楽しくも悩ましいホテル選び
フリークエントフライヤー(旅の中上級者)にとって、ピンからキリまであるホテルの中から「いかに自分にしっくりぴったりくるホテルを探すか」は、大いなる悩みであり、また限りない楽しみでもあります。ホテルの持つあらゆる要素を調査したとしても、やはり最終的に最も重要なポイントとなるのはハートに響くホテルかどうか、この一点に尽きるのではないでしょうか。それは、ホテルが「ロッジング・インダストリー(Lodging Industry)」つまり宿泊施設産業でありながら、同時に「ホスピタリティ・インダストリー(Hospitality Industry)」そのものであるからに他なりません。
ホテルに何を求めますか?
基本的にホテルの快適さは料金に比例しますし、すべきものです。料金の安いホテルは、原則的に「安い=投資が少ない=マンパワーが少ない=それなりのリスクがある」と覚悟しなければなりません。よって「安いホテル」を利用するのであれば、過度な要求(きれいな建物、豪華な部屋や家具、充実の設備、個性あるブランドアメニティ、手厚いサービス、充分な保安体制など)を求めないこと。そのかわり、このクラスのホテルには気楽さというメリットがあります。
逆に、高い料金のホテルでは、ラグジュアリー(贅沢)さが付加価値として提供されますが、その一方でマナーに厳しかったり、チップが必要だったりと、別の意味での覚悟が必要です。素晴らしいスタッフと高級感あふれる客室や充実した設備が提供されるかわりに、ゲストもそれなりの振る舞いが要求されます。
結局のところ、単に星の数や料金ではホテルは判断できないのです。100人いれば100通りの「よいホテル」があるように、あなたが何を望むのか、どんな滞在スタイルを望むのかによって、「ハートに響くホテル」は変わっていきます。
好き嫌いは別としてクールにホテルを選ぶ(見る)心構えを持ちましょう。そして my favorite hotel を探すこと。他人の情報に頼りすぎず「百聞は一見にしかず」の精神で、あなたのハートに響くホテルと出合ってください。