街の中心となるカテドラル界隈には、セビリアを代表する高級ホテルやニューオープンのスタイリッシュホテルなど、ハイクラスの宿泊施設が集まると同時に、客室数が10にも満たないアットホームなプチホテルも点在。観光の拠点でありながら、予算に合わせてゴージャスにも経済的にも滞在できるのが魅力です。ふたつあるバスターミナルや鉄道駅周辺には、中級クラスのシティホテルやオスタルがあり、バックパッカーに人気です。中心エリアで手頃な宿を見つけたいなら、サンタクルス街の東側をチェックしてみてください。
開業は1929年。セビリアのみならず、スペインを代表する老舗ラグジュアリーホテルの1軒です。まさに宮殿のような外観、そして中心部となるプエルタデヘレスを望む立地が示すとおり、昔も今も街のランドマークであり、各界VIPの社交場として君臨しています。2012年に大改装を行いましたが、その荘厳さはみじんも変わりません。とりわけ印象的なのが、ロビーから中庭へつながる華麗なセビリア様式のデコレーション。そしてアンダルシア風の中庭では、終日明るい日差しの中で飲食が楽しめます。
客室は、アンダルシア様式、カスティーリャ様式、ムーア様式など、さまざまな時代のスタイルを採り入れており、エレガントで威厳に満ちたイメージを演出しています。ほとんどの部屋から市内の景観を望むことができますが、予算があればより豪華なデラックスルームがおすすめです。プールサイドには、ちょっと珍しい創作レバノン料理のレストラン「タリファ」、伝統的な郷土料理を爽快なテラス席で楽しめる「サンフェルナンド」など、ダイニングやバーも充実しています。
2008年にオープンした、セビリア初となるデザインホテル。屋上プールからヒラルダが目の前というロケーションも強力なアドバンテージで、開業から6年たった今日でもその名声と人気はいまだ衰えず、「パラドールかEMEか」と選択に悩むホテルフリークは少なくありません。そのカテドラルと同じムーア様式の古い建物に、モダンなアレンジを施したスペインらしいデザインコンセプトは想像以上のインパクト。客室の石壁や木の梁を残した天井とミニマルな家具や調度品、アヴァンギャルドなライティングなど、館内はどこもかしこも胸躍る空間になっています。バル風のレストランも人気。足を運んでソンはありません。
サンレアンドロ修道院の北に伸びるサンティアゴ通りから少し入ったところに建つオスペス。周囲の住宅に溶け込むような、典型的なアンダルシア地方の家屋を改装しています。やや素っ気ない外観とは異なり、館内や客室はモダンで軽快なインテリア。白を基調としているため明るく、また清潔感にあふれ、どこにいても開放的なムードが漂います。この現代的な部屋から望む昔のままの中庭の風情は絶品。それを堪能するため、あまり日当たりのよくない中庭向きの部屋をあえて指定するゲストも少なくないそうです。もう一つゲストに人気なのが屋上のプールとテラス。コンパクトですが景観が素晴らしく、朝食時はテラス席の争奪戦になるほどです。
サンタクルス街の中心、主要観光スポットのほとんどに徒歩でアクセスできる絶好のロケーションに建つ、ファーストクラスのホテルです。外観は白壁の伝統的なアンダルシア地方の建物ですが、ロビーは計算されたデコレーションと照明が、何ともミステリアスなムードを醸し出しています。白、黒、紫でまとめられた客室も、また同様。コンパクトですが鏡やライトを巧みに使い開放感を演出。猫足のバスタブが置かれたバスルームも広めでエレガントです。自慢は中庭にあるブラックプールと屋上のラウンジ。うっとりするような夜景を眺めながらのプライベートタイムが楽しめます。