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華の都で高級レストランに突撃！
愛するみなさま、ご無事でいらっしゃいますか。このコラムに目を通す余裕などない方はたくさんいらっしゃることでしょう。旅行なんて考えられないという方も。でも、いろいろなことを乗り越えて笑える日は、必ずやってきます。毎日、小さなことで笑いましょう。何かを楽しむ気持ちをなくさないようにしましょう。みなさまのことは離れていても応援しています。どうかマダムのこのささやかなコラムが、みなさまの心のすみっこだけでも柔らかく、楽しい気持ちにすることができますように。
アップルポストくんからのリクエスト
今回は、アップルワールドのサイトに新登場！の赤くて四角のにくいヤツ、アップルポストくん経由のリクエストにお答えいたします。お題は「パリの星つきレストランで気をつけるべきこと」。せっかくパリに行ったなら、一度は行きたいグランメゾン。なぜか五七調になってしまいましたが、おなじ星付きでもビストロなら特に困惑することはありません。デシュネ（ランチ）だと、予約していなくても待てばOKということもあるでしょうし、1人でもカウンター席なら周囲を気にせず過ごすことができるでしょう。問題は・・・グランメゾンですわよね。
基本的には予約をしてドレスアップしていけばいい、のですが、高級レストランが恐ろしいのは、暗黙のルールがたくさんあるということ。明文化されているわけではありませんし、破ったからといってあからさまに態度が変わることもありません。でも、明らかに場の雰囲気は凍りますわね?。同行者がそんなデストロイヤーで、しかも鈍感だと同席者はいたたまれませんもの。で、とりあえず「これだけは押さえて！」の10項目をあげてみます。
グランメゾンで恥をかかない10箇条（1～5）
（１）男性が予約の電話をする
予約電話は男性の仕事。女性同士で出かけるなら事前にメールで予約しておくか、現地でホテルのコンシェルジェに頼むといい感じ。1人のみの食事は不可というお店もあるので、その確認も同時にどうぞ。
（２）同性のみのグループは4人まで
グランメゾンは同性のみの大人数グループをゲストとして想定していません。大人数になるなら必ず男女混合にするか（家族はこの範疇に入ります）、個室をリクエストするなどの配慮を。
（３）ドレスアップはマスト
給仕がフォーマルスタイルなのは、ゲストにもそうあって欲しいという無言の要請です。ジーンズが許されるのは本物のVIPのみ。カジュアルしか着たくないという人は、最初からグランメゾンに行くべきではありませんわよ。
（４）あくまでもレディファースト
納得がいかなくてもそういう決まりと心得て。フロアを歩くのは女性が先、そして上座も女性の定位置です。
（５）ワインのつぎ足しは給仕に任せる
自分たちでしてはいけません。ましてや女性にお酌をさせるのは御法度ざます！
グランメゾンで恥をかかない10箇条（6～10）
（６）料理はシェアしない
料理はひとつのお皿で完成しています。各人が食べたいものをじっくり味わいましょう。他人のお皿に取り分けるのはいちばんしてはいけないことです。どうしてもの場合は、給仕に互いのお皿を交換してもらうのがギリギリの妥協点。
（７）撮影をしない
記念撮影に応じてくれる給仕もいますが、本来はあまりお行儀のよくない行為だと思いますの。それでも撮りた?いと切望するなら、必ず許可を得てフラッシュなしで撮影を。他のお客様への配慮です。資料として必要なら、事前に申し出て隅のテーブルを用意してもらうくらいの心づかいがあってもいいですわね。
（８）談笑は声を抑えめに
特にグループはアルコールが入るとどんどん声が大きくなりがち。女性の高笑いも場を壊しますので要注意。
（９）テーブルで割り勘の計算をしない
男性もしくは誰かがまとめて支払うこと。計算や徴収はあくまでもお店を出てから。
（１０）相手を選ぶ
男女を問わずグランメゾンで高額な食事をすることを、ともに楽しんでくれる人こそ最上のパートナー。日本とは違うマナーやルールに文句を言い続けたり、値段のことばかり気にする人はリストからはずしましょ。
とにかく場数を踏むこと！
ちょっと厳しめに書きましたが、これらのことが守れたらどこでもきちんとしたゲストとして遇してくれるはずですわよ。他には、すする音を立てない、飲み物のグラスに口紅の跡をつけない（ナプキンでその都度ぬぐう）、肘をつかない、髪を触らない、足を組まない、バッグはテーブルに置かない等々の基本的事項がありますが、トラヴェジェンヌのみなさまなら、そのあたりはもはやご了承済みかと。最初のうちは恥ずかしい思いをしたり、緊張して味がわからなかったりするのは当然のこと。でも「やっぱりグランメゾンでする食事の優雅さや喜びは格別！」と感じたのなら、ぜひ次回も道場破りに出かけてください。場数を踏む・・・これこそがグランメゾンを心から楽しむベストの方法なのです。
マダムの失敗談をひとつご披露しましょう。場所はウィーン最高峰といわれるレストラン。その日は午後に到着し、一息ついてすぐオペラ観劇と超ハード。よってテーブルに着いたのは23時を回っていたような気がします。そして・・・ああ！！ わたくし、デザートが出る前に居眠りしちゃったんですの！ 首がガクーンとなって手でテーブルをバーン！ シーンとしましたわねえ・・・。心得追加。おいしいものを食べに行くなら時差ボケ＆強硬スケジュールはやめること！ ついでに、1人でファインダイニングのバックナンバーもご覧くださましね。では、みなさま、また来月。Ciao!
スカーレット様から久しぶりにお便りをいただきました。男性に多くを期待するマダムを「やさしくてロマンチストですね」と。いや?、そうするとハードルがガンガン上がって大変です。よしあしですわ?、オホホ。「夏休みって北米方面の航空券がバカ高いのをご存知でしたか？ 世間知らずの私は今年の夏はアメリカで過ごそうと思っておりましたのに、ヨーロッパ方面の２倍以上の料金という事実に死ぬほど驚かされました」。んまあ、そうなんですの！？ マダムはなぜかアメリカ方面にあまりそそられないので存じませんでしたわ。最終的にイギリスを選んだスカーレット様。どうかご無事に楽しい夏休みが過ごせますように！
マダム宛にお便りくださる方はもちろんですが、アップルポストくんで紹介されている辛口コラムへの感想、わたくしちゃーんと目を通しておりましてよ。楽しみにしてくれているたくさんの方々、いつも本当にありがとうございます。そしてこれからもどうぞよろしくお願いいたします。
「I（We）have had more than enough」
「もう十分いただきましたので」という意味。レストランで気がついたらワインが空いていた。給仕が追加をすすめてくれるけれど、これ以上は飲めそうもない、もしくはもう予算が厳しい・・・という時に使いたいフレーズです。「No thank you」より丁寧で品のいい断り方です。
経験のみがオノレを磨く
とにかくやってみる。恥をかいて学ぶ。そうして身についたことは自然と自分の血肉になる、という意味。宗方コーチが言いそうな言葉。
