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台北郊外ぶらり旅~九分・基隆編
な、な、な、なーにが「今年の夏は過ごしやすいカモ」ですかっ。残酷なまでの陽射しとどしゃぶり、そしてミョーな涼しさと、売れっ子ホステスなみに気まぐれかつデンジャラスな日本の夏。そんな異常気象でヘトヘトになっていたにもかかわらず、さらに「あそこの暑さはハンパねえ」と友人知人に口々に忠告されていたにもかかわらず、マダムは盛夏の台北に行って参りましたわよ?。
羽田行き電車が24時間運行じゃないなんて!
今回はどうしても時間が捻出できず、2泊3日というマダムにとっては久々の強行軍。ならば現地での滞在時間をめいっぱい確保しようと、往路羽田発7時10分の早朝便をチョイス。これなら到着日からたっぷり遊べるざます?。と、してやったりな気分を暗転させる、フライト2時間前チェックインの掟。ううむ。飛行機は飛んでいるのに、電車は動いていない。国際空港とエバるなら公共交通機関もそれに合わせて運行せんかい!
「空港で夜明かし」「周辺ホテルで前泊」などあれこれ思案しましたが、結局は同行の二子玉マダムが赤くてとっても車高が低?い愛車を出動してくれることで決着。もちろん、わたくしは前夜から彼女の家に「来ちゃった・・・」(古い)作戦です。
わたくしたち、その昔ハワイで帰路ピックアップ午前3時というツアーに参加しており「寝ないで行っちゃえ、どうせ飛行機の中で爆睡さ」作戦を展開したところ、アルコール度数が上がりすぎて1時半に撃沈。ガイドのオロオロ声で起こされ、何とかかんとかバスに乗れたという手痛い過去がありますの。ゆえに、今回は慎重を期してビールは1本、22時就寝と誓い合っておりました。しかし現実は修学旅行中の中学生状態。起床時はやっぱりフラフラで、まだ暗い環七を羽田に向けて走り出したチームろくでなしなのでした。
荷物を置いたら、そのまま九分へ
到着は松山空港。これがまた市内中心部までタクシーで約500円と、実にナイスロケーション。ホテルに荷物を預けた時点でまだ午前中という素晴らしさ。初日のメインイベントはバスにて九分へ。以前訪れて、その風情にゾッコンLOVEしてしまったという二子玉マダムの熱いリクエストでございます。
バス乗車場は忠孝復興駅前。地下鉄の1番出口を出てちょいと歩いたところにございます。目印は1026番「金瓜石」の表示。すると、大変チャラい風体の青年が「日本人? 九分?」と寄ってきます。こ、これはウワサに聞く白タク勧誘か? バリア発動! 毅然と「バス!」と答えると「オウケ?イ。ここ。これ(とルート図を指さしニコッ)」。はあっっ!! あなたは心優しいガイドさんでしたかっ。すまないお兄ちゃん、ものすごく感じ悪い態度で・・・。でも、その超ラフな服装とウチワは残念すぎるアイテムざますよ!
のんびりお茶を飲んでもまだ終わりじゃない
さて、台湾に旅した人の話によると、この地のバスは相当に運転が荒く、普通1時間かかる距離を20分で走破したという、にわかには信じがたいようなエピソードが。マニラやソウルで恐ろしい乗車体験のあるわたくしもドキドキです。しかし、我々が乗ったバスのドライバーは、いたってのんびり安全運転。およそ1時間20分で目的地に到着いたしました。降車場所は、ご存じのように「九分」ではなく、その先の「舊道」バス停。観光客はほとんどここで降りるので焦らなくても大丈夫ですわよ。
基山街を練り歩き、臭豆腐やイカ団子を食べまくり、二子玉マダム最愛の九分茶坊でゆるゆるとお茶を楽しんでいると、早朝からの移動続きで疲れた心身がようやくほぐれていくようです。九分名物の雨も、この休憩中にザバッと降っただけ。美しい夕暮れ時の海の眺めも堪能できましたわ。でも! 本日のイベントはこれで終わりじゃないのです。このあと、再度バスにて港町、基隆へGO。発祥グルメ満載の夜市に突入するのざます?。
ついに遭遇! ハラハラドキドキの「ぶっとバス」
基隆行きのバスは、先ほどと同じバス停から乗車します。並んで待つことをしない大陸の観光客と無言のバトルを繰り広げつつ席を確保。おお。来るときと違ってかなりゴウジャスなバスじゃないですか。これは快適ね、と思いきや、今度の運転手はウワサ通りの飛ばし屋さん。乗用車がすれ違うのも苦労しそうな細い道を鬼のよーに走る走る。おばあさんが乗ってきても、まだタラップにいるときからアクセル全開。まさに「ぶっとバス」!。あまりの冷や汗モードにコワイを通り越して笑えてくるほどでしたわっ。
ところで基隆のどこで降りりゃあいいのでしょうか。隣に座っていた若い女性二人連れにたずねると、英語で「次よ」。教え通り降りようとしつつ、念のため運転手に「きーるん?」と聞くと、激しく手を振り「ちがーう!」のアクション。気が動転して座り直しちゃいましたが、最終的には次の次が目的地でした。やれやれと思っていると、何と先ほどの女性たちが片言の日本語で「スミマセン」とわざわざ謝りに来てくれたのです。感激?。さらに夜市まで案内してくれる親切さ!
