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マダムヨーコの辛口旅サロン「目指せエレガント・トラベラー」
Vol.
15

年末特別対談「旅のキモはホテルにあり!」(後編)

マダムヨーコの辛口旅サロン 年末特別対談「旅のキモはホテルにあり!」(後編)

ミスターMとマダムヨーコが送る年末特別対談、今回はその後編です。前編では今、世界のホテル事情はどう変わっているのかについて、ホテルスペシャリストであるミスターの博識が炸裂。マダムはひたすら感心していたもようです。後半も目からウロコのホテル話とともに、テーマは日本人とホテルへと飛躍していきます。さて、二人がたどり着いた意外な結論とは・・・!?

ブランドホテル界のリーダーはイタリア

ミスター 前回は今後ますますホテルの多極化、多様化、高品質少量化が続いていくというところまで話したんだよね。

マダム わたくし、その中で出てきたブランドチェーンについてもう少しうかがいたいと思っておりましたの。

ミスター ブランドチェーンホテルも、プラン(plan)からドゥ(do)に動き出したのはここ数年の傾向だよね。ヴェルサーチ、フェラガモ、ブルガリあたりはすでに有名だけど、これからアルマーニやモスキーノもホテル業界に進出してくる。

マダム イタリアブランドばっかりですけど、その理由は?

ミスター うーん、なんだろう。インテリアとしてはラルフ・ローレンはじめファッションデザイナーが手がけているところもあるけれどね。やっぱりマンジャーレ、カンターレ、アモーレの国イタリアのデザイナーの方が、人生をどう楽しむかって永遠のテーマへの訴求力があるってことかな。だから衣・食・住のトータルプロデュースに優れているよね。ファブリック、カラースキームのバランスなんかバツグンだもの。

ブルガリは時間とともに魅力が増していくか?

マダム わたくしゴールドコーストのパラッツォ ヴェルサーチには驚きましたわ。思い描いていたケバケバのイメージとは全然違うんですもの。ドアノブからコースターまで完璧エレガント。うっとりしましたわ。

ミスター その瞬間、その場という劇場ファッションと、過ごす、生活するインテリアとの調和と云うか発想の違いだよね。そんなメリハリがステキだよね。フィレンツェのルンガルノもいいよね。ここはフェラガモの経営なんだけど、いまのところ私の中ではブランド系のベストだな。

マダム それにつけても

ミスター ちょっとギモンなのが

マダムミスター ブルガリ!

ミスター いや、素晴らしいんだけどね。黒、白、ダークブラウンというベースカラーでまとめられたシックな空間や備品のセレクトなんかは。

マダム でも?、いまいちときめかないんですの。何かエロティシズムが足りないというか、ゲストを内包する温かみに欠けているというか・・・。

ミスター 欧米の「違いのわかる」リッチ層には大人気だよ。ミラノもバリも。コンセプトはしっかりしているからね。もう少し時間が経てばしっくりしてくると思うな。

次は「ナチュラル」「ウェルネス」の時代へ

マダム ところで、メジャー化の進化が極まって「小規模」「小資本」「限定」へと移行しつつあるホテルですけど、その先はどこに進むと思われますの?

ミスター 次は「ナチュラル」「ウェルネス」かな。リゾート系ならエコ、スパ、グリーンコンシャスを追求していくだろうし、シティホテルもすでに「アーバンリゾート」的な癒しや安らぎをコンセプトにしている。ハイテクからナチュラルへの移行だ。

マダム 敷地の木を一切切らずに建築したとか、生活排水を浄化して灌水などにリサイクルしているホテルも増えてきましたわね。

ミスター 資源の枯渇、地球温暖化はホテルビジネスでも避けて通れない課題だよ。でも、私からいわせればリゾート開発自体が自然破壊の極みなんだよ!

マダム それを言っちゃあ・・・。

ミスター 本当のエコリゾートしたいなら、キャンプしてろって!

