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ミスターMのおいしい旅の話「次の旅はここへ行け!」
Vol.
30

「もてなされ上手」になるためのカンタン会話術

ミスターMのおいしい旅の話 「もてなされ上手」になるためのカンタン会話術

海外旅行で誰もが悩まされるのが「言葉の壁」。現在では観光やビジネスで訪れる国のほとんどのホテルで英語が通じるようになりましたが、それにしても、日本語でなら「あ・うん」やツーカーですむ事柄をあえて説明しなければならないわずらわしさ! みなさんも経験おありのことと思います。でも、英語が堪能なら、旅慣れていると思われて相手がこちらに一目置くかといえば、決してそうとは限りません。「この人、わかってる!」と感じさせ、大切なゲストとして遇されるには、ほんの少しの心得が必要です。今回は、そんなコミュニケーションチップを。

Pleaseだけじゃキャビンアテンダントは喜ばない!?

飛行機の中で、キャビンアテンダントがサービスを開始しました。「何をお飲みになりますか?」。さあ、あなたなら何と答えますか? きっと多くの人が「Coffee(tea),please」でしょうか。これは、日本語の「コーヒー(紅茶)お願いします」の直訳。コミュニケーションフレーズとしては、実はもうちょっと・・・なんですね。隣の欧米人のやり取りを、耳を澄ませてよく聞いてみましょう。「Coffee, please. Thank you.」「Coffee, thanks.」と答えてはいませんか? え? 何だか違和感が・・・?

「お願いします」も「ありがとう」も、Thank youと

こうしたシチュエーションでは、「××, (please.) Thank you」が実際的。丁寧に話そうとして「I would like to have a cup of coffee」「May I have a cup of coffee?」とオーダーする人もいますが、この場合はちょっと不自然かも。なぜなら、キャビンアテンダントは、見てもわかるとおりドリンクサービスをしているのですからね。この場合には、「I will have a cup of coffee, thank you.」でOKです。

また飲食のサービスが終了し、たまたま通りかかったキャビンアテンダントに何かお願いをしたいときや、ピンポンとコールボタンを押して頼む時にも、先のフレーズを使いましょう。ついクセで、どんな時でも「May I?」になっている人は、ぜひお試しを。状況を見て使うべきフレーズが判断できるようになればマッチベターです。

恥ずべき対応2種はコレ!

ところが、サンキューどころかプリーズも言えないシャイな(?)日本人がいまだ多数を占めるという、嘆かわしい現状があります。「コーヒー!」「新聞!」「水!」「肉!」「魚!」機内に飛び交う単語の数々。女性のみなさん、いくらかわいらしい声を出したところで「コーヒー」はいけません。女性のたしなみとして、きちんと「サンキュー」を付け加えてください。男性のみなさん、「ありがとう」も「お願いします」も言えないのではグッドトラベラーには程遠いですよ。相手が笑顔で応じていても、心の中では軽蔑されています。

もう一つ、お願いするつもりで使ってしまいがちなのが「私は?がほしい」で習った「I want」です。前回も軽く触れましたが、「want」は命令・要求する時や、直球的なニュアンス。通常のサービスで使うのはとても失礼です。唯一使っていいシチュエーションは「I love you, I need you, I want you」ですね! サービスに「I want」なし、と心に留めておいてください。

ホテルのレセプション(フロント)での第一声は?

続いて、ホテルにチェックインするとき。あなたは何といってレセプションに向かいますか? 「Check in, please」・・・ふむ。悪くありません。悪くありませんが、ハイパートラベラーなら、もうワンランク上のやり取りを実践して欲しいもの。まずは、あなたがレセプションに近づいたとき、スタッフがどういう対応をするか観察してみましょう。

カジュアルな第一声は、「Hello!」「Hi!」「Welcome!」が一般的かと思います。これぞ、コミュニケーションのきっかけ。それに応えて、いきなり「Check in, please」ではちょっとビジネスライク過ぎませんか!? 「Hi」といわれたら「Hi」、「Hello」といわれたら「Hello」と笑顔で応えましょう。この会話が、あなたとスタッフの距離を近づけ、対等の関係を築く役割を果たします。そう、対等の関係です。なぜなら日本ではお客様は神様ですが、海外ではサービスをする人とされる人に上下はありません。サービスをする、サービスを受けるという立場の違いがあるだけだからです。

親しみ感=グッドゲスト

人間関係の距離を測ることは、移民の国アメリカやオーストラリアではとりわけ重要な事柄です。あなたが大切なゲストとしてきちんと遇して欲しければ、はじめが肝心。「Hi」という親しみのある挨拶をされたら、すかさず「Hi, how are you?」と応じてみましょう。この一言で「いい感じのゲストだな」とファーストインプレッション! その後は型どおりのやり取りで構わないのですが、これであなたは「喜んでサービスしてあげたいゲスト」の、最初の関門をクリアしたことになるのです。

