わせて選べるのも魅力です。クラブフロアもありますが、専用のレセプションやプールまで完備しているヴィラは、同じ敷地にあっても別世界の趣。おすすめです!

Centara Grand Beach Resort Phuket/プーケット
カロンビーチのビーチフロントを占有する大型トータルリゾートで、カラフルなデザインが楽しい。特にプールは子供向けのアクティブなものがズラリ。ダイニングもカジュアルで気軽に利用できます。客室はホテルタイプとヴィラタイプがありますが、ヴィラは常に満室という人気ぶり。日本人ゲストが少ないのもポイント。大人はゆっくり、子供は大はしゃぎで終日遊べるリゾートです。

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