わかりづらいよ台湾の鉄道事情・・・
ああ、やっぱり台湾も台湾の人々も大好き! そんな気持ちをかみしめていたのですが・・・帰路を鉄道にしたことで問題勃発。そうでなくともわかりづらい電車の種類にアバウトな時刻表。區間車(いわゆるローカル)のチケットを買ったはいいが、出発はかなり先。隣には先発の自強号(特急)が入っている。そこで駅員に「乗って車内で精算してもいいですか?」と聞いても、なぜかニーヤニーヤと笑い「別にいけどぉ」的おどけ顔。え?、もし見つかったら痛い目に遭いますってこと?
むう。むうう。精算ですむのか罰金なのか? 英語が通じないので全然わからん! 思いあまって別の若い駅員さん(こちらはさん付けだ)に」聞くと、うんうんとうなずいて動作で「乗りなさい」。何のことはない、台北駅で精算するだけですんだんですのよぉぉぉ! んも?う。ニヤニヤ笑いにさんざん振り回されてクタクタでありました。その後は、夜市のはしごどころか、マッサージに行く元気もなく、ビールを飲んでベッドにばったり。当初の予定通り全部バスで移動すればヨカッタ、と半眼の構えで反省したマダムなのでありました。フン、次回はもっと台湾公共交通機関を使いこなしてさしあげるざます! そして鉄は熱いうちに打てとばかり、9月のチケットを押さえたチームろくでなし。さて、その結果はいかに!? 続報をお待ちください! そして、みなさまもよい夏休みを。Ciao!
「私は美術館巡りが趣味で海外に出かけています」という池畑様から、こんなアドバイスをいただきました。「絵画や彫刻を本当に楽しみたいなら、夏の混雑期を避け、冬に行くことを推薦します。冬の美術館は驚くほど空いています」。ゆっくりと時間をかけて作品を鑑賞したいなら、今年の冬は美術館へ!
サンフランシスコで結婚式に参列なさった石田様からは詳細なご報告が。日系4世の花婿さんは「韓国ドラマにでてくるイケメン俳優みたいでした」。うっ、うらやまし?い。そして懸案の着付けですが、現地で着物文化を広めるべく活動している日本人女性にご依頼したとのこと。「私の留袖姿は花嫁の両親はじめ皆さんに褒められ」「とりわけ在米70年の叔母(花嫁の祖母)に喜ばれました」「日本人であるということに誇りを持っている叔母は、日本人はやはり着物が似合うねえと大喜びで、ちょっぴり叔母さん孝行できたかなと思います」。ああ、素敵な訪米だったのですね。また何かありましたら、ご遠慮なくご相談を。私が力足らずでも、背後にはミスターMや頼もしいアップルスタッフが控えていますから!
最後はお久しぶり、マダムマッチ様。フランスでスーツケースが開かなくなり、現地できれいな色のものに買い替えたのだそう。「幸いファスナー式のスーツケースだったのでカッターナイフで簡単に真っ二つ!」。残骸は、チップを多めにおいて「申し訳ありませんが壊れてしまったので捨ててください」。部屋に戻るとサイドテーブルに「メルシー、マダム」のメモ。「哀れ残骸スーツケースは姿を消しておりました」。頑固なスーツケースでなくてようございました。フランス語学習、お励みくださいね!
「Can I access the internet here?」
「ここでインターネットが使えますか?」という意味のフレーズ。「使う」=「アクセスする」ということですから、useではなくaccessという単語がキモになります。いまやインターネットは旅の必携ツールになりました。手持ちの機器を使いたい場合はこうたずねましょう。
英語が万能なわけじゃない
国際語と認識されている英語ですが、場所によっては単なる「外国語」。世界の中心はひとつではないことを戒める、意味深な言葉です。