ところで、コミュニケーションで親しみを表そうとして、ついやってしまいがちな間違いが、相手をいきなりファーストネームで呼んでしまうこと。ネームプレートに「John」や「Kate」と名前しか書いてない場合は、「どうぞ名前で呼んでください」サインと受け取って構わないのですが、そうでない場合はあくまでも「Mr. 名字」「Ms / Miss 名字」(既婚が明らかな場合はMrs. でも)が基本です。何度か会話を交わしているうちに、相手から「Please call me, John」と許可があったら、初めて名前で呼んでいいのです。親しみを込めて呼んだつもりが・・・(汗)。一流ホテル、特にアメリカでは気をつけましょう。

アジア、ヨーロッパ言語にはたいてい敬語表現がありますから、初対面同士ではまず敬語で話すのが基本。特に目上や格が上の人については、その人が「“君”“あなた”で話しましょう」と切り出すまでは、敬語でなければなりません。外国人だからファーストネームで呼ばれると嬉しいはず、という思い込みは正しておくべきですゾ。

電話確認の時は必ず名前を聞く

コミュニケーションと言えばもう一つ、電話ですよね。予約の確認、チェックインの遅れ、各種リクエストなど、確実ですぐに結果がわかるのが電話。でも、顔を見ながらの会話なら何とかなるけれど、電話となるとお手上げ・・・という人もきっと多いんじゃないでしょうか。相手の表情を見ながらなら、わからないフレーズが出てきてもなんとか内容を推察できるし、言葉も挟みやすいけれど、電話はそうはいきません。でも、急を要する場合にはメールでは用を足しません。

そんな時、メモと相手の名前を聞くことを忘れないでください。メールと違ってやり取りの証拠(evidence)が残らない訳ですから、いつ(日時)、誰と、どんな話をしたかをメモしておくことです。同名のスタッフがいたりする場合もあり、ホテルにはシフトがあるので、いつ(日時)が結構ポイントなったりします。会話の最後に必ず「May I know your name?」「Who’s on the line, please?」と、相手の名前を聞きましょう。そして電話を切るときには「Thank you, Mr.(Ms)××」と添える。これで、あなたの名前を覚えましたよというアピールになります。海外では個人責任の明瞭化はカルチャーです。現地で行き違いになりそうだったら「Mr.(Ms)××といつ(日時)確認しましたが・・・」と切り出すとスムーズに事が運びます。

海外旅行では英語がマストだからといって、無理やり難しいフレーズをたくさん覚える必要はありません。基本的なことを、シンプルに、そして「笑顔」で受け答えできれば、きっとどこでも好感を持って受け入れられることでしょう。今回紹介したのは、そのほんの入り口ですが、どうぞ実践してみてください。

花鳥風月

香港・マカオのミシュラン騒動?

中国最大のイベント春節、2009年の今年は暦の巡りで1月の末に祝われました。いくら商売熱心な中国人といえども、元旦は軒並みクローズしてしまいます。それを覚悟で出かけた香港・マカオ。さすがに旅行客相手の大型モールは3日目には開店していましたが、もうバーゲン品も残骸といったありさまでした・・・と、まあ、それは置いておいて、私が知りたかったのは、昨年末にデビューしたミシュランの影響です。いやあ、評判悪いです。「しょせん中華のわからないフランス人のチョイスだよね」という声が圧倒的。そして「ミシュラン、ふーん」てな感じで全く無関心。ところが! 掲載店はどこもかしこも予約でいっぱいなのですよ(笑)。大はしゃぎするのはチャイニーズとしてのプライドが許さない、でもやっぱり気になるから「ひとつ、この俺様が試してやるか」ってところかな? 私は一つ星に輝いたマカオのグランド リスボア内の「ザ・エイト」に行きました。アラン・チャンが手がけたデザインのシックで豪華なこと! レーザーポイントの金魚が泳ぐように動き、光り輝くボールが宙に浮いているエントランスの印象は強烈です。料理は広東&上海料理。美しく愛想のよい美女ウエイトレス軍団もgoodです。手ごろな料金で飲茶が楽しめるランチタイムが狙い目ですぞ!

イメージ
教えてミスター

ホテルへのリクエストメール:宛先の書き方について訂正します

前回のメルマガで、ホテルにリクエストメールをする際の宛先について、部署を記載する例として「Attention to The 部署名」という書き方を紹介しましたが、読者のKatsuharaさんより「Attention」の用法についてご指摘をいただきました。
「Attention to The Manager」「Attention to The Room Service」 のように前置詞の to を置くと「マネジャーに気をつけろ」「ルームサービスに注意しろ」という意味になるので、Attentionの後ろに toをつけるべきではないと商業英語の講座で教わりました。」

ご指摘通り! これは私のカン違いでした。通常、ビジネス文章のヘッダは

・ date :  発信日時

・ attn :  宛先

・ from :  発信人

・ via :  FAX or e-mail など

・ page :  FAXの場合には合計何ページ

・ re :  主題

と表記されるので、Katsuharaさんがおっしゃるとおり、特定の担当部署あるいは担当者に見て欲しい場合は、「Attention : The Manager」ですね。また文章的な記述でも「address to 〜」「for the attention of 〜」となりますから、「attention to 〜」は注意や警戒を促す内容と読めてしまいますので、使うべきではないですね。

ご指摘、誠にありがとうございました。感謝とともに訂正させていただきます。

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