8
マダムの極私的トラベルリポート:上海編
みなさま、久々の大型連休、いかがお過ごしでしたか?マダムはラストミニッツにて「台湾or香港・2泊3日・5万円以下!」を狙っておりましたが・・・甘うございました。世間はそれほど優しくありませぬ。仕方なく上海土産の金華火腿を肴にチャイニーズワイン(ほのかに紹興酒の味わい)を楽しむ夕べを開催し、ご主人と一緒にイタリア周遊1カ月の旅に出ている友人の高輪台マダムを、心の底から羨む毎日でございましたわ。
3泊4日では把握しきれない、それが上海
ところで「上海はどうでしたか?」とのご質問をたくさんいただきました。ええ、それはそれはおいしゅうございました。が、3泊4日では、全くのところ極めるまでには至りません。淮海中路を流し、新天地で小洒落たレストランを攻め、豫園を徘徊し、南京東路から外灘にいたる歩行者天国の秋葉原ぶりにクラクラし・・・まあ、象のしっぽをなでた程度というところでしょうか。ちょっと楽しみにしていたのがリニアモーターカーです。最高時速451km!飛んでるようだが走る!その乗り心地はというと、Gが、Gがかかりすぎです。周辺はだだっ広い工場地帯。ちらっと水郷が見えても、マッハで通り過ぎてしまう?。でもさすがに早い。当日に国際線で上海入りした場合は割引がありますので、短い滞在には優れものの交通手段といえるでしょう。
アグレッシブな客引きとプチ・バトル(一方的勝利)
南京東路から中山東一路を渡って、対岸の浦東が一望できる公園へ。その通路となっている地下道は、多数の観光客に混じって各種ショップの宣伝カードを配りまくる客引きが待ちかまえています。手渡すなどというおとなしい配り方ではありません。通りすがりにバッグの中に押し込んでくる超アグレッシブなパフォーマンス。ぐいっとバッグを引っ張られたマダムは、スリと間違えて振り向きざまに「なんですのっ!?」と、客引きの手首をひっつかみ威嚇してしまいました。びびる青年。ガチ見のマダム。しかし二人が対峙しあっているほんのわずかな時間にも、がんがんバッグに詰め込まれるカード、カード、カード。もうっ、いら?ん。上海で紳士服なんかオーダーメイドしませんから!
上海の町エステはまだまだ発展途上中
話題はぐっと上品に。マダムにとって海外旅行で外せないのが町エステ。ホテルのサロンがある程度のクオリティなのは承知しておりますから、目指すはお手頃な町の名店。あらゆる地元情報誌をかき集め、「上海駐在マダムの行きつけ」という1軒をピックアップ。折しも外は町歩きに不向きな冷たい雨。チャンスとばかりにタクシーで乗りつけてみました。うう、言葉が通じない。四苦八苦の末、ソフトピーリングと睫毛パーマが組み込まれたフェイシャルコースを注文。でも、あら?服も着替えずにそのままベッドに寝かされて、一人のエステティシャンが同時に二人を施術って・・・アリですの?隣のベッドからは中目黒マダムの「んぎゃ!」といううなり声が・・・し、沁みたんですのね、睫毛パーマ液が。こわっ。お代は日本円で約7000円。んー、そこはかとなくお肌はツルツル・モチモチになったような気もしないではありませんが、50元の睫毛パーマは翌日には元通りに。ほほほっ。負けましたわっ。
マダムのおすすめは新天地にオープンしたばかりの「ペヴォニア」のサロンです。これはフランスのコスメメーカー直営で、上海初上陸がウリ。かなり複雑なマシンを搭載しており、よりウエルネスに近い本格的な全身施術が受けられると思います。思う?ええ、オープニング特別価格で最もお安いコースが1100元なんですもの。見学させていただき、パンフレットを入手し「時間があったら寄らせていただきますわ」と、笑顔で退場いたしました。ご利用になった方のご報告をお待ちしております?(←弱気)。
わかるが故にわかりにくい「漢字」のワナ
ところで、先のサロンでもそうでしたように、上海で最も苦労したのがコミュニケーションでございました。国際ビジネス都市なのでほとんど英語で問題なし・・・ウソです。ほとんど問題アリアリです。タクシーでも5スタークラスのホテルでも、英語OKの方はほんのわずか。漢字という共通点があるので、おぼろげにイメージはつかめます。欧米人よりはアドバンテージ高いです。しかし、発音が全然違うため、日本式の平坦な抑揚で発声しても全く通じません。となると頼りは筆談。タクシーに乗る、にっこり笑って行き先を書いた紙を示す、運転手が何か言ってる(わからない)、「OK!」と返事をしてじっと耐える。そんな繰り返しです。愛想は良くないけれど真摯なドライバーが多く、不快な思いをさせられなかったのは嬉しいことでしたが。
中国語は中国語の発音で教わるべき!
