マダムヨーコの辛口旅サロン「目指せエレガント・トラベラー」
Vol.
51

ホテルルームから愛をこめて

マダムヨーコの辛口旅サロン ホテルルームから愛をこめて

みなさま、もうあと数日で2010年も終わりですわね。今年はどんな年でしたか? マダムは旅行→通院→旅行→通院の無限ループでございました。しかも後半は通院の方が多かったりして。まったく泣く子と地頭には勝てませんわね?(←ナニが言いたいのか)。では、本年最後の辛口サロン、暖かいお部屋でゆっくりお楽しみくださいませ。

どこも満室ソウルのホテル

またもやミスターとちょいかぶりですが、先日ソウルに行ってまいりました。今回は「ひとりでのんびりエステ三昧」がテーマでしたが、途中で長年の旅友である博多マダムが合流することに。そこで押さえていたロッテ ホテルのレディースフロアダブルをツインに変更するべくリクエストしたところ、満室不可とのこと。じゃあ、エグゼクティブフロアでもよろしくてよ?んと余裕をかましてみたのですが、こちらも不可。え?、なら別のホテルに変えようかしら・・・とチェックしたら、んまあ、どこもかしこも満室・満室・満室!

特にイベントがあるとか祝日だとかいうわけではありません。反対に時期としては年末前のローシーズンのはず。一体何がどうして!? 答えてくれたのは旅行業界通の品川マダム。「今ソウルは飛行機もホテルも全然取れないのよー。日本はもちろん中国、台湾、香港でもすごい人気らしくて、ホテル料金も下がらないんだから」とのこと。うう、ソウルちゃんたらいつの間にそんな売れっ子に。気が向いたらすぐに会いに行けるはずが、突然手の届かない人になってしまった気分よ?。指名料も高いし?。

アップルワールドで奇跡の客室ゲット

最悪、女性二人でダブルベッドをシェアと思い詰めましたが、確かレディースフロアの客室に入っていたのはキングではなくセミダブルのはず。これはツライかも。どうしましょう・・とギリギリまでネットサーフィンをしては明洞界隈の空室検索をし続けたマダム。そしてほぼあきらめかけたところ、奇跡的に見つかりましたのよツインルームが! しかもホテル プリンスと立地も最高。提供先はアップルワールド。ブラボー! まさに灯台もと暗し(なのか?)。ホテルランクはガクッと下がりましたが、いいのよベッドが分かれていれば。わたくし、久々に池袋方面に向けて感謝の祈りを捧げたのでございました。

とはいえ、マダムにとってはソウルにおける初のカジュアルクラス滞在。遅れて到着する博多マダムがガッカリしないようなお部屋であることを願いつつ、一足先にチェックインいたしました。こぢんまりとしたロビー、ほっそーいコリドー、う・・・ん、こんなものよねー。そして客室。さすがに狭っ。片方のベッドは3方が壁にくっついてるし。でも先頃改装したとのことで、木のフローリングや家具類、バスルームは清潔感たっぷり。アメニティは石鹸のみですが、シャワートイレや小さいけれどバスタブもある。時間が経つにつれ「これで十分なんじゃ?」と喜びがこみ上げてきたのでございました。

客室は「くつろげる」ことが基本

それにしてもホテルって本当に不思議ですわね。グレードの高いところに泊まっていると、もうこれ以下のところでは過ごせないと思うんですけど、実際にエコノミークラスを利用してみると、悲しいことにスルッとなじんでしまう。それってわたくしの魂のレベルがエコノミー・・・いえいえ、それだけではないはず。ええ、絶対に。当たり前のことですが、くつろげるかどうか。基本はそれだと思うんですのよねえ。

マダムがくつろげなかった部屋とは、まず何よりもベッド周りがダメなところ。ああ、思い出してきました。枕を持ち上げたら小さな虫が固まっていた(あうう)ボラカイのリゾート、枕が雑巾くさかったパリのホテル、マットがふわっふわなパンコールのリゾート、反対に人型に窪んでいたバンコクのホテル、リネンが化繊ぽいワイキキのリゾート等々。中には堂々の5スターもありますが、なんにしろ寝心地の悪いベッドは大いなるストレスなのでございます。

ストレスはハードだけでなくソフト面でも

別の意味でストレスだったのは、マドリードのホテル。マダムここで生まれて初めて金縛りを体験しましたの。ベッドサイドには、わたくしの動かない体を引っ張ろうとするおかっぱの小柄な女性のシルエット・・ええ、思わず「ああっ」と声が出ましたわね?。あまりに恐ろしかったのでさっさと眠りましたが、これはきっと外光の入らない部屋という心理的負担が見せた幻影だと思います。同じように廊下や隣室の音が聞こえてくる部屋もイヤですわねえ。熟睡中に大きな音で目覚めるのって、本当に心臓によくありませんから。

