ミスターMのおいしい旅の話「次の旅はここへ行け!」
Vol.
32

注目の隠れアジアンリゾートを上手に遊ぼう

ミスターMのおいしい旅の話 注目の隠れアジアンリゾートを上手に遊ぼう

このメルマガがみなさんに届く頃には、一端は収束したタイの騒動はいかなる展開をみせているか・・・ちょっと心配ですね。しかし、ご存じタイという国は奥が深いと言うか、懐が深いのですよ。革命が起ころうが、装甲車が出動しようが、王宮付近で銃撃戦があろうが、市民生活の平和な日常風景は、そう簡単には波風立たないんです。タイ人は大人(タイジン)・・・なんちゃって。騒いでいるのはマスコミだけ!?っ て風景は今回もまったく同じ。そんなところもタイの魅力ですね。ただ、世界的な金融不安が製造業王国を襲った激震、年末の空港閉鎖はタイの観光業界に多大な影響をもたらしています。今回程度の政治行動はそんな脆弱化した地盤を揺るがすに充分でした。

ザ ダタイを見にランカウイへ

そんな私は、久々に長めの日程でじっくりランカウイ島、ビンタン島、プーケット島という東南アジアのリゾートチェックに出かけてまいりました。中でも最大の目的はランカウイのザ ダタイ。以前ご報告したように、フォーシーズンズという強敵が現れたランカウイ。同北部エリアにある高級リゾートのザ ダタイ、タンジュンルーは、大がかりなリニューアルやヴィラ増設という手段で対抗しています。そしてさりげなーく値上げも(笑)。いずれにせよ、フォーシーズンズの登場は、ランカウイ北部のリゾート事情に活を入れたことは間違いありません。

ザ ダタイのオープンは1993年。エリア名を名前にしていますが、マネジメントは、あのアマンと同系列会社GMHです。ランクはチェディと同じクラスでしょうか。かつては、マレーシアのリゾートではパンコールラウと並ぶトップランナーとして名声を馳せていたザ ダタイ。しかしオープンから早16年。2008年に大規模改装をしたというウワサは聞いていたのですが、どこがどう変わったのか。そして何が変わらないのか。果たしてかつてのようにゲストを魅了する存在でいるのかどうか。いろいろな思いが入り乱れての訪問でした。

やるじゃないか、ダタイ!

いやはや、行ってビックリです。まだハイシーズンとはいえないこの時期、ザ ダタイはほぼ満室状態だったのです。しかもハイカテゴリーの客室が埋まっている。うーむ。新しくできたプールヴィラは人気沸騰。特にプールヴィラはアラブ系に人気なのですと。なぜかわかりますか? 女性が他人の目に触れずにプールに入ることができるからなのですな。造りもかなりエコを意識しています。そしてメインテナンスが非常によく行き届いているのにも感心しました。熱帯雨林のようなジャングルにあって、どう見ても傷つきやすい材質なのに、古さや傷みがほとんど目立たないのです。

ザ ダタイはフォーシーズンズ登場以降の年末年始も、常にヨーロピアンで満室なのだそう。そして彼らの60%が、チェックアウト時に次の年の予約をしてから帰っていく常連リピータのようです。そんな、日本人にしてみれば結構な長逗留のヨーロピアンが滞在中、一体何をしているか・・・というと、何もしません。ビーチでボーッ、プールサイドでボーッ+読書三昧。そこにあるのはジャングルと素晴らしい白砂ビーチ、海と太陽だけ。実際、周りは何もないに等しく、どこに行くにもいちいち車を回してもらわないとなりません。ちょこまか動き回るのが好きな日本人には、ちとつらいようです。「何にもな?い!」の勘違いクレームが今なお届きますから・・・もったいない(トホホ)。

