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ウィーンで過ごす夏と冬
みなさま、ごきげんよう。インフルにもノロにも負けず、寒い冬を乗り切ったマダムヨーコでございます。同じように元気いっぱいのマダムママが、先日当然言い出しました。「来年のお正月は、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートを聴きに行きたいわねえ~」。ちょい待ちお母さん! 簡単に言いますが、それって結構な難関ですのよ!
夢の年末年始ウィーン旅行…
クリスマスにロシアでバレエ「くるみ割り人形」を観ること、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートに行くこと、それはマダムヨーコの長年のあこがれでございます。え? いろいろなツアーもあるし簡単じゃん? いえいえ、そこにはマダムなりのこだわりがありまして、これがなかなかイ・ケ・ズ。要エスコート、バレエは正面バルコニー席、楽友協会ならコントラバスの横、前後10日は滞在したい等々、どの口が抜かしとんじゃあ~的なワガママ盛りだくさんなのでございます。
しかしマダムママがヨーロッパに行きたいと言うとは驚きです。元気なうちが華ですから、さっそくプランニングしてみました。当然のことながらこの時期、ツアーの売り出しはまだされていません。チケット手配のサイトを見てみると……た、高い。最安カテゴリーで2000ユーロ! ひええええ! まあ立ち見は350ユーロですが、年配者には過酷ですわよねえ。加えてウルトラハイシーズンの年末年始に飛行機&ホテルも手配するとなると、庶民派マダムにはもう無理ゼッタイ無理!
ウィーンに音楽を聴きに行く!
実はウィーンフィルは12月30から1月1日までの3日間、同じプログラムを同じ指揮者が演奏することになっており、30日のプレビューですと、全10カテゴリーで立ち見が100ユーロ、最上カテゴリーでは約840ユーロと、比較的お手頃な設定がされています。会場のデコレーションや華やぎなどは元日にかなわないとしても、予算を抑えたいならこちらで楽しむのも悪くないものです。旅費・宿泊費も少しはコストダウンできそうですしね。
そしてマダムはもっと突っ込みます。マダムママのマストが「ウィーンフィルのニューイヤーコンサート」ではなく、「ウィーン」と「クラシックコンサート」なのだとしたら、旅の可能性ははるかに現実的になるはずです。演目などにもこだわりがなければ、6~7月(日本の夏休みが始まる前)と11月(クリスマスシーズンが始まる前)のローシーズンを狙うのでございます。
夏のウィーンは音楽イベント盛りだくさん
コアな音楽ファンだと物足りないかもしれませんが、夏のオーストリアは音楽イベントが目白押し。ウィーンだけでなく各都市の宮殿や遺跡、古城に公園、湖畔や湖上といったさまざまな場所で演奏会やオペラ、バレエなどが楽しめます。これなら気合いを入れて望む必要はなく、観光をかねて気楽に参加することができますわよね。
サマーシーズンは観光客も多く街中はとても賑やか。プラーター公園や市民プール(デカいのがある!)で、地元の人たちと一緒に遊んだり、ちょっと足を伸ばしてゼーグロッテの地底湖を探索してきたり、ドナウ川の遊覧船でフンデルトヴァッサーの作品めぐりのクルーズに出かけたりと、開放感に満ちた夏ならではの楽しみ方がたくさん! もちろん、木陰のテラス席で昼からビールやワインを飲む醍醐味も忘れてはなりません。
冬はオペラとテルメとホイリゲへ!
一方、11月はオペラシーズンの最中ですから、お目当てのプログラムを探し、おしゃれをして劇場に足を運びたいもの。好きな演目があれば平土間、ロオジエ、バルコーンなど、いろいろな場所で聴き比べてみるのも楽しいですわよ。もちろん外はかなり寒いですが、建物の中はどこもセントラルヒーティングがバッチリなので、想像するほどつらくありません。ウィーンの劇場はほぼ中心部に位置しているので、近くに滞在拠点を置けば移動もカンタン。夜遅くなっても安心です。
そして寒い季節だからこそのおすすめが、温泉と酒! これまでは郊外のバーデンがスパ施設として有名でしたが、2010年にリノベーションされたテルメ・ウィーンは、中心部から地下鉄で約20分で行けてしまう複合温泉施設。どうやら「スパ業界のオスカー」みたいなアワードまで受賞したとかで、かなりの注目株でございます。もうひとつの酒と言えば、ええ、ホイリゲですわよね~。新酒がお目見えする11月は、辛党にとってのベストシーズンかもしれません。
ベストシーズンを外したウィーンはいかが?
さあ、資料は整いました。後はマダムママにプレゼンするだけ。「どうかしら、ウィーンに行くなら他の季節でも楽しいですわよ。お財布にもかなりやさしいし」。するとマダムママは言いました。「え~、ニューイヤーコンサートじゃないなら、わざわざウィーンに行かなくてもいいわよ。ま、お金持ちになったら連れて行ってね」…何様! マダムヨーコは悔しいです! そんなわけでウィーン旅行をお考えのみなさま、ぜひマダムの提案をご参考に、とびきりの時間を過ごしてきてくださいませねっ。それでは、また来月。Ciao!
海外からの旅行者で「困っている人を見ると『Do you need some help? 』と気軽に声を掛けます」というシェリー様。自分が外国で現地の人に助けてもらってありがたく、また嬉しかったように、私たちの国でも同じようにしてあげたいものですよね。「もう少し英語力を磨かないといけないと思う日々です。最低限の意思疎通が出来るだけでは、会話が広がりません」とおっしゃる向学心もさすがでございます。「きっとスカーレット様は、優雅にお話しされるのでしょう。教養の高さが感じられます」とのコメントもいただきましてよ~(笑)。スカーレット様、いかがでしょう?
3月にオーストラリアに語学研修に行かれるE.O.様より、「下着(ブラジャー)のうまいパッキングの仕方を教えてください!」という切迫したご質問が。わかります! アレ、マジで扱いにくいですわよね~。日本はパット部分が成型加工されているタイプが主流。たたむと本当にかさばりますし、変形も心配です。枚数が多い場合はそのまま重ねるか、パットの中に両側・上部からサイドベルトとストラップを折り込み、やはりパット部分は広げたままで、服の間にはさんでパッキングすると少しは安心できますよ。どうぞお試しを。そして充実した滞在をお過ごしになれますように!
「Could you take a photo of me(us)?」
「写真を撮ってくださいませんか?」という意味のフレーズです。一人旅で自分の写真が欲しい時はもちろん、同行者と一緒に写真に入りたい時に、通りすがりの人やスタッフにこうお願いしてみましょう。お返しに写真を撮ってあげるのも、お互いにいい思い出でになりそうです。
王道だけが正解じゃない
「ベスト」ではない事柄でも、それなりの魅力がきっとあるはず。最上にこだわらず、自分なりの解釈で楽しむ柔軟さを持ちましょう。