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鉄道でヨーロッパ周遊をより楽しく
みなさま、お元気に夏を乗り切っていらっしゃいますか? 全然日本に定着しないミスターMのヘルプで参上した「おいしい旅の話」のストラスブールの回。あちこちで、「面白かった」「行きたくなった」とのお言葉をいただき、大変嬉しゅうございました。にしても、みなさま、ミスターのコラムもしっかり読んでおられるのですわね。メラ?(←うすーくシットするわたくし)。と同時に、ヨーロッパ鉄道の旅についても、たくさんのコメントをいただいています。そこで今回は、「鉄道で周遊」をテーマにお送りいたしますわよ。
外国の鉄道、便利なようでいて・・・
鉄道パスがあれば面倒なチケット購入は必要ないし、乗れば乗るほどお得感倍増。ドイツをはじめ、ヨーロッパ各国の鉄道は大変優秀なサイトを持っており、駅名さえ入力すれば一目で時刻表から乗り継ぎ案内まで把握できてしまう・・・と、鉄道はヨーロッパ周遊の強い味方。その反面、ホームがわからん、1等車の場所がどーにかしとる、突然の変更多すぎ等々、不安要素も盛りだくさん。わたくしも、たいがいイタイ目に遭っております。
ミラノからコモ湖への小旅行、空いてるぅ?と大威張りで乗り込んだ車両が1等車。途中で現れた車掌に目頭が熱くなるような追加料金をふんだくられた、春のイタリア。「絶対左側に乗るべし」の忠告通りのシートを確保し、得意満面のベルニナ鉄道車内にて「全席予約!」と追い払われた、夏のスイス。ウィーンから3時間遅れで到着、延々小田急線ラッシュアワー状態を味わわされたプラハ-ベルリン間。地獄、でしたわね(涙)。エグゼクティブ風紳士に「僕の予約シートだけど、座ってていいから」と優しく譲られたオランダ-ケルン間。ああ、彼の人は空席を求め、何度も席替えを余儀なくされ・・・。ノンリザーバーがのうのうと座っていて本当に申し訳ございませんでしたっ。
鉄道パスの使い方は事前にじっくりチェック
かような経験からマダムが学んだ教訓は、「1等パスでも座れないことがある」。国境を越えて走る高速列車や寝台車、パノラマ列車などはパスホルダーでも要追加料金、さらに要事前予約の場合があります。その手間をかけても乗ってみたい魅力的な路線はたくさんありますが、鉄道の旅の基本はのんびり・気ままに。思い立ったときに利用したいものではないかしらん。そんな時に思い出してください!「1等パスでも座れないことがある!」。おっ空いてる、と思っても頭上の表示に注意です。読めない単語でも何か書いてあれば、それは予約済みの印。記名カードが差し込んであることもありますわね。あなたが事前予約をしていないなら、ひたすらノーマークのシートを探すべし。とくにビジネスアワーに都市間を走る国際線1等車は、かなりの確率でキープ有りです。日本で言うところの新幹線通勤みたいなものなのでしょうねえ。
あとはですわね、鉄道パスの付録部分(スケジュールを書き込んだり、注意事項が記されている部分)は切り取ってはいけません! マダムは邪魔?と思って、すぐに破り捨てていたのですが、ある時初めて「切り取ると無効」の文字を発見! この時も、どっぱり脂汗。幸いにして問題は起きませんでしたが、車掌がチェックに来るたびに胸がキュゥゥゥゥ?と! 証書関係はいろんな意味でアレンジ禁止でございますわよ!!
個人の判断と責任で、が海外のルール
近年はセキュリティ強化ゆえか、大きな荷物は所定の場所に置くよう求められることがあります。シートまで持っていったら座席の下か、頭上のストッカーに収めなければならないことも。大きなスーツケースじゃ絶対無理。でも、自分の荷物を置き去りにしてくるほうがもっと心配。前回のヨーロッパ周遊時も念のためチェーンキーを用意し、いざというときは柱にでも括りつけようと身構えておりました。ところが、そんなこと誰も守ってやしません。子供でも入りそうな巨大スーツケースを通路にドカン、隣の席にドカン。空いている車内ではみなさんやりたい放題。状況に合わせて柔軟に対応しているようです。あなたもフレキシブルにお考えくださいね。ただし他人の迷惑にならないことが最優先!