変わらないからランカウイなのだ

リゾートブームやホテルブームは世界的な流行ですが、ランカウイは昔からあまり雰囲気が変わりません。ラグジュアリーなリゾートが進出しているとはいえ、タイのサムイ島のように短期間にビフォー&アフターのような劇的変化を遂げる様子もなし。これは国(というかマハティール前首相の主導)による保護政策、開発制限が非常にうまくいっている証のようです。もちろん不満もあります。「中間」がないのですよ。北部は目玉の飛び出るような超高級リゾートエリア、南部はプリミティブなゲストハウス密集でしょ。どちらもヨーロッパ人好みなのですな。日本人が好きな「そこそこ」がほとんどないのです。日本人リピータが育たないのも、そこに原因があるのではありますまいか。そんなわけで、ランカウイは昔も今もアジアにおけるヨーロピアン・バカンスリゾートの代表格なのであります。

日本の広告代理店を送り込みたいビンタン島

お次の話題はビンタン島。数年前からかなりPRに熱を入れているのは知っていましたが、いまいち野暮ったいし成功しているとは言えませんなあ。日本の優秀な広告代理店をトータルブランディングにご紹介したいくらいです。滞在したニルワナ リゾートはまあまあといったところ。その裏手にある島内最高級のインドラマヤは、はっきり言って「はあ?」って感じでしたねえ。マーケット別、指向別の開発コンセプトなのでしょうが、何でしょうか、ちょっと感性が違うなぁ?。あの強気の料金は(苦笑)。またディナーでバンヤンツリーに行きましたが、完璧なサービス、食事はおいしかったものの、やはりアンバランス。高すぎです! 客は2,3組。ハウスゲストを優先したテーブル案内なのか、奥の方はガラガラ。これまたフレキシブルな対応が感じられず「ふーん」て感じです。

そもそも、ビンタン島自体がガラガラでしたね。週末やスクールホリデーには人が押し寄せるようですが、ウイークデーは寂しいほどの人口密度の低さ。しかも各リゾートが敷地内完結型で、隣のホテルのレストランに行くのにも苦労するくらい不便。館内でよりお金を落としてもらおうという算段なのでしょうが逆効果。リゾートながら2、3泊ゲストが中心のため、まったく限定したマーケティングというか、ゲストのことを考えていないとしか言いようがありません。せめてリゾート間を周遊するシャトルバスを運行するなどのインテグレーションがなされるべきです。

リゾートとしては未熟、だけど・・・

こうした現状から見て、ビンタン島はいわゆる「リゾート」を期待している人には、まだまだおすすめできるデスティネーションではありません。しかし、しかしですぞ。絶対に行くべき人種もいます。それはゴルファー! えー。3月から5月ってまだ雨季なんでしょ? スコールがあるんでしょ? ネット天気予報は毎日雨マークじゃない!? プレーには最悪のコンディションじゃないの? と、思うでしょう。そう、温度湿度は半端じゃありませんぞ(笑)。今回もかるーく気温40度、湿度90%超だったと思います。立っているだけでもどんどん汗が・・・。日頃運動不足の人は、かなりこたえます。でも、乾燥肌はプルプルに! そして、ゴルフバカンスには絶好のチャンスなのです。

まず、プレーフィーが安い。ま、アジアといえ、最近はそこそこのコースは1万円を超えますが。が! ビンタン島のコース設計は、帝王ジャック・ニクラウス、南アの黒豹ゲーリー・プレーヤー、ホワイトシャークはグレッグ・ノーマン、奇才イアンベーカー・フィンチ。それはそれは面白い、チャレンジングなチャンピオンシップコースばかり! それが河川敷コース並みの料金! しかも週末を外せばかなり空いてます。

