フランス革命記念日は野外ディスコ大会

高級フレンチが口に合わなかったり、我慢しきれず野田岩に駆け込んだりと、マダム的にはラーメンどころではないヘタレっぷりを発揮した冷夏のフランス旅行。実はこの滞在中に革命記念日があったのでございます。当日、何の気なしにシャン・ド・マルス公園付近のビストロで夕食をすませ、ぶらぶら公園の方に歩いて行くと、地べたに腰を下ろしたみなさんが、アルコールと共に大宴会中。この光景・・・どこかで・・・そう！ お花見！ 激しいデジャヴと居心地の良さに包まれ、わたくしと駒込マダムも、まだ明るい22時頃から路肩でひざを抱え、延々と、延々と、エッフェル塔を見つめていたのでした。

時々やる気を出したライトアップが場をわかせますが、いい加減寒いわ眠いわ、でもなんでチビッコはあんなに元気なんだと、様々な雑念にとらわれ出したまさにその時、突然エッフェル塔に吊されていた銀の玉が、ライトを反射してくるくると回り出したのです。謎の球体は巨大なミラーボウル！ 続いて爆音で鳴り響くディスコミュージック！ ヴィレッジ・ピープル、フランキー・ゴーズ・トゥ・ザ・ハリウッド、アバ、シックに「Do the hustle！」と、ビミョ～に組合方面へとバイアスのかかった選曲が、心のツボを直撃します。バカ受けしているのは、わたくしたちだけではないようで、老いも若きも、それこそ大ハッスル。総立ちのまま最後の花火まで大いに盛り上がったのでした。

明洞のホテルシーンに大きな変化が

台湾勢力が増長しつつあるものの、いまだソウル熱は冷めていないマダムマインド。今年はいわゆるニッパチに訪れましたが、全くもってチケットは安くなりませんのねえ。はぁ。しかし、明洞ラバーのみなさまには朗報がありましてよ！　買・食・癒・直（ほほほ）の最強界隈である明洞に、少し前からホテル開業ラッシュが巻き起こっているようなのです。あのミリオレがホテル併設のコンプレックスビルに生まれ変わるのを筆頭に、明洞ギルや忠武路など、賑やかな通り沿いの大型ビルにカジュアルホテルが相次いでオープン。このブームは南大門や草洞界隈にも広がっており、今後もまだまだ加速・拡大していきそうです。

新規誕生ホテルの大半が2～3ツ星クラス。シンプルorモダンorポップなデザインで、1泊6000円から1万円あたりが主流かしらん。お部屋はとってもコンパクトかつツインの絶対数はマジ少ないのですが、明洞界隈に泊まりたくても手頃で可愛いホテルがないとお嘆きだった向きには、チョーーーお役立ち。わたくしもそんな中の1軒を利用してみましたが、ええ、一人で気楽に過ごすには全く問題なし。トイレの真上に設置されているシャワーも、使い勝手さえ把握できればどんと来いざますよ！　みなさまも明洞の今後の動向にご注目ください。

ソウルといえばのダークな思い出

そんなワクワクのソウルですが、わたくし久々に暗～い気持ちになる出来事にも遭遇いたしました。デパチカのキムチ売り場を物色していた時のこと。突然日本語で「バカヤロウ！」という声が。見ると、いいトシをしたオッサンが、スタッフの女性を怒鳴りつけているのです。どうやら、お土産にするキムチの梱包でもめている様子。でも、真っ白な顔で平身低頭しているスタッフに対するその男性の態度は、誰もが眉をひそめるほどの横柄さ＆しつこさ。もうっ、本当に同じ日本人として、これほど恥ずかしいことはありませんでしたわ。

しかし、もっと驚くのは、その男性に同年配の連れの女性がいたことです。彼女はというと、ただそばに突っ立っているだけ。え～っ！？ それでいいのか、いかがなものか。取りなすなり諫めるなり、いくらなんでも何とかすべきではありませんの！？　どんな原因があるにせよ、衆人環視の中で、明らかに自分より弱い立場にある者を怒鳴りつけるなんて、紳士として、いえ、人として許せませんっ。あのスタッフは、きっと日本人も日本も嫌いになっちゃったんだろうなあ・・と思うと、今でも胸かきむしられる思いのするマダムです。そして、人の振り見て我が振り直せ。自分は決して見苦しい旅人にはなるまいと、改めて心に誓ったのでございました。

2013年も心技体をつくします

さて、みなさま、2013年はどんな旅行をお考えですか？　マダム宛にいただくお便りの中には「バックパックの旅について教えて」といったリクエストも散見するのですが、すすすすみません！ マダムの旅のコンセプトには、現時点で「バックパック」という文字がないのです。ひょっとすると、もっと歳を取ったら開眼するかもしれませんが、いまは安全・安心・エレガントかつ庶民派なトラヴェジェンヌ魂を、みなさまにお伝えしていくので精一杯なのでございます。どんな状況におかれてもビビらず、堂々と振る舞える旅人でいるために、マダムヨーコは、これからも心技体をつくして旅に出かけてまいります。みなさま、どうぞ来年も、辛口サロンをよろしくお願いいたします。Ciao & Buon anno！