頻繁に変更するヨーロッパ駅の列車発着ホーム。掲示板を見ても案内が追いつかなかったり、堂々と大ウソが表示されていることだって少なくありません。そんな時はどうするか。とっさに近くにいる人に外国語で問いただせないという場合は、事前にサイトで調べた乗り継ぎ案内をプリントアウトしておきます。国際線高速列車だと到発着ホームが記載されているケースが多いのですが、IC、ICEあたりだと空白のことも。しかし、あなたがどういう乗り継ぎ(スケジュール)でどこに移動したいのかは、このプリントでハッキリわかりますから、駅員らしき人に見せれば解決する・・・はず・・・です(うう、やや自信なし)。出発時間の前後約2時間分を同時にリスト表示しておくと、乗車時間をずらしたい時でもあわてずにすみますわよ。
鉄道の旅を快適にするアイテムなど
列車での移動中に寄り道したい時は、スーツケースをコインロッカーか駅構内の預り所に預けると身軽に動けます。コインロッカーもちゃんとビッグサイズがあるので安心。小銭が必要なので、売店で買い物をして崩しておくとおいいですわね。預り所ではデポジットが徴収されることがあります。無料の預り所ならピックアップ時に返金、有料の場合は清算になります。この時人目に付くところで荷物の移し替えは極力避けたいもの。寄り道するなら、乗車前に貴重品を手持ちのバッグに移しておきましょう。
さて最後に。列車の旅で意外と役立つもの。それはウエットティッシュと使い捨てのナイフ&フォーク。わたくし、朝イチの乗車前にスーパーでサラダを買いましたの。目的地までは約4時間。列車がホームを離れて一息つき、さて朝食・・・とサラダを取り出しましたところ、カトラリーの類が付属していなかったのです。さすがに車中、2本のボールペンを箸代わりにするわけにもいかず、涙目でそっとバッグに戻しました。そんな時に限って、一度も車内販売がきやしません。飛行機の中で使い終わったプラのカトラリーをバッグにしまっている添乗員を見て、「ふーん」と思ったマダムがバカでした。正しいよ! 添乗員さん!
バカ丁寧すぎる日本のインフォメーションシステムに慣れていると、海外交通機関のそっけなさは心臓に悪すぎ。しかし、本来はこれが普通なのです。何が安全で何が危険か、目的のためにどうするかを考えるのは自分。不便不便と文句を言う前に、攻めの姿勢で解決していきましょうね。では、みなさま。また来月。Ciao!
お久しぶりのtomomo様。「ミスターMの代理コラム、爆笑しました! と同時に不安が押し寄せてまいりました」のは、マダムのヨーロッパ鉄道話と似た、ご友人のトンデモ体験を聞かされたゆえ。もうスイス旅行からお戻りかと存じますが、いかがでしたか? おそらくスイス国内なら、鉄道移動はぜんっぜん問題なかろうかと。パスがあればポストバスも乗り放題ですしね。ぜひぜひ、鉄道乗りまくり報告をお願いいたします。
お初のスズキ様、お便りありがとうございます。スズキ様もフランスで鉄道利用した際、ホームが分からない、車両が分からない、トイレが残念すぎという「全くひどい話」を切々と訴えてこられました。それにしても、トイレが「どうやったらこんなふうに汚れるのか不思議だった」って超リアルぅ?。マダムもヴェネツィアからミラノに行く列車のことを思い出しました。夢に見そうですわね・・・。改善されていることを切に願います!
そして油谷様、「ストラスブールのノートルダム大聖堂もカトリックの教会です」と、大聖堂と寺院の違いを詳細にご解説いただきありがとうございました。大変勉強になりました。すみません、わたくしの書き方が舌足らずでしたね。カトリック教会でキラキラパヤパヤしているのは、「イタリアで」「よく知られている」という類の説明を加えるべきでした。ああ、これでもなんだか意図がうまく伝わらないかも。以降は、注意いたしますが、また調子に乗っていたらご注意くださいませ!!
「Is this seat taken?」
乗り物の中で「この席、空いていますか?」とたずねるときのフレーズです。直訳すると「この席、誰かに取られてます?」。つい「空いている」に注目して、相当する単語を探そうと苦心しますが、発想を転換! 難しい言い方をしなくてもおなじみのtakeで簡単にカタがつきます。
成せば成る、でも準備は大事
世界は広いけれど、住んでいるのは同じ人間。ネガティブに考えて可能性をつぶさず、できることからコツコツやれば、道は必ず開けます。