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旅するココロ~あなたのベストパートナーは?
みなさま、いい季節になってまいりましたわね?。マダムはこの時期、モノの輪郭がやけにハッキリ見えるような早朝のベランダに出ると「あ?、ハワイの朝と同じだ?」と思います。ランチタイムが終わり、人気がすうっと引いたビル街を歩いていると、キラキラ輝く建物の向こうに海が広がっているような錯覚にとらわれます。そして、今すぐにでも旅に出たくなります。光、空気、匂い。旅の記憶って、そんな形にならない「感覚」として脳の中に収納されているのかもしれませんわね。ハワイといえばわたくし、いまだにマダムママ接待旅行inハワイの不完全燃焼で、くすぶっているのでございます。他人に話してストレス解消しようとしても、ついオモロ系に脚色してしまい、なかなか本質的解決にはいたらないまま。まあ、こうした問題にきっぱりした白黒などないのは当然ではありますが、海外旅行ってイキナリいろんな価値観があらわになる恐ろしいイベントであることよ、としみじみでございます。現に、母娘旅について話をした友人知人でも、「えっ、アンタってそんなこと考えてたんですか!?」という新しい発見がいっぱいありましたのよ。
ホテル選び、あなたは何が基準ですか?
最も興味深かったのは、やはりホテル選びに関してでしたわね。マダムの友人連はそりゃあもう、面白いくらいにキッパリ2派に分かれます。「ホテルなんてそこそこで安ければ安い方がいい。その分他にお金を使いたい」派。そして「せっかく海外に行くのだから、思い出に残るようなホテルに泊まりたい」派。マダム? マダムは「そこそこ」から「思い出」派への転び組です。
きっかけはとあるリゾートアイランド。「そこそこ」で決めた宿の部屋が、清潔ではありましたものの小さな腰高窓一つ&エアコンの作動音激し、であったため一夜でギブアップ。頑張って時間を作って旅行に来たのにー、なんでこんな気の休まらない部屋で過ごさにゃならんのかー。安けりゃいいってもんじゃないだろー!渋るボーイフレンドのケツ・・・あら失礼お尻をひっぱたき、同じホテル内のヴィラに移動したのです。差額は約2倍。しかしビーチ目前で陽光がたっぷり入る広い部屋の心地よさといったら!それ以来、そこそこのお宿でも少しでも部屋を選ぶようにしていたのですが、ある時「じゃ、最初からいいホルでそこそこの部屋にすればいーんじゃん!」と開眼。値段よりも「泊まりたい」を優先したホテル選びをするようになったというわけです。
アジア人は「非日常」、欧米人は「自宅の延長」
ちなみに、ホテルの選び方は大きく分けてアジア型と欧米型があるのだそう。アジア人は海外旅行の際に高級ホテルを選択するケースが多く、欧米人は日常生活と似たクラスのホテルを選ぶといわれていることからのマダム的考察です。アジア人にとって海外旅行は特別行事ですから、ホテルにも非日常性を求めます。そして滞在期間が短いので、目の飛び出るような料金でも支払い可能なのですね。反対に数週間から下手をすると数カ月までのバカンスが当たり前の欧米では、滞在は居心地のよさが大前提。「自分の部屋のように」過ごせるホテルを選ぶのでしょう。つまり自宅の延長です。従ってお金持ちは高級ホテルに、庶民はエコノミークラスに。これが道理。マダムはイタリア人の友人に、ハワイで滞在したホテルの料金を告げて絶句されました。「あり得ない!」とのことです。まあ! ほっといてちょうだいな!
旅のハッピー度は同行者との価値観の相違で決まる
ホテルにお金をかけるかかけないか。ひとえに個々の価値観によるものではありますが、誰かと旅行に行く場合は、これが最初のハードルになるはずです。「ただ寝るだけなのに高いお金を払いたくない」「高級ホテルなんて気が休まらないからイヤだ」「そんな成金用のホテルに泊まりたいなんてミーハーもいいとこ」。ああ!思い出しても怒りがこみ上げるマダム歴代ボーイフレンズの暴言の数々。じゃあ浮いたお金で素敵なレストランにでも連れて行ってくれるのかというと、そういうヤツに限って「高いだけでたいしたことないよ、そんな店」と酸っぱいブドウ発言です。ケチ?基本的にケチ人間?マダムはですねえ、ただただ安くあげるのを自慢するような海外旅行なぞしたくないのです!
