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ミスターMのおいしい旅の話「次の旅はここへ行け!」
Vol.
9

歴史の1ページに刻まれるドバイの「今」を見届ける

ミスターMのおいしい旅の話 歴史の1ページに刻まれるドバイの「今」を見届ける

前回のバーデンバーデンのお話、多くの方の楽しんでいただいたようで何よりです。ヨーロッパの温泉地を巡る旅をしたbchiekoさんは、やっとたどり着いたチェコのカルロヴィヴァリで「温泉は飲むもの!」と言われてしまったのだとか。「街中に硫黄の匂いがたちこめて、いかにも『いい湯だねぇ』を感じさせるのに温泉に入れないなんて・・・。モワモワと湯気を出しながら流れている川に思わず飛び込みたい気持ちになりました」。うーむ残念。ところ変われば、ですね。しかしテーマを持っての旅行は、きっと素晴らしいものになったことでしょう。今回は、そんな個性派トラベラーを刺激するドバイ・リポートです。

見果てぬ夢を実現した類い希なる情熱

砂漠の中の蜃気楼、プライベートジェット族のオアシス、世界初の7スターホテル登場などなど、その金満ぶりを皮肉られることなどどこ吹く風、各界の熱視線を浴びているドバイ。かつてはのどかな漁村と荒野のごとき砂漠がどこまでも広がる、何もない土地でした。それを飛躍的に発展させたのが名君、首長シェイク・ラーシド・ビン・サィード・アル・マクトゥーム氏(1920年没)。20世紀後期、国際企業の積極的な誘致と優遇、国民への惜しみない教育、宗教に縛られない寛容さという「どこにも敵を作らない」見事な政策で、ほんの20年あまりの間に石油に依存しない財政基盤を作り、GDP30倍もの発展を遂げ、ドバイをいまやアラビア半島を代表するメガロポリスへと押し上げたのです。

その叡智は、決して近視眼的ではなかったこと。人間は見果てぬ夢を抱くものですが、実現するのは至難の業。しかしラーシド首長は想像を絶する大規模な都市国家建設を、くじけることなく、また世代を超えて確実な継承、連携をもってやり遂げてしまったのであります。

「百聞は一見にしかず」を肌で感じて

空港から中心地へと続く片道6車線の道路。目に飛び込んでくるのは巨大でデザインに強い主張を持つビルまたビル。とはいえ上海と違って全体に不思議な統一感があるため、さほどハチャメチャな光景ではありません。プラント1本1本のすべてが設計図通りの人工物なのです。そんな中を走っているのがメルセデスではなくなくトヨタだらけというのは、日本人である私には嬉しいというか和むというか。ここは思った以上に違和感のない、エトランジェを優しく受け入れてくれるほのかなムードが漂っているのです。

なんてアンビシャスなんだろう・・・!あちこちのホテルを散策しながら、そのビル・コレクションに呆然。今、世界の超一流ホテルにとってドバイに進出するのは必須投資であり、エッジな企業である証。総力を結集して造り上げた洗練空間は、アラブのエキゾチズムを活かすとともに、ブレのないそれぞれの文化がしっかり内包されています。インターナショナルを謳っていても、どこか自国の慣習を持ち込み、それに甘んじてしまっているホテルが多い中、これは実は端倪すべきことではありますまいか。これぞコスモポリス。未来に向けてばく進するそのアラブの情熱に、私はますます魅了されてしまいました。

さて、ドバイには何をしに行く?