では、いつ回るか。これはもうサンライズをお供にティーオフで決まりです。ベストは7時頃(8時半以降ではすでにかなり暑くなり後半バテます)。スコールが来やすい昼過ぎ3時頃にはあがってビールで乾杯がいいでしょう。特にスコールで湿度が120%になり、そこに太陽がカっカッと照りつけると、下からブアッ?と湿気が上がってきて、ナチュラルスティームサウナ状態に。無理は禁物です。7時過ぎティーオフで11時半にはアップしていると理想的ですね。軽く朝食を取って9ホール、しっかり昼食&余裕があれば軽くシエスタ。陽射しが和らぎスコールがない日は午後3時以降に再び9ホール。終了後はスパで体をメンテし、しゃきっと着替えてディナー。これぞ最高のゴルフバカンスではありませぬか。

ビンタン島とランカウイのゴルフコース

ビンタン島には4つ計81ホールのゴルフコースがあり、前述の通りいずれも非常に個性的です。ラグーナ・ビンタン・ゴルフクラブはグレッグ・ノーマン設計。フラットめで比較的優しく、初心者でもトライしやすいコースです。ビンタン・ラグーン・ゴルフクラブ(名前が似ていてややこしいですね)は、ジャック・ニクラウス設計のシービューコースと、イアンベーカー・フィンチによるウッドランズコース(ジャングルコース)があります。それぞれチャレンジングで、ローハンディキャップであればあるほど楽しめるはず。そして一番人気なのが、ゲイリー・プレーヤー設計のリア・ビンタン・ゴルフクラブ。芝生がスティッキーで、大きくうねるフェアウェイ、プレイスメントが難しいのが特徴。グリーンアンジュレーションも巧妙です。何度もチャレンジしたくなる美しく、楽しいコースのオンパレードですぞ!

ランカウイは何といってもザ・ゴルフクラブ・ダタイベイにとどめをさします。他にも手頃なコースがありますが、充実度や爽快感はダタイベイの足もとにも及びません。うねりがあり、ジャングルが迫る狭いコースは大変チャレンジング。池、バンカー、クリーク(小川)の配置が素晴らしく、苦労はするけれど手応え十分。クラブハウスのレストランがまた、上々なのであります。お値段はちょっぴり高めですが、日本に比べたらやはりお得。満足度高いですゾ。

リゾートステイをレベルアップしよう

「バカンスでゴルフ三昧したーい!」の夢を叶えてくれる、ビンタン島とランカウイ島。贅沢で優雅な時間を求めるハイエンドにはランカウイ、エコノミーに行くならビンタン島と使い分ければ、さらに楽しみ方も深まります。たとえばゴルフ仲間で心ゆくまでプレーを楽しみ、車をチャーターして食事や夜遊びに出かけるようなワイワイ型や、「目指せ第二の石川遼」キッズのファーストトレーニングラウンドを海外でという場合はビンタン島がおすすめですし、一方でゴルフもスパも2人だけで楽しみたいというカップルは、しっかり予算を確保してダタイを満喫すべし! なのであります。

リゾート滞在は、目的が明確であればあるほど楽しみを追求しやすいもの。さらには「何もしない」「時計をしない」という本来のリゾートライフを「学習」しに行くのもいいですね。エリアごとのリゾートの特性を把握して、上手な使い方を身につけていけば、きっとあなたもどんなリゾートに行っても満足ステイができるバカンスエキスパートになれますよ。

花鳥風月

プーケットてんやわんや

ここ数年、サムイの勢いに押されていたプーケットですが、今、またもやすごい勢いで新しいリゾートがオープンしています。特に目覚ましいのがパトン界隈。津波の後しばらく動きのなかった東側のビーチフロント、昔はお手頃ゲストハウスだったところが、次々にトレンディというか、ちょっぴりスノビッシュなブティックリゾートに変身しています。また開発がストップしていたジェンシロンは最終的にミレニアムリゾートが進出。繁華街の中にも、ゲストハウスや格安ロッジを改装した(建て直した)ハイクラスのリゾートが生まれています。しかし・・・やはり詰めが甘いというか、どこかテキトーというか。プライベート感がもう一つ大切にされていなかったりして、バリのリゾート造りの繊細さ、緻密さを見てしまうと、どうしてもその粗さが目に付いてしまうのです。

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