ミスターMのおいしい旅の話「次の旅はここへ行け!」
Vol.
79

成功するロングステイの心得

ミスターMのおいしい旅の話 成功するロングステイの心得

みなさんはロングステイに興味がおありでしょうか。休暇を利用して1カ月、いや2週間だけでも海外で暮らしてみたい……ふむふむ、それも立派なロングステイですね。もっと本格的になると「リタイアメントしたら、どこか海外にも滞在拠点を置いてみたい」と、真剣に考えている方もいらっしゃることでしょう。ところが夢見るはやすし、でも全てがバラ色とはいかないのが、ロングステイの現実のようですな。

ロングステイ=生活すること

ややブームは沈静化した感がありますが、今でもリタイア後のロングステイは各種メディアで折に触れ取り上げられる人気のテーマです。ごくごく普通の夫婦が海外で夢のような暮らしをしている……そんな場面を見てしまうと、自分でも気軽に海外ロングステイができるような気になりますよね。ところが! そこに落とし穴があるのです。

ロングステイとは、異文化の海外で生活すること。この認識をないがしろにしてはいけません。体験ツアーのように、いろいろな面倒や危険を誰かが排除してくれる旅行とは根本的に異なります。夫婦や友人など、同行・同居者がいるとしたら、海外での生活に対するお互いの価値観を、きちんとすり合わせておく必要があります。一方だけが盛り上がって楽観的、他方は「仕方ないけど」的な消極的態度。これはモメます(笑)。そして見知らぬ土地、環境で生活するための健康状態、ノウハウ、コミュニケーション力などが相応に備わっているかどうかが、ロングステイ成功のための大前提にあるとお考えください。

理想と現実

ロングステイとは「現実の生活」です。憧れの国だったから、一度旅行をして素晴らしい体験をしたから、第2の人生を送るのならここしかない……等々。行動を起こすきっかけとしては素晴らしいことです。が、そうした先入観、思い込みだけで突っ走ってはあまりに楽観的というものです。

一番大事なのはフレキシブルな思考、異文化を受け入れる精神、好奇心でしょうなあ。どこに行っても、たいていのことは「そういうものか」という気持ちで対処する。郷に従って窮屈じゃない、そんなのんきで柔軟な思考の人の方が、確実にロングステイ向きなのです。理想的だと思っていても、実際には不便なことがたくさんあるし、煩わしい人間関係だってあります。言ってみれば「夢の田舎暮らし」と同じです。物価が安いからとか、気候がいいからとか、憧れだけで決めてしまうと、見えていない現実の前に立ち往生します。趣味趣向、ライフスタイル、夫婦関係など、あらゆる事柄を考慮した上で、慎重に事を進めましょう。

シミュレーション

リタイアメント後のロングステイのための助走として、私がおすすめしたいのがシミュレーション滞在です。まだ体力のある50代頃から、興味のある国に、季節、場所を変えて何度か訪れておく。何度も訪問すれば、いろいろな面が見えてくるはず。その中から徐々に候補を絞り込んでいくのです。この時に大事なのは、ツアーではなく基本的な手配を自分でする個人旅行にすることです。情報収集や手配の苦労からはじまって、現地で失敗したり痛い目にあう。そこから段取りや滞在の経験値が積み重なっていくのです。こうした手間が面倒だという人は、ロングステイは向きません。ショートステイにとどめておくのが無難です。

もちろん、2~3日だけのお試し滞在では不足です。シミュレーション滞在は、同じ場所に複数回、そして1カ月以上「生活」してみることです。肝心なのは、自分たちが求めているものは何かを明確にすること。移動、買い物、病院、地域コミュニティ、日本人会など、さまざまな要因をリストアップしてチェックしましょう。ノリや気分だけで安易に決めてしまうと、それが後々マイナスになることもあります。たとえば一口にゴルフ好きといっても、夫婦で週4~5回もラウンドするような本格派なら、ゴルフ環境をポイントにしたデスティネーションや物件をチョイスしても問題ないでしょう。でも、「ゴルフもできるといいなあ」レベルだとしたら、ゴルフを主眼にして滞在先を選んで、いざゴルフに飽きた時に「さあ、どうする?」。困ることになりますね。「そこ」に滞在する目的は何なのか? 中・長期的な視野からの検討も忘れずにしておいてください。

いかがでしたか? かなりシビアなアドバイスになってしまいましたが、だからこそロングステイは、楽しくトライしがいのあるイベントだと思いますよ。ロングステイについては今後も機会をみて取り上げていく予定です。みなさんからのご質問やご意見も引き続き募集中ですので、どんどんお寄せください。

花鳥風月

花鳥風月/まだまだ走り続けるタイ

バンコクでセレブ風を吹かしてきたと思しき(笑)マダムヨーコと、タイの相変わらずの開発ぶりについて話が弾みました。私も行くたびに友人たちから驚くような情報を聞かされるのですが、あの国では、またもやぶっとびのプロジェクトがはじまるらしいですゾ。それはバンコクを中心に、東西南北5都市への新幹線敷設。しかも5路線一斉にスタートするのだというのですから、そのスケール、発想に開いた口がふさがりません(いい意味で!)。

これが実現したとすると、最も大きな影響を受けそうなのが北の古都、チェンマイでしょうか。比較的過ごしやすい温暖な気候と豊かな自然、物価の安さで日本人ロングステイヤーにも人気の都市です。数年前から幹線道路沿いに大型レジデンスや巨大商業施設の建築が進んでいるのも、近い将来の人口の流れを見据えてのことかもしれません。さあ、どうなるバンコク。私も今後の動きに注目していきます。

イメージ
おすすめバックナンバー

このページの先頭へ戻る

大好評!アップルくんポイント
  • 緊急コールセンター
海外でのトラブルや、現地での旅のお手伝いは緊急コールセンターにおまかせ下さい。安心・確実な旅を日本語でサポートします。
  • 空港からのアクセス
主要な都市の、空港から市内までのアクセスをまとめました。