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ミスターM旅の名言集
あっという間にゴールデンウイークも終わりましたわね。すでに夏休みの過ごし方を思案されている方も多いかと存じます。ごきげんよう、みなさま。先月に引き続き、またしてもミスターのヘルプでマダムヨーコ参上でございます。いつもより、ちょっぴり上品なこの態度。まさに借りてきた猫状態といえましょう。ホホホ。
ミスターは旅と人生のマスター
さて、コラムを楽しみにされているみなさまもおわかりのように、ミスターMは旅の知識や経験だけでなく、ありとあらゆる事柄に興味を持ち、また精通なさっているという、そんじょそこらではお目にかかれない男性なのでございます。ご多忙ゆえ、最近はお見限りですが(笑)、ご一緒していると時間があっという間に経ってしまうんですの。話題はもちろん旅のことから、人生、恋愛、社会問題から世界情勢までと縦横無尽。今回は、そんな中から、わたくしマダムヨーコのハートをズビシと射抜いた、ミスターのお言葉をピックアップ。覚えていれば必ず役に立つ、そしてあなたの旅をより素晴らしいものにしてくれる金言の数々を紹介いたします。
「ホテルは理想のリビングなんだよね」
旅の段取りで、いちばん頭を悩ませるのがホテルのセレクト。人気リゾートや大都市になると、その数はかる?く数百軒にもなり、もう、何が何やら・・・になっちゃいますわよね。グレード、料金、立地と絞り込んで行き、それでもまだ決められない! そんな時、指針にしたいのがこのお言葉でございます。自分はどんなリビングが好きなのか、理想なのか、ワクワクするのか、安心するのか・・・。
広々として機能的なリビングが好きな人はインターナショナル系の大型ホテルを、デコラティブなヨーロピアンスタイルが好きな人はクラシックで伝統的な1軒を、ミニマルな北欧風ならデザイナー系を、コージーで気取りがないのが好きなら家族経営、スノビッシュなムード好みはブティックホテル等々。最終的には、自分の好みを前提に取捨選択していけばよいのです。誰かに任せきりにしておいて、あとになってあーだこーだと文句を言うのはルール違反。時にはイタイ思いもするでしょうが、「また来たい!」と思えるホテルに出合えたら、これほど嬉しいことはありませんものね。
「チップは悩むなら渡すべし」
ミスターが折に触れ繰り返しておられるフレーズです。このホテルはどういう場面でチップが必要なのか、と心配になることありますわよね。もっとも簡単な解決法は、ミスター仰せの通り、「レセプションやコンシェルジェに聞いてみること」でございます。でも、ホテルの雰囲気によっては、その質問が気軽にできないこともありそう。ならば「あ、渡した方がいいのかな?」と感じたら、迷わず出す。これに尽きます。そして、もしスタッフが固辞したら、押し問答せずにスッと引くのがスマートなんですって。ミスタークラスになると、ついでに相手の顔色を見て、その多寡も判断してしまうそうです。わたくし、さすがにそこまでは無理ですが、チップはなるべく出し惜しみしないように気をつけております。
「すべてのサービスは有料である」
チップの話に関連することですが、日本人はいまだに「お客様は神様」的な認識が強いようでございます。だから、サービスをする側に対して、どうにも上から目線のことが多いようです。お金を払っているんだから命令口調で当然、特別扱いしてもらって当たり前、できないなんて言わせないよ?etc。これは海外、特に欧米ではとっても嫌われる態度でございます。
わたくしたちがお金を払ってサービスを受けるように、彼ら/彼女らはお金をもらってサービスを提供している。それは、あくまでも対等であり、上下はないのです。そして仕事である以上、サービスは決して無料ではありません。かしずくようなサービスを受けたら、言葉やチップで感謝を表すべきなのです。かしずかれるほどにふんぞり返るオジサマ族(最近は若い人にも女性にも増えてきました。嘆かわしいことです)は、最悪の見本。どうぞ、実るほど頭を垂れる稲穂であってくださいませ。
「いいホテルに泊まるならトータルで贅沢を楽しむ」
