マダムヨーコの辛口旅サロン「目指せエレガント・トラベラー」
Vol.
117

パリからの週末逃避行プロジェクト

マダムヨーコの辛口旅サロン パリからの週末逃避行プロジェクト

みなさま、ぼんじゅ~。このコラムが届く頃にはヨーロッパのどこかで街歩きを楽しんでいるはずのマダムヨーコでございます。ですが出発前の今、聞こえてくるのはパリ大雨でセーヌ川大増水! 危機回避のためルーヴル&オルセー閉鎖! またもやテロ注意勧告発令と不安要素の満貫状態。さらに宿泊予定のホテルはセーヌ右岸の川岸至近。ああ、わたくし首尾よく旅を完遂することができるのでしょうか…。

マダムひとりビストロで寂しく週末を過ごす

昨年末のウィーン滞在の際、フライトの都合で復路がパリ経由になったわたくし。そりゃあ大喜びで、花の都寄り道滞在としゃれこんだのでございます。ところが! すっかり忘れておりました。週末のパリはどこもかしこも閉店ガラガラだということを! ま、ミュージアムや飲食店は通常営業ですし、マレ地区まで足を伸ばせばそれなりにショッピングも楽しめますわよね。実際、テロ事件の影響もあってか、新装オープンのピカソ美術館は行列もなく、大変快適に観賞できたのでございます。

でもねえ、ホテル周辺は、わたくしの心の拠り所モノプリまで休業なんですのよっ。今さら遠出をする気力もなく、ビストロで昼からワインを飲みつつ「もうゼッタイ週末のパリになんか来ない、きーっ」と、ひとりクダを巻いていたマダムヨーコ。その記憶もそう遠いことではないくせに、ああ、またもやファイナル滞在をパリに設定してしまったんですのよ〜。しかも航空券を予約してから気がつくというおバカぶり。自分にあきれてしまいましたわ。

ブリュッセルからロンドンへと変更してみたものの

そんなわけで今回は、週末を過ごすための小旅行を迅速&確実に手配です。すぐに思いついたのは、真っ赤なタリスちゃんでわずか1時間半のブリュッセル。前回の訪問時に改装中だったグランプラスも、きっと美しく仕上がっているはず。未見の観光スポットもたくさんあります。これはナイスアイデアと、さっそくリファンドなしの格安早割運賃でタリスをゲット。しかし! その直後です。あのテロが発生したのは…。

さすがのわたくしも、これはまいりました。その時点で旅行はまだ半年以上先とはいえ、状況がどうなるかわかりません。ならば行き先を変えてみる? ユーロスターでドーバーを渡っちゃうというのはどうかしら? あ、それいいかも。ロンドンは10年くらいご無沙汰ですもの。セント・パンクラス駅周辺に宿を取れば、アクセスの負担も少なくてすみそうですしね。さっそくチェック開始です。

ロンドン断念でもフランス地方都市はイマイチ

…高い。ミスターに折々にうかがっていたものの、ロンドンのホテルって、こんなに高いんですのねっ。ゲストハウス7平米で2万円弱って…マジですか!? さらにユーロスターはなぜか大混雑で、ビジネスプレミアクラスしか空席がありません。くうう、どうするマダム? 悩むわたくしに、友人から「ユーロスターって何かあるとすぐ止まるんだよね」とのダーク情報も。

だ、だめだ。最終日は早朝にロンドンからパリに移動し、そのまま帰国便に乗る予定なのです。それじゃあリスキーすぎます。潔くあきらめて別案を考えましょう。中目黒マダムご推薦のリヨンやディジョンはどうかしら? そういえばトゥルーズにも行ってみたかったのよね。それともタリスで国境のリールで降りちゃうっていうのは? うーん。どれもこれも帯に短したすきに長し。マダムのハートを射抜くような決め手に欠けるんですのよねえ。

ダークホースのコルシカ島急浮上!