マダム み、ミもフタもない・・・。

ミスター まあね。実際、アマンだかフォーシーズンズだったか、テント式で季節に応じて移動していくようなホテルを展開しているところもあるよね。不便な点も多いけど、こういうのこそエコリゾートに近いんじゃないのかなあ。あれこれうるさい日本人には向かないかもしれないけど。

ホテルは貴族生活のシミュレーションだった

マダム いろいろなホテルで聞きましたけど、日本人のホテルに対する要求レベルって本当に高いですわね。それを反映してきめ細やかなサービスに結びつけているケースもありますけど。

ミスター そもそもホテルは非日常空間の提供であり、貴族生活のシミュレーションだったんだよ。だから高級ホテルはコッテコテの内装であり、バトラーという執事がかしずいてくれるわけ。

マダム 問題は、日本人がそこにうまく「はまれない」ことかしら。なんせ社会的なクラスもなければ、チップというコミュニケーション手段も日常にはない。どうしても「サービス=無料」が身に染みついているから、「お客様は神様だ」とふんぞりかえっちゃうんですよね。

日本にはすべてのタイプのホテルが存在していた!?

ミスター でもね、考えてみれば日本人ほどいろいろなホテルのサービスを体験している人種もいないんだ。客室にプールが付いて、専属バトラーがいるバリのヴィラ。これって、いわば温泉旅館でしょ。プールの代わりに個室露天風呂があって、仲居さんがいるだけで。

マダム 「心付け」というチップの変形も渡しますわね!

ミスター 日本が誇るミニマルサービスホテル、ビジネスホテルだって、ゲストハウスに居住性と機能性を付加したブティックホテルの走りみたいなものだよ。

マダム あっ。思いついた。ほかにもありますわ・・・ラブホテル!

ミスター おお?。アートホテルだ!

マダム 客室ごとに違う内装、バスルームを重視した個性的なインテリア、至れり尽くせりのアメニティ、ゲストの邪魔をしないサービス。うーん、素晴らしい。

ミスター マダム、詳しいね・・・。

マダム あら?、社会人としての一般常識ですわよっ。ほほほ。

ミスター 実際のところ多様化、高品質少量化に向かっている世界のホテルが、日本のラブホテルに非常に近い形態になっているのはまぎれもない事実だね。

日本人の旅の目的は「海外に行く」こと

マダム ホント、丸いベッドが置いてあるとか、バスルームがガラス張りなんていうホテルに「うちってスタイリッシュでしょ」と自慢されると、わたくし内心で「・・・でも、ラブホテル・・・」なんて思ってしまいますもの。

ミスター だよねえ。だから日本人は、意識しないうちに最新ホテルのインテリア・バリエーションは全て国内で体験済みなんだ。すごい国民性だよ。

マダム ということは、利用するホテルによって自然とふるまいも変わっているってことでしょう?東京のペニンシュラにジーンズとTシャツで泊まりに行く人がいないのに、どうして海外だと平気でラフな格好で行ってしまうのかしら?

ミスター 日本人は「海外に行く」というのが旅の主題だからかな。ホテルはまだまだ「寝る場所」としての認知しか受けていないんじゃないかな。だからガイドブックにあるような「安全」で「動きやすい」ファッションになっちゃうんだろうし、ホテルでどうふるまうかまでは考えていないのかもね。

マダム その認識が改まれば!安宿に泊まるときに貴重品の管理に心を砕くように、高級ホテルに泊まるときはホテルの格に合わせられるよう心を砕いてほしいものですわね?。

ホテルは異文化を体験するための大切な舞台

ミスター 前にも言ったけれど、旅とは異文化に飛び込むこと。ホテルはその舞台になる大切な場所なんだ。どこでもいいや、じゃなくてぜひ積極的にホテル選びをして、そこがプレゼンテーションしてくれる空間をとことん楽しんで欲しいな。

マダム これからも、あっと驚くようなホテルがどんどん登場してきそうですものね。うかうかしていられませんわ!

ミスター 私も行きたい場所、泊まってみたいホテルがたくさんあるんだ。この間行ったローマでも・・・。

マダム ストップ!それはこれからの「おいしい話」でじっくりご紹介なさって!

ミスター はいはい。結局最後はマダムに仕切られるのか?。

マダムミスター それでは、みなさま、来年もよい旅を!Ciao!

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