「緑のスペイン」と呼ばれるスペインのバスク地方、そしてアラゴン人の故郷と言われる北東部は、独自の伝統や文化を脈々と育んできたヨーロッパの異境。近年は美食の発信地としても知られるようになり、さらには世界遺産見学、高級避暑地でのバカンス、郷土祭りなど、さまざまな目的でこの地を訪れる旅人が増えてきました。ミステリアスなもう一つのスペイン、今注目のデスティネーションです。
たとえ信心深くなくとも、一度はトライしてみたいと願う人が多いサンティアゴ巡礼。サン・セバスチャンはかつてその中継地として、そして現在では美しいコンチャ湾を望むエレガントな避暑地として知られています。またここはピンチョスの発祥地であり、個性的な3つ星レストランが集まる美食のパラダイス。世界中のグルマン垂涎の都です。
ビルバオの名を世界に知らしめている名物、それがグッケンハイム美術館とビスカヤ橋。かたや現代美術の粋を集めた殿堂、かたや1893年に開通した世界最古の運搬橋。重工業の町として栄えた歴史とアートによる町おこしで獲得した現代性が見事に融合した、ビルバオの象徴的存在です。町中にあふれる「作品」の数々もお見逃しなく。
カステーリャ語とバスク語による並列表記が正式名称のビトリア=ガステイスは、欧州グリーン首都に選出された先進的なエコシティ。歴史的建造物が映えるよう美しく整備された町並みは、ヨーロッパ地方都市の魅力を凝縮したような雰囲気が漂います。2014年には美食文化首都にも選ばれました。自転車で散策を楽しむのも一興です。
パンプローナで毎年7月に行われる牛追い祭りは、世界中から観光客が押し寄せる大人気イベント。でも、魅力はそれだけではありません。歴史をしのばせる威風堂々たる建造物や個性的なカフェ……旧市街を歩くだけでも心引かれる出合いに満ちています。滞在日数を多めに確保して、郊外のブルゲーデやハビエルにも足を伸ばしてください。