じゃ、いっそのことサルディーニャ島まで飛んでしまおうかしら。その時です、地図をガン見していたマダムに天啓がひらめきました。コルシカ島! フランス領のこんな島があるじゃあありませんか。といっても、知っているのはナポレオンが生まれたところという程度。ほとんどノー知識と言っていいデスティネーションです。ふ~ん、フランスでは「コルス島」と呼ばれているんですのねえ。

パリからコルシカ島の2大観光都市であるアジャクシオとバスティアまでは、飛行機で約1時間半。本数は多いし、復路CDG着便もあります。おお~、これは超便利。しかも安い。またコルシカ島はヨーロピアンには人気のリゾート地で、6月はまさにハイシーズンの入口なんだとか。内陸には素晴らしい景勝地もある模様です。もうっ、ここで決まりかしら!? 行くしかないかしら!?

海を渡る移動は日程と時間に余裕がなきゃダメ

ところがまたまた難点発見。コルシカ島は地理的な要因で、強風が吹くとすぐに飛行機が欠航するらしいのです。そうなると、どうしても帰国の足に不安が出てきます。やはり海を渡るのは、日程や時間に余裕がある時でないと、安心できませんわよね。はああ(ため息)。LCCの予約ボタンをクリック寸前で押しとどめ、インターバルを置いて再々考の構えに突入でございます~。

テロ騒動も落ち着いてきた数カ月後、「そうか、ブリュッセルを通り過ぎて、比較的安全なゲントやブルージュに行けばいいのよ」と思いついたわたくし。見たかった祭壇画や美術館もあるし、このルートならタリスをムダにしなくてすみます。ブリュッセル-ゲント、ゲント-ブルージュはいずれもICで約30分。何かあっても十分リカバー可能な範囲です。ああ、よかった。ずっと悩んできた週末パリから脱出計画が、ようやく固まりました。

あとは万が一の際に臨機応変に対処できるよう、細心の注意を払って出発・滞在するのみ。みなさま、ホントに最近は海外旅行の不安要素が増えてきて、考えなくてはいけないことが多いですわよね。でも、しっかり情報を集めて無理をしなければ、きっと実りのある旅ができるはずです。わたくしも調子に乗らず堅実に楽しんでまいりますわね。それでは、また帰国後に。Ciao!

聞かせて、あなたの声を

「私は以前IT系の会社で働いており、主人もIT系ですが、スマホを持っておりません」というマダムビアンカ様。アジア圏は「下を向いてスマホ」で会話を楽しんでいる人が少ないとお嘆きです。顔を見て会話することの大切さ、わたくしも同意いたしますわ~。そして「素敵な旅の出会いもスマホなしがお勧めです。ホホホ」。素敵なマダムビアンカ様、ぜひまた旅先でのご武勇伝をお寄せください!

常連シェリー様はドイツ旅お手配の真っ最中。ミスターとの対談でB&Bの話題が出たことに関し、ご自身のニュージーランドやサンフランシスコでのゲストハウス体験は「今のところ、はずれなし」で「ドイツはホテルを取ってるけど、B&Bも探して見ようかな」と。お忙しい毎日を送りながらも、旅の楽しみを追求しているシェリー様。ドイツ旅行のエピソードお待ちしていますね。

お初のお便りはマダムきゃしい様から。わたくしの海外ショッピングが楽しくないと言うぼやきに「まったくその通り~!」「最近はお土産に買うものがなくてほとほと困っております」。でも「お土産はその人のために選んだという気持ちが大切です」「たとえそこらで手に入ったとしても、その日そのときその場所で手に取って気に入ったということが大事ですよね」と心温まるお言葉を。これからもお互い、お買物頑張りましょう!

そして西海岸にお住まいのGlaser様からは、現地での「日本人の接客には目に余るものがありました。同じ日本人にはなにも言わないでレシートを投げてよこすのに、アメリカ白人には『ありがとうございます。よい日でありますように』と言ってました」という悲しいエピソードが…。人間どこにいようと、誰に対しても誠実な対応を心がけたいものですわね。わたくしも改めてキモに銘じましたわ。Glaser様お便りありがとうございます。これからも辛口サロンをよろしくお願いします。

使えるワンポイント英会話

「It’s probably too good to be true.」

「話がうますぎるんですけど」という意味のフレーズです。提供されるサービスや商品が、そのモノやコトに対して驚くほどの安価だったり、不審な部分がある場合は、こう言ってはっきり断ったほうが無難です。もしくは納得がいくまで説明を求めましょう。あいまいなイエスだけは禁物ですよ!

他にも、あらゆるシーンで役立つ英会話がそろってます!

マダムイラスト
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