と、ここまで持ち上げておいて恐縮ですが「ドバイに行けば無条件にハッピーな滞在ができるのね」と過剰な期待をしてはいけません。基本的にドバイは周辺国富裕層の娯楽と憩い、ショッピングの場所だからです。従って物価は高めですし、有名ホテルの料金なぞ目が飛び出るほど。贅沢な旅をしたいならかなりの覚悟が必要であります。しかしはっきりとした目的を持っての訪問なら、今ドバイほど実りのあるデスティネーションはないともいえるでしょう。

たとえば建築、土木に興味のある人。ドバイはザ・パームと呼ばれる、埋め立てなどというレベルでは語れない壮大なスケールの夢の海上都市造りや、環境に配慮した最先端技術での開発、展示場のようなデザイン標本が目白押しです。またはホテルフリークのあなた。欧米型シティホテルやリゾートとは一線を画す非日常の世界が待っています。そして、歴史の証人になりたいと望む人は特に。無から有を生み出していく人間の英知のエネルギー、「アラブ人はオイルを飲んでいるのか!?」と疑いたくなるほどの飽くなきパワー。蜃気楼のようなアラブの「夢」を実現しつつあるドバイは、必ず後世に語り継がれる存在になるからです。温故知新ならぬ新故知新のドバイ。ほこりにまみれることも厭わず身をもって感じたいなら、建設ラッシュの今こそが旬です。

マイフェイバリットホテル

ブルジュ アル アラブ

先に書いた「世界初の7スター」を自称するドバイのシンボルでありジュメイラ・グループのフラッグシップ、オールスイートホテルこそが、このブルジュ アル アラブ。 セミのような、三日月型に切ったスイカのような・・といえば「ああ!」と思う浮かぶ人も多いでしょう。海中40メートルにも達する支柱や技術の粋を集めたといわれる特異な建築、全館に22カラットの純箔を惜しみなく使った異空間。私の訪問時はあいにく満室で滞在はできませんでしたが(懐は一安心)、しっかりランチを楽しんできました。などと気軽に書いていますが、本当は大変だったのです。まずはアラブの休日の金曜日だったため予約がまったく取れない。頑張って交渉したあげく、指定された時間は午後3時。それはアフタヌーンティかい!? お腹をすかせて出かけると、すでにエントランスのセキュリティゲートで「予約番号は?」と。なにしろドバイのランドマークですからね。そんなものすっかり失念していた私たちは、確認のためにまたまた待たされ・・・。

ようやく入館が許されるとザ・パームが遠望できる地上数百メートルの27階へ。レストラン「アル・ムンタハ」は宇宙空間のようなインテリア。ブッフェステーションは渋滞! すごい!ズラリと並ぶ料理の豪華なこと! ロブスター、オイスター、キャビア・・・「これはベルーガ?」みたいなプライベート・レーベルのキャビアまで、てんこ盛りで食べ放題。ブッフェ定番のスシは驚きのハイレベル。間違った解釈のない本格的な味わいに感動です。パリからパティシエを招聘しているのでしょうか、デザートも凝っていましたねえ。お値段は約15,000円。ランチで・・・ブッフェで・・・高い! 高いけれども充実感あり。だってここは1泊200万円のスイートもある7スター、ブルジュ アル アラブの最上階ですから。フェイバリットというにはあまりにも短いランデブーではありましたが、私のドバイ滞在のハイライトをゴージャスに演出してくれたのでした。

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花鳥風月

これでもか!のショッピングモールでカフェに注目

フリーポートでもあるドバイはショッピング・パラダイス。いたるところに信じられない規模のモールが点在し、中にはケンピンスキーのように屋内スキー場まで併設しているエンターテインメント・コンプレックスもあります。一流ブランドを買うなら見逃せないのは当然ですが、数少ないローカル・プロダクツを扱うショップでは手頃でユニークな品々を見つけることができますよ。疲れてきたらモール内のカフェで一休み。その雰囲気が素晴らしい!はやりのカフェ風でもなく、いわゆる喫茶店とも違う、非常に垢抜けたエレガントな空間なのです。のんびりくつろいでいると、ふとヨーロッパのカフェにいるような錯覚をしてしまいそう。必見スポットであるゴールドスークを訪問したら、ショッピングモールのカフェで休憩し、おやつにデーツ(ナツメヤシの実)を買う。特にこだわりがなくても、ドバイではこんな定番の楽しみ方もできるのです。

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