ホテル一つでこれですから、同行者がいる旅の企画は大変です。名所旧跡観光スポットを徹底的に回りたい人、そこら辺をのんびり散歩してボーッと過ごしたい人。ガンガン声をかけていろいろな人と知り合いになり、一緒に行動したり食事に行ったりしたい人、マイペースで思うように動きたい人。こうした方向性が合致すれば、それはそれはハッピーな海外旅行が楽しめることでしょう。反対に、肝心要の方向性が全く異なっていたら…悲劇ですわね。たいがいの場合、我慢強い方が本音を押し殺してお付き合いすることになります。その結果、帰国後に口も聞かなくなった友人同士、成田離婚ならぬ成田別離と相成った恋人同士、水より濃いはずの血が薄まってしまった親子兄弟姉妹などなど、「もうアイツとは二度と旅行に行かないっ!」というケースが盛りだくさん。あなたの周りにも、そんなエピソードが転がっているのでは?
面白ポイントがあったら、もう一度旅に誘いましょう
こうして人間関係の煩わしさにウンザリした人は、一人旅の方がどれほど気軽だろうかと思うもの。思うよね?。でも、もし価値観の合う同行者がいたら。旅のヨロコビは2倍、思い出話の充実度も2倍、3倍になることでしょう。もしファーストトラベルがイマイチだったとしても、気になるポイントがチラリとあったとしても、ソッコーあきらめてはいけません。「んん? この人と異国にいると面白いカモ」と感じた相手ならば、機会を見つけて2回、3回と旅に出てみましょう。ふだんの生活で接する時間が短い相手でも、得難い旅のパートナーが見つかるかもしれません。そんな人がハズバンドorワイフだったら、どんなに素敵な人生でしょう! ご自慢のパートナーがおられる方、ぜひともマダムにご報告くださいませね。それではまた来月。Ciao!
マダム無念の母娘旅行に関し、みなさまから多数のお便りが到着?。共感、同感、懸念、ちょっぴり自慢などなど、いろいろな親子模様がのぞけて、大変たのしゅうございました。つきましては、次号はメインで「ウチの親子旅行あれこれ」をご紹介いたします。お楽しみに。さて、アップルワールドでは来年の冬季オリンピックを前に、「今のうちに行っとけカナダ祭り」を展開しておりますが、常連スカーレット様より、いち早いご報告が届いております。
「私たちはビクトリアというバンクーバーの近くのイギリス的な街に滞在しただけなのですが、探しまくって見つけたチューダー朝様式のB&Bのおかげで最高に心地よいステイができました。特に朝食を他の宿泊客と同じテーブルでいただいていたので、毎朝が英会話教室状態でした。カナダの英語はなまりがなくて聞き取りやすかったですよ。そのB&Bでは冷蔵庫やミニキッチンを自由に使わせてくれて、わりと家の中も自由に歩き回れました。あるお天気のいい日など、バルコニーで女主がビキニで日光浴をしていたのです。が、何もそこまで見せてくれなくても・・・と驚いたくらいです」。ビクトリアのおかげでカナダの印象が変わったというスカーレット様。
またまたインフルエンザのイヤーな雰囲気が広がりつつありますけれど、「確実な情報収集・確固たる自己判断」をモットーに、どうぞ、これからもみなさまの海外旅行がハッピーでありますように。
「I don´t need that favor.」
今ならこのツアーに参加すればもれなく○○の××が付いてきます、この品物を買ったらこれもおまけします、これこれこうしてあげるから**円払ってね等々、旅先(特にリゾート)では「頼んでないし、嬉しくないし」のセールストークにうんざりすることがありませんか? そんなときには「かようなご厚意は不要です=ありがた迷惑なんですが!」という意味のこのフレーズを。笑顔であっても毅然とした態度で言い切るのがポイントです。
旅は人間関係の試金石
海外旅行をともにすることは、価値観が同じかどうかを確認できる絶好のチャンス。親密になりたい相手がいたら、ぜひ旅行に誘ってみよう、という意味。