アメリカン・エキスプレス
ミスターMのおいしい旅の話「次の旅はここへ行け!」
Vol.
7

なんという進化なのだ、バリ!

ミスターMのおいしい旅の話 なんという進化なのだ、バリ!

2004年後半から鳴り物入りヴィラが相次いでオープンしてきたバリ。果たしてその実情は・・・。このほど現地に赴き、いやはや驚きました!アジア、いや世界のリゾートとしても他に類を見ない、その独特な進化の方向性。いったいバリに何が起こっているのでしょうか?

ヴィラは滞在する人によってタイプが分かれる

バリのヴィラと聞いて、どんなところを想像しますか?ひとくちに「ヴィラ」といっても、ロケーションによってテイストが異なるのは、バリ好きの方には先刻ご承知のこと。私はさらに、滞在する人のレベルで3タイプに分かれると考えています。まずは「ビギナーを含む万人向け」タイプのヴィラ。レストランやパブリックプール等のコモンスペースが完備しており、敷地内で安心して滞在ができるもの。つまり客室スタイルはヴィラではありますが、ホテル並みのサービスが整っているということです。ブルガリ ホテルズ & リゾーツ バリ、ロイヤル ピタ マハ辺りが代表格。次が「隔絶された場所にある中級向け」タイプ。客室内での滞在を楽しむのがメイン。しかしコモンスペースも用意されているので、室外でも息抜きができるというところ。代表格はヴァイスロイ バリ、ウブド ハンギング ガーデンズなど。そして3番目が「上級者向け基本形態」ヴィラです。

上級者向けヴィラとは

この代表格がザ ドゥスン、カユマニス プライベート ヴィラ & スパ アット ヌサドゥア、ヴィラズ バリ ホテル & スパなどです。さあ、少しわかってきましたね?基本形態のヴィラとは、完璧に客室(もしくは各ヴィラの敷地内)でくつろぐことを主目的とした、「ヴィラ」という言葉本来の性質をアピールしているところなのです。このタイプはコモンスペースの充実にさほど力を入れていません。

その代わりヴィラ内にプール、ダイニング、フルキッチンを完備し、バトラーが全てのリクエストに対応。自炊はもちろんのことコックを呼んでの調理や、ヴィラによってはインルームエステすらOKです。ゲストは敷地内から一歩も出ることなく、ヴィラそのものの魅力を満喫する。ただし、自分の要求をきちんと伝えられる自主性・積極性が求められるため、上級者向けとしたわけです。

アマンの時代は終わった?

ですから、バリのヴィラに泊まるのであれば、どういう滞在をしたいのかをまず考えるべきです。あれもしたい、これもしたい、でも自分ではどうしていいかわからないという人なら、万人向けタイプがベスト。反対に、誰にも邪魔されず、じっくりのんびり過ごしたいという人は上級者向けでも、十分にリゾートとしてのバリを堪能できるでしょう。

バリのヴィラが全て同方向に向かわず、このように完全な枝分かれのしているのは実に興味深いことです。そういう意味では、もはや高価格・高サービス・高ホスピタリティの旗手であったアマン独走時代は終わった、と言えるかもしれません。アマンの登場があったからこそ、そこに息づくエッセンスに刺激、啓蒙されて次世代のヴィラ・クリエータがオリジナリティを創出、進化させてこられ、そしてアコモデーション(宿泊施設)こそが旅の目的という高付加価値アップマーケットを創出、魅了したと言えるでしょう。

マイフェイバリットホテル

ウブド ハンギング ガーデンズ

妍を競い合う個性的なヴィラの中でも、私が最も感銘を受けたのがここ、ウブド ハンギング ガーデンズです。未舗装の山道を車に揺られ、ようやくたどり着いたロビーから広がるアユン渓谷の絶景!その深い緑に溶け込むように設けられたヴィラ群は、勾配を巧みに利用した完璧なプライベート空間になっています。最高の眺めを満喫できるプールとウッドテラスは、申し分のないサイズ。室内はバリ・スタイルがベースですが、甘すぎず伝統的すぎずの加減が誠に絶妙。ずっと閉じこもっていても息苦しくない、どこか素朴な居心地の良さに満ちています。

また室内には温もりのある明るい色合いのマルバク、室外は頑丈で景観にマッチしたアイアンウッドを使い分けるなど、素材選びにも工夫が凝らされています。そして圧巻なのが渓谷に張り出すように造られたパブリックプール。あまりの非現実感にめまいを起こしそう・・・。ウブド郊外なので、気軽に外出というわけにはいきませんが、だからこそ、景観にこだわり、徹底的にヴィラ滞在を満喫したい人には最高の隠れ家となることでしょう。

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花鳥風月

リゾートとしての真髄を支えるバリ・スピリット

オーストラリアマーケットが引いてしまった今、バリのヴィラにおける日本人比率は年間平均50%。中には85%を超えるところもあるのだとか。ところが、これだけの日本マーケットを有しながら日本式の「文化」に迎合していない。これがバリの素晴らしさであり、他のアジアン・リゾートとの大きな違いです。観光地にありがちな、いかにもな日本的客引きアイテム・・のぼり、垂れ幕、電光掲示板なんてものは、バリではついぞお目にかかりませんよね(ちなみに私はスイスの山岳リゾートで「おにぎりあります」ののぼりを見て愕然としたことがあります)。商売は商売としても、その基本は妥協のないバリ・スタイルが貫かれているのです。また、環境整備や蚊などの対策、セキュリティの徹底ぶりにも目を見張らされます。キレイ好きな日本人の共感と安心感を喚起させる大きなポイントです。

さらに、こうした整備やメインテナンスにおいて際立つのが「新しいものを古く見せる」というバリの技術。素材選びから色使いまで、その独特のセンスや手法はエコツーリズム、グリーンツーリズムに通じると言っても過言ではありません。文化や宗教、自然を尊び、そこから生まれる精神的な豊かさが生活を支えているバリ。それがいわく言いがたい魅力となって旅行者をひきつけているのでしょう。

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