グレードの高いホテルに滞在するなら、誰もが大切なゲストとして扱われたいもの。なのに、どうも対応が慇懃無礼な気がする・・・。はい、それは、あなたが「もてなしてあげたいゲスト」と見なされていないからなのです。雰囲気にそぐわないカジュアルな服装で出入りし、レディファーストなどどこ吹く風で誰にも挨拶しない。さらには館内のダイニングは一切使わずコンビニフードを持ち込んですませる。これでは、スタッフもサービスのしがいがないというもの。
せっかく高いお金を払って高級ホテルに泊まるのですから、ケチケチしないでホテル内でお金を使ってみましょうよ。ルームサービスの朝食、バーで食前の一杯、メインダイニングでとびきりのディナーなど、ふだんはできない&しないことの醍醐味を味わえるのが高級ホテルなのですから。最初はなかなか慣れなくても、場数を踏むうちにふさわしい服装やふるまいが身についてくるはず。また、身につけるだけの観察力や努力も惜しまないでくださいね。厳しいミスターに言わせると、高級ホテルに滞在する場合は、レンタカーもグレードの高いものを、だそうです。対応ががぜん変わってくるそうですわよ。
「最悪のマナーとは相手(連れ)に恥をかかせること」
これぞ、すべてのマナーの原点ではないでしょうか。言い換えれば、常に客観性を持てってことですわね。自分では無頼派を気取ったり、気さくなキャラクターを演出しているつもり。だけどハタから見たら、何それ信じられないそのマナー! コレ、ありがちですわよね?。こういうタイプの言い分は、決まって「誰かに迷惑かけてるわけじゃないだろう」「俺はこれでやってきたんだ」。もうこの時点でダメダメ。それがパートナーや恋人だったら、なおさらいたたまれませんわよね?。
とはいえ、注意しても絶対に素直に聞き入れないのも、このタイプ(経験あり!)。ひたすら「一緒にいる自分が恥ずかしい」と訴え続けるか、「本当にこの人はしょうがない人で」と他人サイドに回るか、はたまた、この手の人物とは一切旅行はしないか。悲しい選択肢しかありません。が、それでもはかない希望を抱いたまま、女は寄り添い続けるのでしょうか?。←なんだか演歌調(笑)
「海外旅行はやっぱり夢のイベント」
不景気や事故事件、天変地異などにより、海外旅行の機会が減ったという人は少なくないと思います。でも、海外旅行はまだまだ「夢」あるイベントなのだ、とミスターは言います。「それも、プラニングから想い出の反芻まで、時間をかけて何度も味わえる特別な夢」だと。少ない機会だからこそ「納得のいく情報集めをし、満足できる旅をじっくりと検討するでしょう。そうして訪れた海外は、きっとあなたに深い感動やエネルギーを与え、何にも代えがたい経験になるはずです。それがまた、次なる海外旅行への待望となる」。そうです! わたくしもミスターとともに願っております。みなさま、どうぞ「いい旅のできるトラベラーになってください」。では、また、サロンでもお目にかかりましょう。Ciao!
マイフェイバリットホテル/アーティストの優雅な隠れ家
ウィーンはヨーロッパでも日本人人気が高い都市。リピーターやマニアも少なくなく、特にオペラシーズンは、市内の有名ホテルの半数以上が日本人ゲストということも。インペリアル、ブリストル、ザッハー、目新しいところでリンク。確かに雰囲気やサービスは素晴らしいし、とっても優雅な気分に浸れますが、もっと特別な空間で過ごしてみたい・・・そんな人もいるのではありませんか?
そこでマダムがおすすめしたいのが、パレ コーブルクです。市立公園の近く、最寄りはトラムのヴァイブルクガッセ停留所。2004年オープンのホテルですが、まあ、とにかくゴージャス。ゲストのほとんどが演奏会に来る音楽家とかで、客室はすべてスイートタイプ、家具・調度品も贅を凝らしたチョイスです。それ以上にスゴイのが館内各施設で、かつてのカゼマットの名残りのままの地下ワインカーヴは圧巻! メインダイニングも、かのシュタイラーエックとタメをはる名店。オープン当時はウィーン中のグルマンが集結したそうです。と、大変なハイクラスぶりですが、スタッフは若者が多く、サービスも決してお高くとまっていません。ウィーンの宿は5つ星と決めている方、今年の滞在はぜひパレ コーブルクでどうぞ!