コンシェルジュは、旅先の頼れる知恵袋
ホテルの大小を問わずゲストサービスを重視するホテルには、基本的にコンシェルジュが待機しています。専門職のプロあり、フロントを預かる有能なスタッフによる兼任あり。有名ホテルの中には、黒服にコンシェルジュの襟章を付けた誇り高いベテランの名物コンシェルジュが、デスクを24時間体制でとりしきっているところもあります。
もともと「コンシェルジュ」は、フランス語で「アパルトマンの管理人」だったそうで、20世紀初頭のヨーロッパのホテルでは、ゲストを迎える門番がこう呼ばれていたそうです。勝手のわからない土地で頼りになるのは、このコンシェルジュ。管理だけでなく、しだいに様々な要望を満たす役割を担うようになっていったのが、今日の原型となったわけです。
そんなコンシェルジュは、あらゆる情報に通じ、幅広いコネクションを持つ、頼れる知恵袋のような存在。「あのコンシェルジュがいるからあのホテルに行く」という上得意を長年ガッチリつかんでいます。ですから、たとえホテルの総支配人が代わっても、コンシェルジュが代わることはまずありません。むしろ、賢い経営者なら決して手放しません。彼らの知識・知恵・人脈はホテルの財産であり高付加価値。余人をもって代えがたいものなんですね。
こんなこともしてくれるコンシェルジュ
旅先で、調査、案内、予約、購入、旅行プラン、手配等のあらゆる旅のお手伝いをプロフェッショナルにしてくれる、便利でモノ知りなお客様係、それがコンシェルジュです。コンシェルジュが引き受けてくれる仕事は、下記のように多岐にわたります。
・「ドミンゴのコンサートの予約をしたい」「NBAのチケットを買いたい」「ミラノからパリまでの国際特急列車の予約をしたい」「ポール・ボキューズのレストランでディナーの予約がしたい」といった予約系
・「ホテルの周りのジョギングコースを教えてほしい」「主要な名所旧跡を2時間でまわる、コンパクトな観光コースを組んでほしい」「日本語が通じる専門病院が知りたい」「これはどこで売られているか知りたい」といった観光案内系、
・さらには、「予算150ドル程度で、取引先の社長にはバーニーズでネクタイを、その秘書には花束をきれいにパックしてメッセージカードを付けて、明日の朝9時までに部屋まで用意して欲しい」などなど!
みなさんも、ちょっとしたことでも、気兼ねなくたずねてみてはいかがですか?滞在の快適度がぐんとアップしますよ。
コンシェルジュとのスマートな付き合い方
コンシェルジュがしてくれる各サービスには、特に料金表はありません。サービス料金は、実費以外に相応のチップをもって支払います。チップの目安は、1ドル程度(お札)から上限は特にありません。要は「何をしてもらったか?」「どのくらい困難なことを依頼したのか」プラスあなたの満足度、感謝度がバロメータです。
タクシーを呼んでもらっただけならば1ドルでOKですが、自分でやったら満席と断られた3星レストランの予約をしてくれたなら、10ドル以上の価値があるでしょうし、プレミアムの付いたコンサートチケットをグッドシートで確保してくれたなら100ドルかも。
臆せずいろいろなことが頼め、相応なチップが払えるようになったら、あなたも旅の上級者の仲間入りです。まずは、レストランの予約からお願いしてみませんか?
ホテルの賢い使い方 おすすめ記事
-
【コラム】私が見たアメリカのホテル 「ホテル化されるオフィスビル」
(2024/06/30)
-
【コラム】マダムヨーコの辛口旅サロン 「「場慣れ感」演出で脱!海外での悪目立ち」
(2018/3/28)
-
【コラム】ミスターMのおいしい旅の話 「「開けた秘境」ブルネイを行く」
(2017/10/11)