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ミスターMのおいしい旅の話「次の旅はここへ行け!」
Vol.
60

話題沸騰! マリーナ ベイ サンズの本当の楽しみ方

ミスターMのおいしい旅の話 話題沸騰! マリーナ ベイ サンズの本当の楽しみ方

シンガポールに登場した、話題のホテルマリーナ ベイ サンズ。屋上に豪華客船が浮かんでいるようなあっと驚くその姿は、テレビコマーシャルの舞台となったこともあり「泊まってみたいホテル」ナンバーワンといった人気ぶりです。ところが、実際に滞在した人々から聞こえてくるのは、「それはないんじゃない!?」という不満の声。うーむ、困りましたね。さっそくその背景を考察してみましょう。

「初」づくしのマリーナ ベイ サンズ

2010年4月にオープンしたシンガポールの新たなランドマーク、マリーナ ベイ サンズは、3つの高層タワーを屋上で連結し、そこに広大な熱帯オアシス「サンズスカイパーク」(プールの長さは150メートル!)を配置した、ぶっとびのデザインで世界中の耳目を集めています。客室は2500室、50にも及ぶダイニング施設、屋内スケートリンクを併設した巨大ショッピングモール、全4000席の2つのシアター、そして地下には世界最大級のカジノを備えるなど「シンガポール初」「世界初」の冠がガンガンつく、5ツ星デラックスホテル。さぞや夢のようなホテルライフが・・・と、いやがおうにも期待は膨らみます。

これだけのホテルですから、注目度も世界レベル。目の肥えたトラベラーが見逃すはずはありません。予約困難の高い競争率を勝ち抜いて、それなりの予算と覚悟でみなさんお出かけになったのでしょう。ところが帰国後のコメントにはずらりと不満の声! その代表的なものがこの3つです。
「チェックインで待たされる」
「日本語の対応がない」
「サービスがひどい」
ああ・・・。私に言わせれば、まさしく「ああ」としか言いようのない事柄なのです。

そもそもここは「カジノホテル」である

まず問題なのは、みなさんがマリーナ ベイ サンズのコンセプトを理解していないことではないかと思います。ここはいわゆる「シティホテル」「リゾートホテル」ではありません。あくまでもカジノ収益がメインの「カジノホテル」です。したがってマネジメントもカジノ部門の比重が重く、ゲームとそれを楽しむゲスト中心に運営されています。ちょっと大げさに言えば、カジノ以外は客室もプールもダイニングもエンターテインメントも、み?んなおまけ。ほとんどカジノで遊ぶゲストの休憩室であり、食事処であり、リラックス施設みたいなものなのですな。

だからサービスもカジノ客が最優先なのは当たり前。「え?、私だって高い室料払っているのに」ですって? 申し訳ないがケタが違います(笑)。本気のカジノ客が使うお金は、1回の滞在で軽くウン千万の世界。ホテル側としたら室料や食事代、もしくは往復の旅費まで無料にしてあげてもいいくらいの超お得意様。こんなゲストが来た日には、チェックインからアウトまですべてにおいて一般客と別待遇となります。フロントの長い列に並ぶ必要はありません。わがままなリクエストもサービスも笑顔でウエルカムです。当然です。

すべてのサービスはカジノ客のため

カジノホテルが24時間稼動なのも、カジノで遊ぶゲストのためのシステムです。レセプションには常に一定の人数が配されていますが、反対に言うとチェックインやアウトの混雑時だからといって人手を割けない、ということ。規定の時間に入館しようとする一般のゲストが長時間待たされるのは、このせいなんですね。私もかつてラスベガスのホテルで、チェックインに5時間待たされたことがありました。でもカジノホテルの事情を知っている他のゲストは「仕方ないよね」と、実にあっけらかんとしたもの。豊富な軍資金を有するハイローラーと区別されるのを、当然のことと受け取っているのです。

マリーナ ベイ サンズも、ターゲットは中華圏を中心とした富裕層ギャンブラー。彼らの目的はゲーム一点。だから、イメージにひかれて物見遊山で来るような日本人ゲストは、二の次三の次になって当然なのです。もしカジノでがんがんお金を使ってくれる日本人客がたくさん来れば、速やかに日本人スタッフを雇い、日本語サービスを充実させることでしょう。それがカジノホテルなのです。

「ニューオープン」にも注意が必要

また、マリーナ ベイ サンズにクレームが多いもう一つの要因として、ニューオープンゆえの混乱も考えられます。これはこのホテルに限ったことでなく、どんなラグジュアリーホテルでも同じこと。たとえ5ツ星クラスでも、開業後1年ほどは落ち着かないものなんですな。ポカもトラブルも多くて当たり前と思っていたほうが、ストレスを感じずにすみます。加えてマリーナ ベイ サンズは規模が大きすぎます。スタッフもてんてこ舞いのはず。今はまだ大目にみてあげたいものです。

まずはカジノで遊んでみよう

では、どうすればマリーナ ベイ サンズのようなカジノホテルで快適に楽しめるのでしょう。答えは簡単。カジノでお金を使えばいいんです! 実にわかりやすい。ほとんどのカジノホテルは、プレイヤー向けにクラブカードを発行しており、勝ち負けにかかわらず「カジノで使ったお金」に応じた特典を用意しています。たとえばラスベガスなど最近ではほとんどのカジノホテルに採用されている「スロットクラブ」や「プレーヤーズクラブ」は入会金や年会費無料。とくにラスベガスはキャッシュバック率がよいため人気。金額の多寡に関係なくカジノ遊びがお好きなら、予算が乏しいローローラーでも持っていて損はない1枚といえるでしょう。マリーナ ベイ サンズもカジノでメンバーズカードを発行していて、そのポイントシステムで食事などの無料特典が受けられるようです。これがなかなか魅力的。興味のある人はまずカジノに足を運んでみてください。

そしてカジノに興味がないならば、あれこれ文句を言わずテーマパーク気分で過ごすことです。テーマパークなら何かをするときに長い時間待たされたり、限定ルールで不自由な思いをしても、みなさん我慢してしまいますよね。マリーナ ベイ サンズもなにしろハードは最高ですから、テーマパークだと思えばいくらでも楽しめるのではありませんかな。カジノで遊ばないならサービスもホスピタリティも期待しないこと。カジノホテルという特殊な環境をよく理解し、「割り切った」お付き合い(笑)をしてください。

花鳥風月

花鳥風月 ビバリーヒルズのレストラン名訂正します

前回のコラムで紹介したビバリーヒルズの王道イタリアンですが、店名を間違えて記載してしまいました。「ルイーズ・トラットリア」(Louise’s Trattoria:342N Beverly Dr.,)ではなく、正しくは「マデオ」(Madeo:8897 Beverly Boulevard)です。ルイーズはというと、カジュアルで気さくな店。ボリュームも料金もお手頃なので、大勢でワイワイやるにはおすすめです。こちらもディナータイムテーブルを確保したいなら予約を。コラムを読んで「ルイーズ」に出かけ、「ん? 雰囲気が違うゾ」と不審に思われた方がいたら申し訳ない。以降気をつけますのでどうかお許しを。

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