また部屋に3名の専属バトラーがついたハイカテゴリーの客室も、実はさほど快適ではなかったことを告白いたします。だって、だって、朝起きてコーヒーが飲みたいなと思ったとき、客室にセットがあれば隙だらけの格好ですぐいれられるでしょう。でもバトラー付きの部屋ってのは、そういう「雑用」はすべてバトラーの仕事。電話でリクエストです。これが意外と面倒くさいしわずらわしい。本物のセレブなら、ベッドの中でも真っ裸でも平気で「カムイン」なんでしょうが、マダムのライフはそんなスタイルじゃないのです。バトラーが運んでくるコーヒーのために支度を調えて・・って、やってられるかぁ!!

安さや気楽さの背景にある問題

じゃあ、何をしようと放っておかれる超安ホテルでもいいのか。それも違うんですのよ?。ラゲッジを開けっぱなしにすることはおろか、貴重品をセーフティに入れても安心できない、寝ているときにも身につけていなければならないようなホテルなんて、どーかしてますでしょう? これぞくつろげない部屋の究極。安さだけで選ぶと往々にしてこういう問題が発生します。だったら多少料金は高くても、安心して部屋を空け、外出できるようなホテルを選んだ方が、ストレスは格段に軽減されると思いませんか?

ホテルの部屋は旅先の自室

よくホテルガイドで「自宅にいるような」という表現が使われますが、その通り。寝心地がよくて安心で、そこにいる時間は誰にも邪魔されずに心身を解放できるシェルターのような場所。それが旅先のホテルルームの理想形なのです。たとえ客室にいる時間は少なくても、ここが快適、ここがイマイチと考察していくと、だんだん自分の好みの「部屋」の条件が定まってくるのではないかしら。そんなところにも旅の楽しみは隠れていると思いますわよ。

ちなみに、先ほどのバトラートロイカ体制のホテルですが、ベッドリネンは最高! しっとりと吸い付くようなエジプト綿の感触は、年月が経った現在でもはっきり覚えておりますもの。これだけのヒントでどこのホテルか言い当てられる人がいたらスゴイ。マダムから賞品をお贈りしちゃいますわ! それではみなさま、よいお年越しと新年を。来年も辛口サロンでお目にかかりましょう。Ciao!

聞かせて、あなたの声を

3月にワルシャワでオペラ鑑賞を考えているというYano様からご質問をいただきました。「マダムヨーコは深夜に一人でルメリディアンに徒歩で帰宅されたのですよね。ワルシャワは治安が悪いと聞いていますが、帰路、不安は全くなかったですか?」。はいー、歩いて帰りました。終演は23時過ぎでしたが、観劇帰りの人々がまとまってクラクフ郊外通りの方に繰り出していきますので、全く問題はありませんでした。徒歩で帰館するならソフィテル ヴィクトリアやハレンダ、もう少し頑張ってグロマダのあたりまで可能ではないかと思います。でも毛皮や貴金属類を大量に身につけているなら、ホールからタクシーが無難。歩くならコート類は地味で保温性の高いもの(とにかく寒い)が賢明ですわね。クロークで預けてしまうのですから多少ヘビーなアイテムでも構いません。あと多少遠回りでも大通りを歩いてくださいね。3月の演目は何でしょう? 素敵な滞在になりますように!

旅先で彼氏がイケてるイケてないテーマについて、ウエステージ様からはこんなご報告が。「私の女房は『女友達とのグループ旅行も楽しいけど、私はあなたと二人で行くのも好き』と、泣かせるようなことを言ってくれます。片言ですが、英語のみならず仏語も話せるところが『チョットかっこいいのかなあ』と、自己評価しています」・・ウエステージ様妻、羨ましいですぅ。女性は堂々とエスコートしてくれる、しようとしてくれる姿勢にホレちゃいますからね。もっとお二人のラブラブ旅エピソードを聞かせてください。またのお便り、心からお待ちしております。

使えるワンポイント英会話

「I must go.」

意味は「もう行かなくちゃ」。街角でのしつこい客引きやナンパ、はたまた相手に一方的に押しまくられて二進も三進もいかなくなったとき、伝家の宝刀よろしく放つのがこの一言です。もちろん焦り気味な表情やソワソワした動作を演出すれば効果は倍増。危機管理のためにも、ぜひ覚えておきたいフレーズのひとつです。

他にも、あらゆるシーンで役立つ英会話がそろってます!

マダムイラスト
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快適基準はよりワガママに

高級だから快適とは限らない。自分にとっての居心地のよさを追い求めることは決してワガママではありません。

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