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パリCDG空港からイージーバスに乗る
みなさま~、無事にパリから戻ってまいりましたマダムヨーコでございます。しかし、なんということでしょう。気がつけば今回が2015年最後のコラムなんですのね! よかったことも、残念だったことも、ゼ~ンブまとめて、どうかよいお年取りになりますように!
空港からサンジェルマン・デ・プレ、便利なのは?
出発前にミスターからも「緊張感を忘れないように」と、いたくご心配いただいたパリ訪問ですが、テレビに映る物々しい警戒はどこのことかと思うほど、左岸にはいつもの光景が広がっておりました。人気ビストロには長蛇の列、カフェのテラスは深夜まで満席。確かに観光客(特に日本人)は減っておりましたが、その分どこもかしこも中国人団体だらけ。爆買いテロに屈せずなのですわね~。ある意味非常に頼もしかったのでございます。
さて今回は、空港から市内へのアクセスとして、新登場のイージーバスを利用してみようというのが、わたくしの個人的なミッション。オペラ座やモンパルナス界隈のホテルなら、エアフラやロワシーのバスが便利なのですが、滞在するサンジェルマン・デ・プレとなると、ちと不便。いちばん早くて手頃なのが鉄道B 線……なのですが、ご存知のように最もトラブル報告が多いのがこの方法。しかも、このテリブルな時期に鉄道を利用するのも気が進みません。
安くてフレキシブルで安全なイージーバス
あれこれ悩んでいる時に見つけたのが、LCCのイージーエアが運営するシャトルバスだったのでございます。ルートは空港2Fの5番出口とコメディ・フランセーズ前アンドレ・マルロー広場の往復のみですが、地図を見れば、ルーヴルを超えてセーヌ川を渡れば、あ~ら、すぐ左岸じゃないですの~(って、これが甘かった!)。16人乗りの小型バスで飛行機同様、日時で料金が異なります。最安は2ユーロから(ひえ~!)。わたくしは往復で購入し合計11ユーロでございました。
そして到着日。予約より1時間半早く乗り場に行くと、係員が「今日はバスが遅れているんだよ」。ああ~、そうでした。COP21の影響で交通規制が始まっていたんですのね! 待つこと40分。わたくしはそれでも予約時間より早い便に乗せてもらえましたが(こういう融通が利くのもいいところ)、同乗の韓国人の女性は1時間以上待ったのだとか。道路事情に左右されるのがバスの弱点ですわね。
徒歩でのルーヴル&セーヌ越えは意外とタイヘン
アンドレ・マルロー広場間では約50分。車中も快適です。しかしながら、途中でサン・ミシェル大通りを走っているのに気がつき、「降ろして! ここからなら歩いてすぐなの!」と心の底から思ったわたくし。実際に便利な場所で「降ろして欲しい」と頼んだ旅行客もいたそうですが、ドライバーはひと言「ノン!」。はいはい、そりゃそうですけどね……。
グーグルマップで調べたホテルまでのルートは徒歩約15分。「イケる!」と思いますでしょ。ところが! すでにウィーンから持ち込んで来た荷物は20キロ、下はデコボコの石畳、地図で見るよりドデカイ区画、そして冷たい風……。初心者でもあるまいに、見通しが超甘過ぎですわよマダムヨーコ! 挙げ句の果てにフランス学士院前で道に迷い、ヨレヨレになってホテルに到着したのは50分後。まっ、歩くのも楽しかったですけどっ(涙目)。
荷物がある時はホテルからタクシーで
一段落したわたくし、すぐに帰路について考えました。もう徒歩はカンベンに決まっています。となると地下鉄? オデオンからシャトレ経由でミュゼドルセーか。ん~、遠回りだし、何しろパリの地下鉄はほとんど階段のみのオニ構造。20キロオーバーのスーツケースを運ぶ自信はありましぇ~ん。じゃあ、近いけどやっぱりタクシーか。拒否されないかしら?
安心してください。ちゃんとホテルで呼んでもらえましたわよ。しかし、夕方の渋滞でなかなか進まず、心なしかメーターが上がるスピードも早いような。セーヌ通りからアンドレ・マルロー広場まで13ユーロ弱……は、高いのか、安いのか。でも、もういいんです。楽チンに帰りたいだけだから!
大都市空港へは早く着いて困ることなし
そんなわたくしに、最後の難関が待っていました。帰路も予約より1時間前のバスに乗せてもらえたのですが、空港が近づくにつれ、ドライバーが電話で慌ただしくやり取りしだしたのです。どうも空港へ入る高速が封鎖されているらしい……。車はどんどん郊外へ出ていかざるを得ず、「どーすりゃいーんだー!」とドライバーはブッチギレ。ついに走りながら窓から顔を出して隣のタクシーに相談し、たいそうなUターンを経て、ようやく空港にたどりついたのでした。
その間の、車内の凍りついたような静かさといったら! 私は十分に時間に余裕があったので「なんとかなるでしょ」的なノリでしたが、もしチェックインギリギリだったら……。やはり大都市の空港へは早め早めに移動して間違いありませんわね~。今回もしっかり身にしみました。さて、いろいろな事件や事故で海外旅行への不安が募る昨今ではございますが、みなさまの来年の旅が、何事もなく安全でハッピーなものになりますように。心からお祈りしつつ、次は新年にお目にかかります。それでは、Ciao!
みなさま、2015年度もたくさんの楽しく素敵なエピソードの数々、ありがとうございました。本年最後のお便りは、「クィーンエリザベス号のしょぼいカジノとしょぼいショーにガッカリしたので、リベンジでラスベガスへ行ってきた」増田様からでございます。厳しいドレスコードなし、クオリティの高いショー、治安のよさで「テーマパークの中にいるようでした!」と大満足のご様子。カジノは負けちゃったそうですが、ま、それもご愛嬌。こういうお便りをいただくと、わたくしも「一生に一度はラスベガス!?」と思いますわねえ~。
増田様、ご常連のトラヴェジェンヌのみなさま、そしてこれからお便りをくださるであろうみなさま、今後もマダムヨーコの辛口サロンをどうぞよろしくお願いいたします!
「I didn’t know that.」
「そうとは知りませんでした」という意味のフレーズです。交通機関がストップしている、休業日でないのに店が閉まっている等々、さまざまな想定外の出来事に遭遇して理由を知った時のリアクションに使えます。
よくも悪くも現実は想像を超える
事前にどんなに情報収集しても、目の前の現実はその通りにはいかないもの。その場その場で常に思考を修正しながら、ベストの行動を見つけましょう。