それにしても、マダムは思います。日本で日本式の漢字の読み方で中国の人名や地名を教える教育はいかがなものかと。「毛沢東」が「もうたくとう」なんて、日本でしか通じませんのよ。ギョエテとは俺のことかとゲーテ言い、ではありませんが、せめて固有名詞はその国の発音に準じて学んでおかないと、現地では全く役に立たないことこの上なしです。しかも中国では、下手に漢字を知っているので勝手なイメージングをしてしまい、思いもかけない悲劇が訪れることも。特に食事では痛い目に遭う確率が大きいかもしれません。欧米言語を現地の発音で覚えるように、中国語も現地の発音で教える!「上海」が「シャンハイ」なら、「杭州」は「ハンヂョウ」と読ませる!社会的にも個人的にも、中国とより深くつきあっていくためには、そんな教育が必要なのではありませんこと?誰だって自分の名前はちゃんと呼んでほしいですものね。ちなみに「毛沢東」は「マオツートン」と発音するそうです。
昔読んだSF漫画のようなキテレツな建物が林立する浦東、西洋人観光客でごった返すレトロモダンな新天地、中国各地からお上りさんがつめかける豫園。さまざまな顔を持ちながら、近代都市へのステップを駆け上っていく上海は、じっくり滞在すればするほど、じわじわと旨みが深まっていく魅力的な場所(のはず)。アップルワールドでも、2007年は総力を挙げて中国をプッシュ中でございます。過去と未来が混在する今を狙って、ぜひ足を運んでみてくださいませ。そして「ここぞ」という上海町エステ情報をお持ちのあなた!マダムにこっそりお知らせくださいね。それでは、みなさま、Ciao!
旅の賢いパッキング術について、たくさんのメールをいただいております。そこで次回は「ザ・お便りスペシャル」として、みなさまからのアドバイス&アイデアを大々的にご紹介いたします。なるほど?とヒザを打つこと確実ですわよ。「これぞ!」というパッキングの優れワザをお持ちのみなさま、ぜひお知らせくださいね。まだまだ間に合います! また「女性の一人旅における食事事情はいかに?」というご質問も増えてきました。このテーマでも、近々一肌脱ぐことにいたしましょう。どうぞ、お楽しみに!
「Well…you know…」
英会話が堪能でない人が最も苦労するのが相づちです。日本語ならビシッと一言でツッコミが入れられるのに、英語では気の利いた一言が出ない。その前置きに使えるのがこのフレーズ。「ええと、なんて言うのか?」くらいの軽い意味です。特に言いにくいことをスバリ言う前にこの一言を置くことで、少しニュアンスが和らぎ、また会話に詰まったときの潤滑油としても活用できます。
言葉は一人一人のアイデンティティ
どんな素晴らしい言葉でも、伝えようとする意志がなければ相手に届かない。心から出た「私の言葉」こそが旅先での有効なコミュニケーションツールなのです。