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マダムヨーコの極私的トラベルリポート~ワルシャワ編
ミスターMファンのみなさま、お久しぶりでございます。ヘルプと呼ばれて飛んでくる、おなじみのマダムヨーコでございます。んもう、ミスターったら、年明けから相変わらず精力的に北へ南へ東へ西へお出かけになっているんですのよ。たまにお目にかかると、お疲れですが元気そう。ううむ、ミスターにとって旅は、もはや空気と同じくらいなくてはならないものなのでしょうねえ・・・。というわけで、今回はマダムヨーコにお付き合いのほど、何とぞよろしくお願いいたしますわね。
女ひとり冬のヨーロッパへ
辛口サロンにも登場しましたが、女ひとりでアフリカを半年放浪した過去を持つマダムの豪傑主治医と、ひとり旅について話が弾みました。「やっぱりマイペースで動くには、ひとり旅が最高ね」「ま、センセ、わたくしも賛成ですわ。特に都市部や長い旅の時は、どんどん気持ちが楽になりますものねえ」。そんなマダムでも、初体験だったのが冬のヨーロッパひとり旅。折しもクリスマスシーズンが近づき、華やかな雰囲気に包まれているであろうワルシャワが今回の目的地でした。しかし、彼の地は日本からの直行便がありません。そこで経由地にウィーンを選び、2都市分のクリスマスデコレーションを楽しんでこようと目論んだのでございます(ま、これが思ったより地味で・・・)。
乗り継ぎの関係上、ワルシャワ到着は22時を回ります。空港は何だかシーンとしてるし、真っ暗で辺りの様子もわかりません。そそくさとタクシーにてホテルに向かうマダム。あああ! タクシー代で手持ちのお金が尽きるー。ホテルのチップどーしよー。心は千々に乱れつつ到着。するとホテルの中に24時間オープンの両替所があったのです。助かりましたわ。やるわね天下のル メリディアン。
ワルシャワの1日は暗?い! 短?い!
翌朝、ハッと目が覚めると暗い・・・。あら、早く起きすぎかしらと時計を見ると、もう8時。8時!? 飛び起きてすぐ朝食! そしたら、ふふふ。朝からシャンパンが出てるではありませんかっ。みなさんキチッと服装を整えているのに、大ぶりのジュースグラスになみなみ注いでガンガン飲んでます。ま、負けられませんわっ。テーブルには白いクロスにズラリと並ぶカトラリー。テリーヌに牛のローストにカマスのワイン煮やホットベジタブルも満載のフルブレックファスト。なーんてゴージャスなんでしょう!
それにしても、外は聞きしにまさる寒さです。中心部は徒歩でも十分回れる広さですが、身を切るような風がツライ。ちょっと歩いてはカフェに飛び込み・・・を何度繰り返したことか。でも「ちょっと」といっても旧社会主義国。区画が広く建物もばかでかい。だから歩く距離も意外とハンパないんです。夏はテラス席がズラリと並ぶ新世界通りもクラクフ郊外通りも、そして旧市街広場もぽつりぽつりと屋台が出ているのみ。観光客だってほとんどいません。そして驚いたことに、15時を回るとみるみる暗くなっていくのですよ。つられるように人通りも激減。お店も閉まる。きゃー。
寒く長い夜はオペラに限る
それでも3日もブラブラすれば、観光ポイントはほぼ把握できてしまうワルシャワ。渡航前は、頑張ってオシフィエンチムの強制収容所を日帰りで見学してこようと考えていたのですが、寒さ、日照時間の短さゆえ断念。さあ、では最終日の夜をどうやって彩るのか・・・と、思いついたのがオペラ鑑賞です。ワルシャワはショパンゆかりの地。東欧を代表する芸術の町ですから、かなり期待できます。滞在ホテルと国立オペラ劇場は目と鼻の距離。これならコンシェルジュにお願いするまでもなく、自分で当日券の有無を確認しに行けます。その夜の出し物は・・・おおう。マダムの大好きな演目のひとつじゃあありませんの。そしてさらに幸運なことに平戸間に空席が1つ。即ゲット! ざます。
開演は19時。もちろん真っ暗ですし、エスコートもおりません。が、ヒールを履いて胸を張り、「ひとりでもちっとも寂しくありませんのよ」オーラを振りまきながら出かけていくのでございます。劇場は歴史を感じる荘厳な内装でしたわね?。舞台の天井がビックリするほど高いのが印象的。初日ではありませんからバリバリのフォーマルは見あたりませんでしたけど、バルコニー席や平戸間はドレスアップしているカップルが多かったですわね。休憩を入れながらの4幕が終了したのは23時過ぎ。でも、ホテルが近いので安心です。幕間にワインを飲んだだけでちょっとお腹が空いたのですが、さすがにこの時間にひとりでレストランに入る勇気も元気もありません。部屋に戻ってルームサービスにて、深夜のディナーを堪能しました。
贅沢レッスンは物価の安い国で
平戸間でオペラを見て、ルームサービスでディナー・・・我ながら、サイコーに贅沢な気分でございました。でも種明かしをすれば、比較的物価の安いワルシャワだからできたワザ。ウィーンやイタリアで同じことをしようと思ったら、予算はいかほどに! 想像するだにオソロシイ?。とはいえ「冬のヨーロッパでオペラ」の快楽に目覚めてしまったマダム。このコラムを読んでいただいている頃には、フィレンツェ&ウィーンでオペラ三昧しているはずでございます。ひとりで楽しむオペラについては、マダムヨーコの辛口サロンにて追ってご案内いたしますわね。みなさま、ぜひそちらにもお越しくださいませ。では、ミスターのご無事の帰国をお祈りしつつ、またお目にかかれる日まで。Ciao!
どうなってるの海外NHK
ミスター宛に読者のHOSHINO様から、こんなお便りが届いたそうです。 「この半年ほど、NHKの海外受信番組に変化が起こっています。多くのホテルで、NHK BS放送番組から、NHK international と称する、主に英語での放送に切り代わっています。ニュース等の内容は、internationalを意識してか、英国放送やCNNのトピックスの内容と類似です。日本関連の内容も多いので、興味を引きますが、英語での放送では欲求不満ですし、番組数が少なく、殆どが繰り返し放送。韓国や中国人向けの母国語放送は充実してきているのに、残念なことです」
ミスターは「そうなんだよ! 私も気になっていたんだ」とHOSHINO様と同意見。「本当にNHKインターナショナルは不満だらけ。何かの文化的戦略なのかな? それとも受信料の問題? あの番組内容は外国人に日本を紹介する意味では有効だと思うけど、海外に行った日本人旅行客が必要とする「同時性のある情報収集源」としては全く役に立たないからね。あれならCNNやBBCを見てたほうがマシでしょ。のど自慢や連続テレビ小説があってもいいから、ふつうのNHKを流してほしいよ」と憤慨しておりましたわ。当然のことながら、わたくしも同感です。海外ホテルに勤務されている日本人スタッフのみなさま、これを読んだらご自分のホテルのNHK状態を確認してみてくださいませ?!