「最高級ホテル」「5スター」といわれていても、何十年も経たホテルの中には、開業時の心を置き忘れてきたようなホテルも少なくありません。だからこそ、オープン直後のデラックスホテルは狙い目です。でも、ハード面でのいろ いろな不備な点があったり、不馴れなサービスでイライラさせられたりと問題があるんじゃないの・・・なんて不安も聞こえてきそうですね。いいえ、5スターホテルに限っていえば、そんなことはありません。
5スターはオープンしたてに味わう
5スターホテルは何といっても、6カ月(またはそれ以上)にも及ぶ長~いトレーニングを経てようやくオープンにこぎつけるのです。全国各地から集まったやる気満々のスタッフたちが、サービスしたくてうずうずしています。ゲス トの満足する顔を見たい、「最高だったよ!」とコメントをもらいたいと心から願っている頼もしい面々ばかり。洗練されたスタッフの静かな自信とやる気にあふれたオープン直後の5スターに滞在すれば、きっとすべてに満足するこ とができるはずです。
5年目の熟成されたサービスを4スターで
4スターには、3スターとの歴然とした違いと、5スターを意識したプライドが欲しいものです。5スターほどサービスマニュアルやトレーニングは充分ではないにしろ、充実した4スターでのステイは満足感が高いはず。5スターほど高 くないリーズナブルな料金設定、と同時に、3スターにはない充実したファシリティ。スタッフのサービスにも窮屈を感じさせない、しかしプライドを感じさせる程よいレベル。そんなバランス感覚が見えはじめるのが、いろいろなゲ ストの好感・不満を吸収経験した開業後5年目あたり。ほどよく熟練されたサービスを存分に楽しんでみてください。
3スターでは「オーナー直々」を堪能
「ホテルは絶対5スター!」と信じて疑わない人にとって、3スターは「な~んだ、3スターか」という感じかもしれません。確かに3スターにはピンからキリまであります。しかしながら、実はこの3スターにこそ「ホテルの旬」が凝縮 されているのです。ホテルオーナーを志す人は大きく分けると2タイプ。人をもてなし、ゲストの満足する顔が見たいというサービスマン型。そして自慢の料理で人をもてなしたい鉄人シェフ型。そんなオーナー直々のハートフルなサ ービスや料理を満喫でき、その「夢」に触れられるのが、3スターホテルの醍醐味ではないでしょうか。ペンションやオーベルジュ等の創業オーナーも同型でしょう。
3スターの中でも経営手腕に優れたオーナー率いるホテルの場合、年月とともにさらなるグレードアップを果たし、そんな野心に惚れ込んだ投資家に資金援助を受けて、ますます大きく成長してゆくことでしょう。しかし、ホテルが大 きく成長してしまったら、もう「オーナー自ら」というわけにはいきません。ですから「オーナー自ら」にこだわり、それが十分に発揮できている規模を保ち、オーナーの心を実践し、ゲストの一人一人に対するこまやかな、そして 心憎いサービスを提供できるスタッフのいるホテル。これが3スターの旬、最高の味といえるのです。